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労働者の主張に対する反論は、初動対応が重要です

  • 労働者の主張を検討
  • 就業規則や雇用契約書等の確認
  • 労働者の労働時間把握

労働者側から、未払い残業代の請求がされるときには、多くの場合タイムカード等の勤務時間を管理していた資料と就業規則の提出を求められます。 だからと言って、労働者側から、しかも弁護士がついて残業代が請求された場合必ず請求額の全額を支払わなければならないというわけではありません。 労働者側の主張を十分に検討し、会社側の主張を展開することにより、協議により減額できる可能性が十分にあります。 そのためにも、初動対応を間違えないようにしましょう。

労働者の主張に対する反論例

消滅時効に掛かっている 未払い残業代の消滅時効は、2020年3月31日以前のものは2年、2020年4月1日以降のものは3年となります消滅時効を援用すれば、時効にかかっている分の債務を支払う必要はありません。ただし、消滅時効は当然に認められるものではなく、消滅時効にかかっているにもかかわらず、それを知らずに債務があることを認めてしまうと、消滅時効を主張することができなくなってしまいます。

非雇用契約である 雇用契約ではなく請負契約である場合には、未払い残業代を支払う必要はありません。ただし、会社側が雇用契約を回避するための偽装請負と評価される場合には注意が必要です。 偽装請負か否かは、対象者の勤怠管理を行われているか、会社の指揮命令監督下にあるか等によりますが、労働者側の弁護士から偽装請負だと主張されることもあるため、具体的な事実に基づく反論が必要となってきます。

非労働時間である タイムカード等に記載されている時間がすべて労働時間となるわけではありません。業務終了後にたばこを吸ってからタイムカードを押していたり、通勤ラッシュを避けるために、業務開始時間より早く出社している場合等、労働時間と含めるべきでない時間をしっかりと主張していく必要があります。

みなし労働時間制を利用している みなし労働時間制を利用している場合には、実際に残業が発生していたとしても、労働時間とみなした時間を労働時間として計算することになります。 これが認められているのは、「企画業務型裁量労働制」と「事業場外みなし労働時間制」の二つですが、いずれも就業規則や手続きを備えておく必要があります。 ただし、みなし労働時間制は、労働時間を正確に把握することが難しいことを前提として制度であり、みなし労働時間制をとっていたとしても、労働者側から未払い残業代の請求が来ることもあるので注意・対策が必要です。

固定残業代制度を利用している 固定残業代が適正に運用されていれば、残業代が支払われたものとして計算されるべきなので、当然請求された残業代から控除すべきと反論することになります。 ただし、固定残業代については、適正な運用がされていないケースも多く、その場合には固定残業代を控除できないばかりか、固定残業代相当額を基本給に組み入れて計算されるなど、会社にとって多くの不利益が生じる可能性があります。

管理監督者である 労働者が管理監督者であれば、残業代は発生しません。 しかし、会社側が管理監督者と考えていても、労働者側が自身の管理監督者性を否定して、残業代を請求するケースが増えています。 管理監督者として認められるかは、単に役職だけではなく、勤怠管理がされていないことや、実際の業務に与えられた権限・待遇などを具体的に主張していく必要があります。

残業禁止の命令をしている 会社が残業を禁止しているにもかかわらず、命令に反して残業を行っている場合には未払い残業代が認められません。ただし、残業の禁止は制度として残業を禁じているだけであり、残業が常態化している状況では、黙示の残業命令があったとして未払い残業代が発生することもあります。残業を許可制にする、残業を行っているものに対して業務を終了させる命令をするなど、具体的な対策を行い、それを主張していく必要があります。

誤った対応によるリスク

未払い分の残業代・遅延利息の支払い

未払い分の残業代・遅延利息(遅延損害金)の支払い

未払い残業代については、本来支払われるべき賃金が支払われず遅延しているという扱いになるため、遅延利息(遅延損害金)が発生します。 ただ、一般の債務に関する遅延利息(遅延損害金)は年3%ですが、労働賃金については、退職後の未払い分に限りますが、年14.6%と大きく利率が増加します。そのため、対応を誤ると、予想外に出費が高額になる場合があります。
労働者のモチベーション低下

