監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員
育児・介護休業法は2024年5月に改正され、2025年4月と10月にかけて段階的に施行されました。
本改正では、育児や介護のための休暇を取得する要件が緩和されるとともに、仕事と家庭の両立支援制度の強化が図られています。使用者も一層細やかな対応が求められるため、未対応の企業は速やかに体制を整備する必要があります。
本記事では、2025年の育児・介護休業法改正のポイント、企業に求められる対応や注意点などについて詳しく解説していきます。
目次
- 1 育児・介護休業法の改正の目的
- 2 育児・介護休業法の2025年の改正ポイント
- 3 近年の育児・介護休業法の改正履歴
- 4 育児・介護休業法改正に向けて企業がとるべき対応
- 5 育児・介護休業法に関するよくある質問
- 6 育児・介護休業法改正へ適切に対応できるよう、弁護士がアドバイスいたします
育児・介護休業法の改正の目的
育児・介護休業法の改正の目的は、男女ともに仕事と家庭を両立できるよう、支援対策を強化することにあります。具体的には、以下の3点が法改正の軸となっています。- 子の年齢に応じた柔軟な働き方の実現
- 育児休業取得状況の公表義務拡大による“男性の育休取得率の向上”
- 介護離職防止措置の強化
仕事と家庭の両立支援の根底には、少子高齢化による労働力不足の深刻化があります。育児や介護をしながらでも働きやすい環境を整備し、労働者の離職を防ぐことが大きな目的です。
育児・介護休業法の2025年の改正ポイント
改正育児・介護休業法は、2024年5月に公布され、2025年4月と10月に段階的に施行されました。法改正のポイントについて、下表で整理します。
| 2025年4月施行 | 育児関連 | ①子の看護休暇の見直し ②所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大 ③短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワーク追加 ④育児のためのテレワーク導入【努力義務】 ⑤育児休業取得状況の公表義務適用拡大 |
|---|---|---|
| 介護関連 | ⑥介護休暇を取得できる労働者の要件緩和 ⑦介護離職防止のための雇用環境整備 ⑧介護離職防止のための個別の周知・意向確認等 ⑨介護のためのテレワーク導入【努力義務】 |
|
| 2025年10月施行 | 育児関連 | ⑩柔軟な働き方を実現するための措置等 ⑪仕事と家庭の両立に関する個別の意向聴取・配慮 |
①子の看護休暇の見直し
子の看護休暇制度が改正され、取得要件が大きく緩和されました。
まず、対象となる子の年齢が「小学校3年生修了まで」に拡大され、より幅広い家庭で利用可能となっています。さらに、取得事由に入園式や入学式、卒園式が追加され、学校行事への参加を理由に休暇を取れるようになりました。
改正に伴い、制度名称も「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」へ変更されています。加えて、労使協定で除外できる労働者の要件から「継続雇用期間6ヶ月未満」が撤廃され、入社間もない社員でも休暇取得が可能となります。
| 改正内容 | 令和7年3月31日まで | 令和7年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 対象となる子の範囲の拡大 | 小学校就学の始期に達するまで | 小学校第3学年修了(9歳に達する日以後の最初の3月31日)まで |
| 取得事由の拡大 | ①病気・けが ②予防接種・健康診断 |
①病気・けが ②予防接種・健康診断 ③感染症に伴う学級閉鎖等 ④入園(入学)式・卒園式 |
| 労使協定による継続雇用期間 6か月未満除外規定の廃止 |
<除外できる労働者> ①週の所定労働日数が2日以下 ②継続雇用期間6か月未満 |
<除外できる労働者> ①週の所定労働日数が2日以下 ※②を撤廃 |
| 名称変更 | 子の看護休暇 | 子の看護等休暇 |
②所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大
| 改正内容 | 令和7年3月31日まで | 令和7年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 請求可能となる労働者の範囲の拡大 | 3歳未満の子を養育する労働者 | 小学校就学前の子を養育する労働者 |
一定年齢未満の子供をもつ労働者は、使用者に対して「所定外労働(残業)の制限」を請求することができます。
従来、所定外労働(残業)の制限の対象は「3歳未満の子供をもつ労働者」に限られていましたが、改正後は「小学校就学前の子供をもつ労働者」に拡大されました。
対象者から所定外労働(残業)の制限を求められた場合、使用者は基本的に拒否できません。そのため、事業に大きな支障をきたす場合を除き、所定外労働(残業)を命じることは違法となります。
③短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワーク追加
| 改正内容 | 令和7年3月31日まで | 令和7年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 短時間勤務制度の代替措置(※)のメニューを追加 | <代替措置> ①育児休業に関する制度に準ずる措置 ②フレックスタイム制 ③始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤の制度) ④保育施設の設置・運営等 |
