会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません 会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません

人事・労務・労働問題を法律事務所へ相談するなら会社側・経営者側専門の弁護士法人ALGへ

定年後再雇用の際の労働条件の変更

事例内容 相談事例
雇用 定年後再雇用拒否
労働 労働条件の不利益変更
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

従業員が60歳で定年を迎えるところ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)により、希望者には継続雇用をさせる必要があると聞いています。

もっとも、今回定年となる従業員は能力が低いこともあり、継続雇用させたくないというのが本音です。

例えば、賃金を下げたり、勤務日を週1日だけとしたりするのは問題あるのでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

前提として、従前と職務内容等が変わっていないにもかかわらず、給与等の待遇に相違を設けることは、不合理な労働条件の相違(パート有期法8条)として違法、無効とされる可能性があります。

定年後再雇用者であることを理由に、一定の範囲内で従前と差異を設けること自体は問題ないものと考えます。

具体的にどの範囲まで変更できるのかはケースバイケースではありますが、判例においても、基本給相当部分を1割程度,賞与を含む年収を2割程度減額した事案で、有効性を認めたケースがあります(長澤運輸事件)。

もっとも、定年後継続雇用制度においては、定年前後での労働条件の継続性・連続性が一定程度確保されることが前提・原則となりますので、高年法の趣旨に反するような処遇とすることは、違法と判断されるリスクが高まるものと考えられます。

例えば、労働者のフルタイム希望にもかかわらず、会社が、労働時間が約45%減、賃金が約75%減となる再雇用の提案をし、かつその条件に固執することに終始したことの違法性が問題となった事案では、定年後継続雇用制度の趣旨に反する不法行為が成立するとして,使用者に慰謝料(100万円)の支払いを命じたものがあります。

また、定年前は事務職に従事していた労働者に対し、定年前とは全く異なる清掃等の業務に従事することを使用者が提案したことが、高年法の趣旨に反する違法なものとして、賃金1年分に相当する慰謝料の支払いを命じた事例もあります。

したがって、一定の範囲で賃金を減額したり、勤務日を減らす提案をすることは可能ですが、フルタイムで働いていた従業員に対して、勤務日を週1日のみとする提案をし、このような条件を提案する対応に終始することは、違法と判断される可能性が高いものと考えられます。

この事例に関連するタグ

知りたい事例に当てはまる条件を選択

条件にチェックをいれてください(複数選択できます)

事例内容
雇用

人事

労働

ハラスメント

休暇

求職・復職

就業規則

問題社員

安全衛生

労働組合・団体交渉

その他

担当した事務所
労働法務記事検索

労働分野のコラム・ニューズレター・基礎知識について、こちらから検索することができます