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内科の受診を拒絶する被用者に対する受診命令の可否

事例内容 相談事例
問題社員 懲戒処分
安全衛生 安全衛生 健康管理
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

定期健康診断の結果、産業医から残業禁止等の就業制限をすべきとの意見が出され、内科の受診や自宅での血圧測定が必要とされた教員がいるのですが、本人に対して内科を受診するよう指示してもかたくなに拒否し続け、受診してくれません。

それどころか、自宅での血圧測定については虚偽の内容を記録して提出するといったこともしており、当該教員の健康状態を把握することが難しい状況となっています。

このままでは残業をさせていいのかの判断もできませんので、受診するよう命令したいのですが、できるのでしょうか。また、それでも受診しなかった場合に懲戒処分をすることはできるのでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

健康診断後の二次検査の受診は、原則としては任意のものとなりますが、就業規則等で受診が義務付けられている場合等には、受診命令を出すことも可能であると考えられます。

相談者の就業規則には、健康診断の結果を踏まえて学園が必要な措置を命じることができるとの規定があり、実際に残業させられるのかといった労務管理上の問題も生じていたので、今回のケースでは、受診命令を出せると考えられます。受診命令書については、受診命令の正当性が争われた場合の対策として、受診命令を必要とする理由についても記載することが望ましいです。

健康診断の結果を理由に(病気等を理由に)、過度に不利益な取り扱いをすることは禁止されていますが、受診命令に従わないということであれば業務命令違反を理由としての処分となりますので、健康診断の結果を理由とする処分とは事情が異なるものと考えられます。

もっとも、一般論として、懲戒処分をする際には処分の相当性が求められますので、命令違反によって生じる不利益が小さい場合や、処分内容を重いものとする場合には無効となりやすいことには注意が必要です。

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