付加金の支払い

会社の残業代未払いが悪質な場合には、裁判所は未払い残業代の支払いに加え、未払い残業代と同一の金額を限度として付加金の支払いを命じることができます。つまり、会社の対応次第では、2倍の未払い残業代を支払わなければならない可能性があるということになります。そのため、残業代を支払わない場合においても、支払わないことが正当か否かを見極めながら、争うところは争い、引くところは引くといった見極めと戦略が重要となってきます。
企業イメージの低下

労働者のモチベーション低下

労働者間の情報は、現在の環境ではすぐに広まると思って考えておくべきです。未払い残業代について対応を誤ると、その対応が他の労働者間に広がり、会社に対する不満を持ちモチベーション低下による生産性の悪化を招くおそがあります。労働者に対する対応は、その他の労働者に対する波及効果も考慮して動く必要があります。
懲役・罰金の可能性

企業イメージの低下

労働問題については、労働者に対する対応だけではなく、企業イメージの低下につながらないように心がける必要があります。労働者から労働基準監督署に相談がされる場合があり、労基署の指導がされ改善ができない場合には、企業名の公表がされるおそれがあります。また、現在転職サイトやgoogleマップの口コミなど会社に対する書き込みができるサイトが増えており、未払い残業代に関する書き込みを労働者がすることにより、採用が難しくなるなど様々な問題が生じえます。

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未払い残業代を弁護士に依頼するメリット

未払い残業代請求を弁護士に依頼するメリット

正確な見通し、判断ができる

未払い残業代請求に対応するには、正確な見通しと判断が不可欠です。正確な見通しとは、裁判を行った場合の勝ち負けは当然のことながら、交渉で終わらせるのか、労働審判を行うのかといった手続き面や、落としどころをどこにして、落としどころまでどのように持っていくか等戦略面も含めて必要となります。

相手方弁護士との交渉を行える

交渉を業務として行うことができるのは、弁護士だけです。未払い残業代については交渉や協議により終わらせることが非常に重要となってきます。相手方や相手方弁護士がどのような戦略を採ろうとしているかを見極め交渉を有利に進めていく必要があります。

訴訟を見据えた初動対応

訴訟では、交渉過程を含めすべてが証拠になります。交渉で誤った主張や、本来認めるべきではない事実を認めてしまった場合に、訴訟で訂正をしても信用性が極めて低くなります。初動から解決の方向性を定めて対応すべきであり、並みの弁護士でも容易ではありません。

未払い残業代請求対応の解決事例

解決事例case1 運送業

事案の概要

相手方は運送会社の中距離トラックのドライバーだったのですが、相手方についた弁護士から配達後の休憩時間や仮眠時間等をすべて労働時間に含め、1000万円を超える未払い残業代を内容証明郵便により請求してきました。

クライアント会社は、配達先ごとに標準的な移動時間や業務時間を割り出し、配達先やルートに応じた手当を支給していたことから、配達先から会社に戻る時間や業務の合間の時間等についてあまり厳密な管理をしてこなかったという事情がありました。

ALGによる解決策
未払い残業代請求対応をした結果
労働者側の請求額1000万円 解決金50万円

ALGでは、配達先やルートに応じた手当は、未払い残業代を加味して算定しているものであり残業代に相当するものは固定時間外手当としてすべて支払い済みであると主張し、交渉の初動段階であることから相手方の出方を探りました。 すると、相手方弁護士の協議の姿勢から、相手方が訴訟や労働審判などの法的手続きを行うことに消極的である雰囲気をつかむことができました。

そこで、こちらからさらに法的主張を展開したうえで、ゼロ主張を展開したところ、相手方が解決金の額として50万円まで下りてきたため合意に至りました。 交渉において相手方及び相手方弁護士の動き方を見定める必要は非常に重要です。本件は早期に相手方が訴訟を起こすことに消極的であることをつかむことにより、極めて低額な解決金で解決した事案です。

解決事例case2 飲食業

事案の概要

クライアント会社は、従業員の募集をしてもなかなか人が集まりにくいこともあり、少しでも労働条件を良く見せる必要があったため、固定残業時間を含めた給与額で従業員を募集していましたが、固定残業時間等を明記していませんでした。

