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真実かどうか疑わしいパワハラ申告に対する対処

事例内容 相談事例
雇用 定年後再雇用拒否
労働 労働条件の不利益変更
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

従業員からパワハラ申告がありました。ところが、話を聞いても、仕事上の問題行動について注意されているだけであり、どう考えてもパワハラにあたらないものと思われます。
また、真実であるか疑わしい事実関係の主張もありますが、この社員は以前にも仕事上のことで虚偽報告をしていた社員で、問題社員です。このような社員に対しては、何らかの懲戒処分をしても問題ないでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

たしかに、会社に対する虚偽の報告や申告は、仮にそれが事実として認められた場合は、就業規則に違反する可能性があり、懲戒事由に該当しえます。

しかし、いわゆるパワハラ防止法(労働施策総合推進法)は、従業員がパワハラに関する相談をしたこと等を理由として、解雇やその他の不利益な扱いをすることを禁止しており(同法第30条の2第2項)、一般に、パワハラ相談における従業員の陳述等を理由に懲戒処分をすることは、不利益取扱い禁止に違反するリスクが伴います。

また、そもそも、本当に当該社員が「問題行動について注意されているだけ」であって、パワハラに該当する事実がなかったかはは、関係者の事情聴取や証拠の確認等、慎重な事実確認を踏まえて判断していただくべきものと存じます。

したがって、明らかに重大な虚偽申告であると立証できる場合は別として(この場合でも、立証の可否の判断は慎重であるべきと存じます。)、ご相談のようなケースにおいて、社員を懲戒処分にかけることは控えるべきか、少なくとも、当該社員の発言やその発言が虚偽であることを裏付ける証拠の収集等をしっかり行っていただいた上で、慎重にご対応いただくことが必要であると存じます。

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