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管理監督者該当性と残業代請求

事例内容 相談事例
雇用 残業代 管理監督者
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

退職した元従業員から、突然残業代請求をされてしまいました。 ある店舗の経営は同氏に一任しており、採用等人事の権限も与えていました。また、それにとどまらず、新店舗の出店場所を同氏が決めたこともあり、経営全体に関与していました。 さらに、ある程度勤務時間についても裁量を認めており、給料も他の店長より数万円多く支払っていました。 ネットで調べたところ、どうやら「管理監督者」というものには残業を支払わなくともよいそうです。 この元従業員は管理監督者に当たらないのでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

管理監督者には、時間外労働や休日労働に対する割増賃金を支払う必要はありません。それでは、どのような者が管理監督者に当たるのでしょうか。この点、裁判例では、経営者との一体性がることを求めており、①職務内容及び権限の重要性、②労働時間の裁量、③賃金等の待遇といった要素を満たす者を管理監督者として認める傾向があります。

本件では、元従業員は店舗の管理のみならず、採用等の人事権を有して、会社経営にも関わっていたとのことですので、職務内容及び権限は経営の重要な部分へ関与していたと認められる可能性があります(①)。また、ある程度労働時間の裁量(②)があり、賃金も他の店長より多く支払っていた(③)とのことですので、管理監督者該当性が認められる可能性がありそうです。

ただし、一般的には、管理職として役職及びそれに対する手当を与えていたとしても、いわゆる「名ばかり管理職」と判断され、管理監督者該当性が否定されることが多くあります。もっとも、管理監督者該当性は、残業代を請求されている側にとっては逆転の一手となる重要な論点であるといえるため、最初から諦めてしまうのではなく、使用者にとって有利な事情を精査する姿勢が肝要といえます。

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