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即戦力として採用した中途採用社員を解雇したい

事例内容 相談事例
雇用 普通解雇
問題社員 能力不足 協調性不足 勤務態度

事案の概要

即戦力と期待し、高い給与で中途採用した従業員がいるのですが、ふたを開けてみれば大外れでした。
営業経験が豊富だと聞いていたのに、その成績は新卒の基準にすら達しておらず、PCスキルも全くありません。

そのうえ、注意や指導しても不貞腐れるなど、改善の兆しが見られません。
解雇のハードルが高いのは理解していますが、このような従業員であっても解雇するのは難しいのでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

専門性、能力、経験等を期待して採用された中途社員についても当然に解雇権濫用法理が及びますが、解雇の有効性の判断基準は未経験者や新卒社員等とは異なると判断される傾向にあります。
ご相談のケースでは、経験や能力を見込んで特別に好待遇で採用したという経緯がありますので、労働者に求められる能力のハードルが高くなるのは当然といえます。

裁判例においても、好待遇で迎えられた労働者のパフォーマンスが期待外れであったために解雇をしたという事案において、労働者の勤務態度ないし勤務状況は「相手方の信頼と期待を裏切り、雇用契約の目的を達することができないものと認められる」として、解雇が有効だと判断したものがあります(東京高決昭和63年2月22日、近年の例では東京地裁令和4年5月17日などもあります。)。
解雇の判断は会社にとってリスクを伴うものであり、慎重に行うべきことは言うまでもありません。もっとも、労働者の属性によっては、判断基準が多少緩やかになることもあるため、個別具体的事情をしっかりと見極めることが重要であると考えます。

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