<代替措置> ①育児休業に関する制度に準ずる措置 ②フレックスタイム制 ③始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤の制度) ④保育施設の設置・運営等 ⑤テレワーク等 |
短時間勤務制度に関する法改正で、代替措置として新たに「テレワーク」が追加されました。
3歳未満の子を持つ労働者から短時間勤務の申し出があった場合、原則として使用者は応じる義務があります。
しかし、業務の性質上、短時間勤務の適用が困難な場合には、労使協定を締結したうえで代替措置を講じることが認められています。従来はフレックスタイム制や時差出勤、保育施設の整備などが選択肢でしたが、今回の改正でテレワークも加わり、柔軟な働き方の選択肢が広がりました。
なお、テレワークを導入する場合は就業規則の変更が必要となるため、企業は制度設計や規程整備を早めに進めることが重要です。
④育児のためのテレワーク導入【努力義務】
3歳未満の子供をもつ労働者がテレワークを選択できるように措置を講じることが、企業の努力義務となりました。
これは、労働者の通勤時間や送迎の利便性を考慮した義務なので、短時間勤務の有無にかかわらず幅広く適用するのが望ましいとされています。
例えば、短時間勤務とテレワークを併用することで、通勤の手間と時間が省けるため、朝の保育園の送迎にもゆとりが生まれます。また、「テレワークであればフルタイムで働ける」という労働者も少なくないでしょう。
ただし、テレワークの導入は“努力義務”なので、適用範囲や実施頻度などは企業の裁量に委ねられます。テレワークが可能な部署への配置転換などの対応までは求められていません。
⑤育児休業取得状況の公表義務適用拡大
| 改正内容 | 令和7年3月31日まで | 令和7年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 公表義務の対象となる企業の拡大 | 常時雇用する労働者数1,001人以上の企業 | 常時雇用する労働者数301人以上の企業 |
一定以上の規模の企業では、年1回、自社の育児休業取得状況を公表することが義務付けられています。法改正では、公表義務のある企業の範囲が「従業員数1,001人以上」から「従業員数301人以上」に拡大されました。
対象企業は、以下のいずれかの数値を、一般の方が閲覧できる方法(自社のホームページや厚生労働省のサイト「両立支援ひろば」など)で公表しなければなりません。
- 男性の育児休業等の取得率
- 男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率
⑥介護休暇を取得できる労働者の要件緩和
| 改正内容 | 施行前 | 施行後 |
|---|---|---|
| 労使協定による継続雇用期間6か月未満除外規定の廃止 | 〈除外できる労働者〉 ①週の所定労働日数が2日以下 ②継続雇用期間6か月未満 |
〈除外できる労働者〉 ①週の所定労働日数が2日以下 ※②を撤廃 |
労使協定の締結により、介護休暇の取得対象から除外できる労働者のうち、「継続雇用期間6ヶ月未満」という要件が撤廃されました。これにより、入社後間もない労働者でも介護休暇の取得が可能となりました。
また、介護の対象となる「常時介護を必要とする状態」の判断基準が見直されました。これまでの介護休暇は、主に“高齢者の介護”を想定した制度でしたが、本改正により、障害児・者や医療的ケアが必要な人も対象家族に含まれることとなりました。
⑦介護離職防止のための雇用環境整備
介護休業や介護両立支援制度の取得を促すため、使用者は以下4つのうちいずれかの措置を講じなければなりません。
- ①制度に関する研修の実施
- ②制度に関する相談窓口の設置
- ③自社の労働者による制度利用の事例収集・提供
- ④制度の利用促進に関する方針の周知
「介護両立支援制度」の例としては、介護休暇、所定外労働や時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮などが挙げられます。
⑧介護離職防止のための個別の周知・意向確認等
介護に直面した旨の申出をした労働者に対する対応
労働者から介護に直面した旨の申出があった場合、使用者は以下の方法で「介護休業」や「介護両立支援制度」について個別周知・意向確認を行わなければなりません。
| 周知事項 | ①介護休業に関する制度、介護両立支援制度等(制度の内容) ②介護休業・介護両立支援制度等の申出先(例:人事部など) ③介護休業給付金に関すること |
|---|---|
| 個別周知・意向確認の方法 | ①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか 注:①はオンライン面談も可能。③④は労働者が希望した場合のみ |
対象者は、雇用形態、年齢、性別、勤続年数などを問わずすべての労働者となります。制度の利用をためらわせるような説明や案内は、法律上認められていません。
介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供
使用者は、労働者が介護に直面する前の早い段階(40歳等)で、以下の方法で「介護休業」や「介護両立支援制度」に関する情報提供を行わなければなりません。
| 情報提供期間 | ① 労働者が40歳に達する日(誕生日前日)の属する年度(1年間) ② 労働者が40歳に達する日の翌日(誕生日)から1年間 のいずれか |
|---|---|
| 情報提供事項 | ① 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等(制度の内容) ② 介護休業・介護両立支援制度等の申出先(例:人事部など) ③ 介護休業給付金に関すること |
