事例内容 | 相談事例 |
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雇用 | 残業代 合意退職 |
担当した事務所 | ALG 東京法律事務所 |
相談内容
従業員から残業代の支払い請求があったが、会社としては、この従業員の不適切な行動によって損害も生じているので、支払う金額は一部にしようと考えているが問題はないかという相談でした。
前提となる法制度・助言内容
会社から従業員に対する残業代の支払いについては、全額払いが原則となっているため(労基法24条1項)、相殺することなく全額を支払う必要があります。
ただし、会社に生じた損害金につき、どのような場合にも賃金との相殺ができないのかという問題があります。
この点、労基法24条1項による相殺禁止は、労働者が、その自由意思で任意に使用者との間に相殺契約を締結し、その契約の履行としてなされる相殺までを禁じたものではないと考えられます。そして、最高裁平成2年11月26日判決(日新製鋼事件)においても、合意による相殺は、許容される余地があると考えられています(もっとも、同判決においては、「労働者の自由な意思」に基づいていることが強調されており、通常の合意の成立とは異なる表現があえて用いられています)。
そのため、例えば、従業員としても会社に生じた損害額に争いがない場合には、退職合意書において、相殺合意の内容について明確にし、解決することも可能である旨をアドバイスしました。
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