相手方従業員が退職した後、相手方が弁護士をつけて1150万円を超える未払い残業代が請求されたため、相談に来られました。

ALGによる解決策
未払い残業代請求対応をした結果
労働者側の請求額1150万円 解決金440万円

ALGの弁護士相談の際に、相手方の主張内容を精査し、会社の求人票や雇用契約書を確認したところ、固定残業時間等が明記されておらず、訴訟となると相手方主張内容である1150万円の内容が認められてしまう可能性が十分にありました。 そこで、クライアント会社の代表者と話し合い、訴訟を回避し一定額の解決金で交渉をまとめることを目標としました。 相手方弁護士との交渉において、固定残業代については相手方に十分認知させていたことや支給していた会社における固定残業代の性質について争いながらも、サービス残業等の残業代の未精算部分については支払いを認めるなど、こちらも柔軟な姿勢を見せて交渉を続けた結果、750万円が減額された400万円の解決金で合意することができました。 交渉において相手方及び相手方弁護士の動き方を見定める必要は非常に重要です。本件は早期に相手方が訴訟を起こすことに消極的であることをつかむことにより、極めて低額な解決金で解決した事案です。

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弁護士法人ALGによる未払い残業代対応

専門性×交渉力=顧客感動

企業法務事業部を設置し企業向けに特化したサービスを提供することによるノウハウの一元化法律上の観点から結果やリスク見通すだけでなく、戦略的に対応し、相手方の出方を見据えることにより、高い交渉力をもちます。弁護士法人ALGの理念として顧客感動を掲げています。顧客感動の提供により、「リーガルサービスを通じ企業価値の最大化に寄与・貢献」します。

選ばれ続けている理由

選ばれ続けている理由
企業側労働法務に注力する法律事務所

企業側労働法務に注力する
法律事務所

弁護士法人ALGは、企業法務事業部を設置し、企業法務分野の中でも企業側労働法務に注力しています。東京をはじめとして、拠点で展開しており、全国の様々な労働問題について、企業側の視点で対応することが可能です。これまでの経験、実績を踏まえて、労働問題に関するセミナーや各種の労働専門誌への寄稿も数多く行っており、企業側労働問題には定評があります。

企業の使用者側の立場にり添った取り組み
企業の使用者側の立場に寄り添った取り組み

企業の使用者側の立場に
寄り添った取り組み

弁護士法人ALGの弁護士は、使用者である企業の立場に寄り添って、実態を踏まえたうえで労働関連法を取り扱うことが日常的であることから、未払残業代請求、問題社員への対応、ハラスメント問題、解雇処分に対する異議などの紛争に直面するような場面だけではなく、日々発生する労務に関する大小さまざまな疑問点の解消、法改正に則した制度設計にあたっての助言・指導などまで、幅広く取り扱うことを得意としています。

企業側の労働問題に対する豊富な経験と実績
企業側の労働問題に対する豊富な経験と実績

企業側の労働問題に対する
豊富な経験と実績

弁護士法人ALGでは、企業側の労働問題に対する豊富な経験と実績に基づき、このような突然の手続の申立てに対しても、速やかに代理人として活動を開始し、紛争に対する適切な対応を取ることが可能です。弁護士法人ALGは、使用者のための労働法務を取り扱う弁護士として、会社の利益を死守します。
これからも、弁護士法人ALGでは、会社の利益を最大化するために様々な場面において、会社を守る方策をご提案し続けます。
弊所においては、企業が抱える日々の悩みに共感し、解決に向けて問題を紐解くことを目指し、企業活動と労働関連法の遵守を両立させることを目指して活動しています。

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企業側労働法務に注力する法律事務所

弁護士法人ALGは、企業法務事業部を設置し、企業法務分野の中でも企業側労働法務に注力しています。
東京をはじめとして、12拠点で展開しており、全国の様々な労働問題について、企業側の視点で対応することが可能です。
これまでの経験、実績を踏まえて、労働問題に関するセミナー各種の労働専門誌への寄稿も数多く行っており、
企業側労働問題には定評があります。

多くの労働専門誌への寄稿を
行っております

著書・論文・監修協力

  • 労政時報

    『労政時報』

    出版社
    株式会社 労務行政
    発行
    2019年12月13日発行(第2・4金曜日発行)
  • 労務事情

    『労務事情』

    出版社
    株式会社産労総合研究所
    発行
    2020年3月1日発行
  • 労働新聞

    『労働新聞』

    出版社
    労働新聞社
    発行
    2020年3月9日発行
  • 先見労務管理 賃金統計と雇用実務

    『先見労務管理 賃金統計と雇用実務』

    出版社
    労働調査会 定期刊行物
    発行
    2020年1月10日発行
  • 中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A

