事例内容 | 相談事例 |
---|---|
雇用 | 合意退職 退職代行 |
労働 | 賃金減額 |
ハラスメント | パワハラ |
問題社員 | 競業 |
事案の概要
依頼者は合同会社の業務執行社員であるものの、代表社員から競業避止義務違反、横領等の責任をしつこく追及され、他の社員が見ている中で脅迫的な言動を取られたり、報酬を一方的に無給にされたりしたため、合同会社からの退社(退社に伴う変更登記を含む。)と、在籍中の責任の清算を希望し、弊所に依頼した。代表社員は依頼者のいとこであり、揉める前は仲の良い関係だったため、依頼者としてはできる限り穏便な解決を希望。
主たる争点は競業避止義務違反であり、実際、依頼者は在籍中に個人名義で会社と競業する内容の取引を行い、250万円程度の売上を上げていた。
当初、相手方からは、競業避止義務違反の点を除いても、150万円以上の請求がされていた。
弁護士方針・弁護士対応
①退社の点に関しては、依頼者が6ヶ月前の予告をしていなかったため、任意退社(会社法606条1項)は利用できなかった。そのため、依頼者の認識としては同意を得て退社したとのことであったことから、総社員からの同意(会社法607条1項2号)があったものとして、会社側に退社を認めさせる方針で交渉を開始したものの、相手方の代表社員から退社の同意を否定された。
そこで、依頼者が適応障害の診断を過去に受けていたことを利用し、もう一度診断を受けてもらい、適応障害の診断書を取得した上で、「やむを得ない事由」(会社法606条3項)による退社を主張したところ、会社側が退社を認めるに至った。
また、合同会社の場合、一般社員は登記に載らないが、業務執行社員は登記に載り、登記が残り続ける限り責任が発生してしまうおそれがあるため(会社法612条1項参照)、相手方に対して、過料による制裁があることを指摘しつつ変更登記に応じるよう求めたところ、相手方は過料を恐れて変更登記に応じるに至った。
②在籍中の責任については、相手方は、競業避止義務違反、横領、脱税、経費の返還、債務不履行に基づく損害賠償請求等、多岐にわたる請求を主張してきたため、いずれの請求についても、依頼者側としては成立しないと考えていることを丁寧に回答し、その上で早期解決のための解決金を提示したところ、相手方はどう対応していいか分からなくなり、交渉に応じなくなった。
そこで、回答期限を設け、回答期限を過ぎた場合には提示した解決金による解決を撤回する旨を伝え、プレッシャーを掛けたところ、回答期限ギリギリで、相手方が代理人に依頼し、交渉が再開した。
相手方代理人は解決金の大幅な増額を求めてきたが、受任したばかりで状況を呑み込めていない様子であった。そこで、情報量でこちら側が有利にあると考え、こちら側から、本件の主たる争点が競業避止義務違反であることを説明し、状況を整理した上で、既に回答期限ギリギリであり早期に回答を貰いたいとプレッシャーを掛けたところ、相手方代理人から、依頼者の取引と会社の業務が具体的にどう競合しているかいまいち把握しておらず証拠が不足している様子がうかがえたため、依頼者側としては、競業には該当しないと考えている旨強く主張し、また、感情的になっている相手方の引き際として、「遺憾の意を表明する」旨の条項を設けることであれば譲歩できることを提案したところ、請求額に比して低額の100万円の解決金をもって解決に向かった。
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