| 情報提供の方法 | ①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか 注:①はオンライン面談も可能 |
これは、労働者が介護休業などを十分に活用できないまま離職してしまうことを防ぐため、早期の情報提供を行うのが主な目的です。そのため、現在の介護の有無にかかわらず、40歳前後の労働者全員を対象に実施する必要があります。
ただし、個別の情報提供までは義務付けられていないため、例えば年度当初に対象者全員を集め、説明会を行うような方法でも問題ありません。
⑨介護のためのテレワーク導入【努力義務】
要介護状態にある家族の介護を行う労働者が「テレワーク」を選択できるように措置を講じることが、企業の努力義務となりました。
これにより、遠方に住む要介護の家族の近くでも仕事ができるなど、柔軟な働き方の実現につながります。
ただし、対象者全員のテレワーク適用を義務付けるものではありません。
テレワークが可能な部署に配置転換する、テレワークに対応した新たな部署を創設するといった対応も基本的には不要です。
⑩柔軟な働き方を実現するための措置等
使用者は、3歳から小学校就学前の子供をもつ労働者について、以下5つの措置から2つ以上を選択し、実施する必要があります。
どの措置を講じるかは、過半数労働組合または過半数代表者の意見を聴取したうえで決定します。
- 始業時刻などの変更(フレックスタイム制や時差出勤)
- テレワーク(月10日以上)
- 保育施設の設置運営
- 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(年10日以上)
- 短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む)
労働者は、使用者が講じる2つ以上の措置の中から1つを選択し、利用することができます。
なお、使用者は労働者の子供が3歳を迎える1ヶ月前(2歳11ヶ月)までの1年間に、措置の内容や申請方法、その他の両立支援制度について個別周知と意向確認を行わなければなりません。
労働者が十分な検討時間を確保できるよう、適切な時期に実施しましょう。
| 周知時期 | 労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで) |
|---|---|
| 周知事項 | ① 事業主が(1)で選択した対象措置(2つ以上)の内容 ② 対象措置の申出先(例:人事部など) ③ 所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度 |
| 個別周知・意向確認の方法 | ①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか 注:①はオンライン面談も可能。③④は労働者が希望した場合のみ |
⑪仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮
使用者は、労働者が自身または配偶者の妊娠・出産を申し出たときや、子供が3歳を迎える前の適切な時期に、その後の働き方について個別の意向聴取・配慮を行わなければなりません。
聴取内容は、勤務時間や勤務地、両立支援制度の利用期間、労働条件の見直しなどが挙げられます。また、使用者は聴取した内容を踏まえ、以下のような配慮を検討する必要があります。
- 所定労働時間の短縮
- 人事異動や配置転換
- 業務量の調整
- 両立支援制度の利用期間延長
個別の意向聴取は、労働者1人1人の家庭状況に応じて、柔軟な両立支援を行うことが大きな目的です。そのため、上表の時期に限らず意向聴取は定期的に行い、現在のニーズに適しているか確認するのが望ましいとされています。
| 意向聴取の時期 | ① 労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たとき ② 労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで) |
|---|---|
| 聴取内容 | ① 勤務時間帯(始業および終業の時刻) ② 勤務地(就業の場所) ③ 両立支援制度等の利用期間 ④ 仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等) |
| 意向聴取の方法 | ①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか 注:①はオンライン面談も可能。③④は労働者が希望した場合のみ |
近年の育児・介護休業法の改正履歴
育児・介護休業法は、2024年以前も度々改正されてきました。近時の2022年、2023年の改正点について、次項から解説します。
2022年の改正内容
2022年には、4月と10月の2回法改正が行われました。改正のポイントは、下表のとおりです。
| 2022年4月1日施行 | ・雇用環境の整備 ・育児休業制度の個別周知 ・育児休業の取得意向の確認の義務化 |
・育児休業を取得しやすい環境整備のため、研修や相談窓口の設置を行うこと ・妊娠や出産を申し出た労働者に対して、育児休業制度の“周知”と“取得意向の確認”を行うこと |
|---|---|---|
| 有期労働者の育児休業の取得要件の緩和 | 「引き続き雇用された期間が1年以上」という取得要件を撤廃 | |
| 2022年10月1日施行 | 産後パパ育休の創設 | ・子の出生後8週間以内に、男性が最大4週間の休業を2回まで分割して取得できる制度 ・労使協定を締結すれば、休業中の就労も可能 |
