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パワーハラスメントの認定に関するご相談

事例内容 相談事例
ハラスメント パワハラ
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

相談内容

部下が、上司に強く殴られたという主張をし、懲戒処分を検討するよう人事部に内部通報をしてきました。
部下が提出した診断書には、「加療一週間」との記載がありました。
しかし、上司に確認したところ、そのような事実は覚えていないが、すこし押したことはあるかもしれないとのことでした。また、同じ事業所の他の職員にヒアリングをしたところ、部下側にも何度同じ注意をしても改めようとしないなど、態度に相当な問題があったという事実が明らかになりました。
また、診断書は存在するものの、部下は、殴られたと主張している日の夜には飲み会に参加し、また、会社にも欠勤することなく出勤していたという事実が明らかになりました。
以上のような状況で、会社は、上司に対し、どのような処分をするのがよいでしょうか。

前提となる法制度・助言内容

暴力があったという内容のパワハラの有無を判断するに際し、診断書は有力な手掛かりとなり得ます。
しかし、医師によっては、外形には特に変化が見受けれない場合であっても、患者の愁訴に従って1週間程度の加療が必要であるという程度の診断書は作成する場合があります。また、診断の時点で怪我があったことと、上司からの暴力により怪我をしたことは診断書のみで結びつくものではありません。
したがって、診断書があるからといって、上司からの暴力があったと即断することは妥当ではありません。
本件においては、医師作成の診断書が存在するものの、関係者からのヒアリングにより、部下が殴られたと主張している直後に飲み会に参加し、問題なく出勤しているという事実が確認されていました。
したがって、部下が主張するような強い暴行があったということまで認定することは妥当ではなく、せいぜい少し押したということを認定し、あまり重い処分をすることは妥当ではないと助言しました。

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