    『中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A』

    出版社
    労働調査会
    発行
    2019年12月20日発行
  • エルダー

    『エルダー』

    出版社
    独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
    発行
    2020年3月1日発行
  • 新版 新・労働法実務相談

    『新版 新・労働法実務相談』

    出版社
    株式会社 労務行政
    発行
    2020年1月21日発売
  • 労働紛争解決のための民事訴訟法等の基礎知識

    『労働紛争解決のための民事訴訟法等の基礎知識』

    出版社
    労働調査会
    発行
    2014年6月11日

労働問題に関するセミナーを
数多く開催しています

労働問題に関するセミナーを数多く開催しています

過去の開催セミナー

  • 使用者側弁護士による労務セミナー~“実務”と“実例”に基づき徹底解説~
  • <オンライン開催・共催セミナー>働き方改革のその先へ―働きがいのあるチームをつくるために、今人事部が取り組むべきこと―
  • <オンライン開催>テレワークに不安を抱える企業様へ テレワークを成功に導く課題解決セミナー
  • 働き方改革関連法への対応~優先的に取り組むべき事項などを中心に
  • 「バイトテロ」が起きない強い組織づくりセミナー
  • 働き方改革関連法への対応~就業規則への反映と紛争予防について~
  • 職場のメンタルヘルスを考える「社員のエンゲージメント向上とストレスマネジメントの必勝法」
  • 今や人ごとではない!バイトテロ防止・対応セミナー
  • 事例で学ぶこれからの外国人雇用~雇い入れから退職まで~
  • 学校とPTA間の個人情報保護対策について
  • 働き方改革関連法への対応 ~優先的に取り組むべき事項などを重要なポイントを中心に解説~(追加開催)
  • 働き方改革関連法への対応 ~優先的に取り組むべき事項などを中心に解説~(追加開催)
  • 働き方改革関連法への対応 ~優先的に取り組むべき事項などを中心に解説~
  • 働き方改革関連法セミナー
  • 人事・給与制度セミナー
  • 弁護⼠による助成⾦活⽤セミナー
  • 働き方改革関連法への対応~優先的に取り組むべき事項などを重要なポイントを中心に解説~
  • ベトナム進出セミナー
  • 弁護⼠による助成⾦活⽤セミナー
  • 2019年戦略構築セミナー【総会】~2019年事務所成長戦略について~
労働者からの未払い残業代請求にお困りの企業は弁護士へご相談下さい

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未払い残業代の請求は、2020年の民法改正により時効が2年から3年になったことで会社に対する未払い残業代請求の金額が大きく増えることが予想されています。さらに、多くの労働者側の弁護士がこれを商機と考え参入しており、会社が未払い残業代請求にさらされるリスクが以前にもまして増大しています。 未払い残業代に関する対応は、相手方となる労働者も弁護士や労働組合等を付けて争ってくることが多いため、戦略をもって戦う必要があります。また、未払い残業代請求は他の労働者に対する影響も考えながら対応する必要があります。 そのため、未払い残業代請求がされた場合には、会社の制度や労働者の動き方に問題がないか見直す必要があります。 未払い残業代請求でお困りの方は、企業側の労働問題に注力している弁護士法人ALGへご相談ください。

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一般 顧問契約をご締結されている場合
着手金 95,000円(税込104,500円) 75,000円(税込82,500円)
成功報酬 経済的利益の33%(税込) 経済的利益の22%(税込)

※その他、諸経費として、15,000円(税込16,500円)いただきます。

交渉(期間3か月)
一般 顧問契約をご締結されている場合
着手金 350,000円(税込385,000円)
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タイムチャージ
30,000円(税込33,000円)/1h
250,000円(税込275,000円)
or
タイムチャージ
20,000円(税込22,000円)/1h
成功報酬 経済的利益の33%(税込) 経済的利益の22%(税込)

※成功報酬には、最低成功報酬があり着手金の1.5倍といたします。
※交渉を延長する場合には、1ヶ月につき100,000円(税込110,000円)必要となります。
※その他、諸経費30,000円(税込33,000円)、実費・日当等が生じます。

※労働審判、訴訟の場合は、料金体系が異なるので別途ご相談ください。