事例内容 | 解決事例 |
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雇用 | 未払賃金 |
就業規則 | 就業規則 |
担当した事務所 | ALG 東京法律事務所 |
- 結果
- 【依頼前・初回請求額】多数の従業員に対する未払い残業代が発生
- 【依頼後・終了時】未払残業代の精算と給与規程の改訂
概要
会社の給与規程を見直したところ、残業代の支払い方法に誤りがあり、多くの従業員に対して未払い残業代が発生していた。
残業代の支払い方法についての誤りはいくつかあったのですが、主な間違いとしては、以下の点でした。
①30時間分のみなし残業代を支払っているはずであるのに、30時間以上残業した従業員に超過分を支払っていなかったことと、
②残業代の時間単価の計算に含めるべき手当を、計算に含めていなかった
民法改正前の給与ですので、過去2年分の未払い残業代について精算を検討する必要がありましたが、会社としては、出費はなるべく抑えたいとの要望がありました。
弁護士方針・弁護士対応
会社としては、残業代の時間単価の計算について手当を含まない方法で残業代を計算することを希望されていましたが、労基法上は時間単価に含めなければならないと考えられる範囲も存在していたため、その差額分を従業員はもらえなくなることが懸念されました。会社が、未払残業代を精算する際に、その差額分に相当する”賃金債権を放棄”させることになります。
賃金債権を放棄することは、労働基準法上行い得ないことではありませんが、労働者の”自由な意思”に基づく必要があるところ、通常、労働者が自己に不利益な内容の意思表示をすることは考えにくいため、裁判実務では慎重に認定がされています。
労働基準法上、残業代の時間単価の計算において含めなければならない手当があるにもかかわらず、その説明をしないままに、残業代を 精算してしまった場合には、労働者の自由な意思に基づいて賃金債権を放棄したとは認められない可能性が高いといえました。
従業員の皆さんには、本来支給されるべき残業代の計算方法を説明したうえで、会社の事情を説明し、支給する未払い残業代の一部カットを依頼するという方法で放棄を求めていくことが必要と考えられました。
結果
助言の内容としては最も安全な方法を説明したうえで、未払残業代精算にかかる書面を作成しました。
最終的に、依頼者としては、本来支給されるべき額の説明までは行わないという方針を採用されましたが、このような対応であっても、差額分の未払残業代につき、後に紛争となるリスクは払しょくできないものの、未払残業代の大部分を支払うことには相違ないため、問題の部分的な解決には資する方法となりました。
さらに、給与規程の改定により今後の残業代の発生を抑えられるように整え、今後の紛争発生の可能性を抑えるようにいたしました。
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