| 育児休業の分割取得 | 子が1歳になるまで、父母それぞれが2回まで分割して育児休業を取得可能 |
2023年の改正内容
2023年4月の法改正では、「育児休業等の取得状況の公表義務」が新たに設けられました。
創設当初の義務内容は、以下のとおりです。
【対象】従業員数が1000人を超える企業
【内容】年1回、男性社員の育児休業等の取得状況を公表すること
公表方法は、厚生労働省の「両立支援ひろば」や自社のホームページなど、一般の方が閲覧できる方法を選ぶ必要があります。
また、公表内容や算定期間も決められているため確認が必要です。
詳しくは以下のページをご覧ください。
育児・介護休業法改正に向けて企業がとるべき対応
就業規則の見直し・周知
育児・介護休業法の改正に伴い、就業規則の見直しが必要となります。2025年の法改正で変更が必要なのは、以下のような項目です。
| 変更が必要な項目 | 変更点 |
|---|---|
| 子の看護休暇 | ●名称を「子の看護等休暇」に変更 ●取得対象を「子供の小学校3年生修了まで」に拡大 ●取得事由に「入園(入学)式、卒園式」を追加 ●労使協定で除外できる労働者から「継続雇用期間6ヶ月未満」を削除(介護休暇の項目でも同様) |
| 所定労働時間(残業)の制限 | 請求できる労働者の範囲を「小学校就学前の子供を養育する者」に拡大 |
| 短時間勤務の代替措置 | テレワークを追加する場合、代替措置の一覧に「テレワーク」を追記 |
| 個別周知と意向確認 | 対象者や実施時期、周知内容などを記載 |
就業規則の変更後は、労働者への周知も忘れずに行いましょう。
また、就業規則の規定例は厚生労働省のホームページでも確認できます。
必要に応じた労使協定の締結
育児休業や介護休業は、日雇い労働者などを除くすべての労働者が取得できるのが基本です。
ただし、労使協定の締結があれば、「入社後1年未満の労働者」は育児休業や介護休業の取得対象から除外することができます。
つまり、労使協定で取得対象外と定められている労働者については、育児休業や介護休業の申出を拒否しても違法とはなりません。
育児・介護休業法に関するよくある質問
今回の改正内容は中小企業にも適用されますか?
-
2025年の育児・介護休業法の改正は、中小企業を含むすべての企業が適用対象です。
企業規模や業種によって免除されるものではないので、ご注意ください。ただし、「従業員数300人超の企業」に適用される義務など、一部の義務は適用除外となる可能性があります。
法改正に合わせ、労働者本人または配偶者の妊娠・出産の申出を義務付けても良いですか?
-
妊娠や出産の申出に関する法的な定めはないため、報告を義務付けること自体は問題ありません。報告を義務付ける場合、就業規則にその旨を明記しましょう。
労働者からきちんと報告があれば、育児休業の取得準備もスムーズに進むと考えられます。ただし、妊娠や出産の報告を怠ったことを理由に“解雇”や“降格”などの不利益処分を行った場合、違法となり「無効」にされるおそれがあります。
子の出生後に労働者から申出があった場合、個別の周知や意向確認は不要ですか?
-
子の出生後であっても、育児休業制度の個別周知や意向確認は必要です。
早急に措置を講じ、速やかに育児休業に入れるよう配慮しましょう。すぐに休業されると業務に支障が出る可能性もありますが、取得を控えさせるような周知・意向確認は認められません。
入社半年の労働者についても、育児休業を取得させる義務はありますか?
-
入社半年の労働者でも、基本的に育児休業の取得は認める必要があります。
ただし、労使協定で「入社後1年未満の労働者」を取得対象から除外している場合、入社半年の労働者については育児休業の申請を拒否しても問題ありません。なお、有期雇用労働者については以前まで「継続雇用期間が1年以上」という要件がありましたが、2022年の法改正によって廃止されています※。そのため、基本的には無期雇用労働者と同じように育児休業の取得を認める義務があります。
※有期雇用労働者の「子供が1歳6ヶ月になるまでの間に契約が満了することが明らかでないこと」という要件は引き続き適用されます。
育児・介護休業法改正へ適切に対応できるよう、弁護士がアドバイスいたします
育児・介護休業法は毎年のように改正されており、制度を利用できる労働者の範囲も拡大しています。使用者は改正内容をしっかり理解し、就業規則の変更手続きなどを漏れなく行わなければなりません。
個別周知や意向確認も必要となるため、担当者の負担は大きく増すと考えられます。
弁護士であれば、法改正の内容を踏まえ、使用者が講ずべき措置について具体的なアドバイスが可能です。「何からすれば良いのかわからない」「変更点が多くて対応が追いつかない」とお悩みの企業担当者様も、専門家のサポートを受けることでスムーズに対応できる可能性があります。
弁護士法人ALGは、企業法務に精通した弁護士が多数在籍しています。育児・介護休業法についてお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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執筆弁護士

- 弁護士法人ALG&Associates
この記事の監修

- 弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)
執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。
近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある
