初回1時間 来所・オンライン法律相談無料

0120-406-029

会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません 会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません

※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。

人事・労務・労働問題を法律事務所へ相談するなら会社側・経営者側専門の弁護士法人ALGへ

トライアル雇用制度とは|対象者や助成金などわかりやすく解説

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

トライアル雇用制度は、就労に不安がある労働者を「試しに」雇用し、正規雇用を促進するための制度です。また、トライアル雇用を実施した企業は、一定の要件を満たす場合に、国から助成金を受給できます。

ただし、助成金の受給にはさまざまな要件があるため、事前に把握しておくことが重要です。

このページでは、トライアル雇用制度の概要や導入方法、試用期間との違い、トライアル雇用併用求人などについて解説していきます。導入を検討されている方は、ぜひご一読ください。

トライアル雇用制度とは

出典:トライアル雇用 |厚生労働省

トライアル雇用制度とは、就職に不安を抱える求職者を一定期間雇用し、適性や能力を見極めたうえで期間の定めのない雇用につなげる制度です。就業経験が少ない方や長期間のブランクがある方、障害のある方など、安定した就職が難しい状況にある人への支援策として設けられています。

試行雇用期間が終了した後、雇用を継続するかどうかは企業が判断できます。労使双方が合意すれば、正社員として採用することも可能です。
さらに、トライアル雇用を実施し一定の要件を満たすと、国から助成金が受けられます。採用リスクを抑えながら人材を確保できる点がメリットです。

トライアル雇用と試用期間の違い

トライアル雇用 試用期間
実施期間 基本的に3ヶ月間 定めがない
雇用の継続義務 ない ある
助成金の有無 ある ない

トライアル雇用は、厚生労働省が実施する国の雇用支援制度です。一方、試用期間は企業が独自に設ける社内制度であり、国からの支援はありません。トライアル雇用と試用期間の具体的な違いとして、以下があげられます。

●実施期間
トライアル雇用の実施期間は、基本的に3ヶ月間と定められていますが、試行雇用期間は会社ごとに自由に決めることが可能であり、1~6ヶ月となるのが通例です。

●雇用の継続義務
トライアル雇用では、基本的に3ヶ月の試行雇用期間の満了後に本採用する義務はなく、能力や勤務実績等に基づき、雇用を打ち切ることも可能です。雇用を継続しないと判断した場合は、解雇の高いハードルを満たさなくても「解雇」と同様の効果が生じます。

一方、試用期間は、無期雇用を前提に労働者の適性や能力を見極めるための期間です。そのため、期間満了後に雇用を打ち切ることは「解雇」にあたり、合理的な理由が求められます。

●助成金の有無
トライアル雇用は国が行う制度であるため、雇用期間中は助成金を受給することができますが、試用期間ありの採用では、助成金を受給できません。

試用期間についてより詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。

試用期間とは|解雇や期間の延長、注意点などを解説

トライアル雇用制度のメリット

ミスマッチを防止できる

トライアル雇用期間に求職者の適性やスキルを見極められるため、本採用後のミスマッチを防ぐことができます。また、仕事内容や職場の雰囲気を知ってもらったうえで雇用するため、未経験者採用で起こりやすい早期離職も防ぐことができるでしょう。

さらに、トライアル雇用は、ハローワークを通して求職者を紹介してもらう制度であるため、自社のニーズに合った人材を効率的に確保することが可能です。

ミスマッチが減ることで、会社側の採用コストや労力の削減が期待されます。

助成金が支給される

助成金を活用することで、採用活動や人材育成をより充実させることができます。
また、費用面では、ハローワークを通して採用を行うため、広告費なども抑えることができます。

継続雇用の義務がない

トライアル雇用には、継続雇用の義務がありません。したがって、トライアル雇用の期間満了時は、会社側の意向で、比較的容易に契約を終了させることができます。

トライアル雇用制度のデメリット

教育コストがかかる

トライアル雇用の応募者は、業種・職種未経験の方が多くなります。そのため、ビジネスマナーから教えなければならず、人材育成に手間や時間がかかる可能性があります。
また、教育係として社員をつけることで、本来の業務遂行に支障をきたすおそれもあります。

助成金の受給に手間がかかる

助成金を受給するには、申請から雇用期間終了後まで、さまざまな手続きが発生します。作成する書類も多いため、担当者の負担が大きくなるでしょう。

即戦力の採用には向かない

トライアル雇用の目的が、就業経験が乏しい人やブランク期間が長い人への救済措置であるため、即戦力採用には向きません。経験が浅い人材の応募が多いため、教育係を付ける必要があるなど、本採用後も人材育成に時間やコストがかかる可能性があります。

トライアル雇用助成金の種類

トライアル雇用助成金は、雇い入れる対象者によって、以下の4つの種類に分けられています。

  • ①一般トライアルコース
  • ②障害者トライアルコース
  • ③障害者短時間トライアルコース
  • ④若年・女性建設労働者トライアルコース

各コースの要件を満たした企業は、国から「トライアル雇用助成金」を受給することができます。コースによって支給要件・支給額・対象者などが異なるため注意が必要です。

なお、「若年・女性建設労働者トライアルコース」は、「一般トライアルコース」または「障害者トライアルコース」の支給決定を受けた上で申し込むことができる、いわゆる上乗せ分の助成金となります。

若年層や女性の建設分野への就職を後押しすることを目的としており、トライアル雇用の開始時点で35歳未満の方または女性が対象となっています。

一般トライアルコース

職業経験や技能、知識不足などから、安定的な就職が難しい求職者に向けたコースです。求職者の早期就職の実現・雇用機会の創出を図ることを目的としています。

一般トライアルコースの助成金を受給するためには、ハローワーク等を介して対象者を基本的に3ヶ月間のトライアル雇用で雇い入れること、1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度であることなど、一定の要件を満たすことが必要です。

対象者

以下のいずれかに該当し、トライアル雇用を希望する者が、一般トライアルコースの対象となります。

  • 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
  • 紹介日の前日時点で、離職期間が1年を超えている(パートやアルバイトを含め、一切の就労をしていないこと)
  • 妊娠、出産、育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業(雇用期間の定めがなく、通常の労働者と同等の所定労働時間であるもの)に就いていない期間が1年を超えている
  • 60歳未満の者であって、ハローワークなどで担当者による個別指導を受けている(ニート、フリーターなど)
  • 就業支援にあたり、特別な配慮を要する(生活保護受給者、母子家庭の母親等、父子家庭の父親、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者)

ただし、以下のいずれかに該当する者は対象者となりません。

  • 安定した職業に就いている者(無期労働契約を結び、週の所定労働時間が通常労働者と同程度である者)
  • 自ら事業を営んでいる者または役員に就いている者であって、1週間あたりの実労働時間が30時間以上の者
  • 学校に在籍している者(卒業年度の1月1日以降も卒業後の就職内定がない者は除く)
  • 他の会社でトライアル雇用期間中の者

事業主の要件

トライアル雇用助成金を受給するには、さまざまな条件を満たす必要があります。具体的には、以下のような条件をすべて満たす事業主が支給対象となります。

  • 対象者の雇用を約束していない企業
  • トライアル雇用を行う事業所の事業主あるいは取締役の、3親等以内の親族を雇用しない企業
  • 過去3年間に対象者を雇用したことがない企業
  • 過去3年間のトライアル雇用において、常用雇用に移行しなかった者、助成金支給申請書の提出がない者の総人数が一定数を超えておらず、かつその人数が常用雇用に移行した人数を超えていない企業
  • 基準期間に企業の都合で対象者を離職させた経歴がない企業
  • 雇用保険の適用対象となる企業

なお、条件はこれだけではなく、更新される可能性もあります。最新の情報は、都道府県労働局やハローワークにお問い合わせください。

助成金の受給額

一般トライアルコースでは、対象者1人につき月額最大4万円の助成金が支給されます。
また、以下の者をトライアル雇用すると、支給額は1人あたり月額最大5万円に増額されます。

  • 母子家庭の母親等
  • 父子家庭の父親
  • 35歳未満の対象者(若者雇用促進法に基づく認定事業主がトライアル雇用を実施する場合)

ただし、助成金の支給期間はいずれの場合も最長3ヶ月間です。
助成金を受給するためには、事業主があらかじめハローワークや地方運輸局、職業紹介事業者などに「トライアル雇用求人」を提出する必要があります。そのうえで、これらの機関からの紹介を通じて対象者を雇い入れることが条件となります。

障害者トライアルコース

心身の障害により、就職が困難な者の雇用を促進するためのコースです。

対象者

障害者トライアルコースの対象者は、以下の①②の両方を満たす方です。

  • ①将来的に継続して働く意欲があり、制度の内容を理解したうえで、トライアル雇用を希望していること
  • ②障害者雇用促進法2条1号に定める障害者であって、次のア~エのいずれかに該当すること
    • 紹介日時点で、これまで経験したことのない職種への就職を希望している者
    • 紹介日前2年以内に、離職や転職を2回以上繰り返している者
    • 紹介日時点で、6ヶ月を超える離職期間がある者
    • 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

事業主の要件

障害者トライアル雇用コースを利用するためには、事業主側もあらかじめ定められた要件を満たす必要があります。主な要件は、次のとおりです。

  • ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介を通じて雇用すること
  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 障害者トライアル雇用等の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと
  • 助成金の支給審査に協力できること
  • 派遣雇用ではないこと
  • トライアル雇用開始後2週間以内に「実施計画書」を提出すること
  • 雇用契約書や労働条件通知書など、労働条件が確認できる書類を提出することなど

このほかにも支給要件が設けられています。あらかじめ労働局やハローワークへ連絡し、要件を確認したうえで、必要な手続きを漏れなく進めることが重要です。

助成金の受給額

基本的に1人あたり月額最大4万円、最長3ヶ月間、助成金を受給することができます。

ただし、精神障害者を雇い入れる場合は特例があり、トライアル雇用期間を最長12ヶ月間とすることが可能です。助成金も最初の3ヶ月が月額最大8万円、その後の3ヶ月が月額最大4万円、最大6ヶ月間支給されます。

なお、出勤日数が少ない場合は、助成金は満額ではなく、出勤状況に応じて減額されます。また、無期雇用への切り替え・途中退職があった場合も、働いた日数に応じて助成額が調整されるため注意が必要です。

障害者短時間トライアルコース

障害者短時間トライアルコースは、精神障害者や発達障害者のうち、いきなり長時間働くことに不安がある方を対象とした試行雇用制度です。週10時間以上20時間未満の短時間勤務からスタートし、職場への適応状況や体調を確認しながら、トライアル雇用期間中に週20時間以上の就業を目指す仕組みとなっています。

【対象者】
精神障害者または発達障害者で、継続して働く意欲があり、制度の内容を理解したうえで短時間トライアル雇用の利用を希望している方

【事業主の要件】

  • ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
  • 3ヶ月から12ヶ月間の短時間トライアル雇用をすること
  • 雇用契約開始後2週間以内に「実施計画書」を提出すること

このほかにも支給要件が設けられています。あらかじめ労働局やハローワークへ連絡し、要件を確認したうえで、必要な手続きを漏れなく進めることが重要です。

【助成金の受給額】

  • 対象者1人あたり月額最大4万円
  • 支給期間は最長12ヶ月

障害者トライアルコースや障害者短時間トライアルコースについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

障害者トライアル雇用とは|助成金や申請の流れ

若年・女性建設労働者トライアルコース

建設業界における若年者や女性労働者の雇用を促進するためのコースです。
対象者は、建設工事現場の現場作業や施工管理に従事する35歳未満の若年者または女性労働者となります。ただし、設計、測量、経理、営業などの従事者は対象外です。

助成金を受給できるのは、以下の要件をすべて満たす事業主に限られます。

【事業主の要件】

  • 中小建設事業主である
  • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース・障害者トライアルコースの支給決定を受けている)
  • 雇用保険の適用事業主であり、雇用管理責任者を選任している

「一般トライアルコース」又は「障害者トライアルコース」分が支給されないと、上乗せ分の「若年・女性建設労働者トライアルコース」分は受給できないため注意が必要です。

なお、助成金の受給額は以下のとおりです。

【助成金の受給額】
基本的に1人あたり月額最大4万円、最長3ヶ月間受給することが可能です。
一般トライアルコースまたは障害者トライアルコースとあわせて受給した場合は、1人あたり月額最大8万円×3ヶ月=24万円受け取れます。

トライアル雇用の申請手続きと流れ

トライアル雇用を実施するには、以下の手続きをすべて行う必要があります。

  • ①ハローワークへ求人の申込み
  • ②求職者との面接
  • ③トライアル雇用の開始
  • ④「実施計画書」の提出
  • ⑤常用雇用契約の判断
  • ⑥「結果報告書兼支給申請書」の提出

トライアル雇用の申請手続きは助成金の申請を兼ねています。書類の作成なども必要なため、十分な余裕をもって対応することが重要です。

①ハローワークへ求人の申込み

トライアル雇用求人票を作成し、ハローワークに求人の申込みを行います。このとき、トライアル雇用助成金の給付を希望していることも必ず伝えておきましょう。

申込みはホームページから行うことも可能ですが、初めてトライアル雇用を実施する際はハローワークへの訪問が必要となることもあります。詳しくはハローワークにお問い合わせください。

また、一般求人も同時に行いたい場合、トライアル雇用併用求人で申し込むのが良いでしょう。

②求職者との面接

求人を申し込むと、ハローワークから求職者が紹介されます。
募集条件に合う応募者の紹介を受けたら、「面接」を行って採用の可否を決定しましょう。
書類選考だけでは求職者の人柄を見極めるのが難しいため、必ず面接を行うのがポイントです。

③トライアル雇用の開始

賃金や労働時間などの労働条件を決め、本人の同意を得たうえで有期雇用契約を締結します。トライアル雇用の場合、雇用期間は基本的に3ヶ月とします。
また、残業や休日出勤の可能性がある場合、雇用契約書に明記しておく必要があります。
さらに、一定の条件を満たす場合、社会保険や雇用保険の加入手続きも必ず行いましょう。

有期雇用契約の締結方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

有期労働契約とは?締結や更新、解雇などの基礎知識

④「実施計画書」の提出

トライアル雇用開始日から2週間以内に、ハローワークへ「トライアル雇用実施計画書」を提出します。
実施計画書には、以下の項目について記入します。

  • 事業所の基本情報
  • トライアル雇用対象者の氏名や紹介機関
  • トライアル雇用実施期間
  • トライアル雇用中の労働時間
  • 常用雇用に移行するための条件など

実施計画書の内容については、対象者と十分に話し合い、あらかじめ同意を得ておくことが必要です。また、計画書を提出する際は、雇用契約書など労働条件が確認できる書類も添付しなければなりません。

実施計画書のひな型は、以下の厚生労働省のホームページでダウンロードできますので、ご活用ください。

⑤常用雇用契約の判断

トライアル雇用期間満了後も、対象者を無期雇用するか判断します。

【無期雇用する場合】
企業・労働者それぞれに無期雇用の意思がある場合、改めて無期雇用契約を締結する必要があります。賃金などの労働条件を変更する場合、その旨も説明します。

【無期雇用しない場合】
雇用を打ち切ると判断した場合、トライアル雇用期間満了日の30日以上前までに、本人へその旨を通知します。「雇止め予告通知書」などを交付するのが一般的です。
なお、30日前までに契約終了の旨を通知しなかった場合、不足日数と給与額に応じた「解雇予告手当」を支払う必要があります。

⑥「結果報告書兼支給申請書」の提出

助成金を申請するため、トライアル雇用期間終了日の翌日から2ヶ月以内に、ハローワークまたは労働局へ「結果報告書兼支給申請書」を提出します。

この書類には、労働者の基本情報のほか、トライアル雇用中の就労予定日数や出勤日数なども記入する必要があります。これは、労働者の勤務実態によって、助成金の支給額が変動するためです。

書類の提出後は、支給要件や必要項目を満たしているか審査されたうえで、3ヶ月分の支給額が一括で振り込まれます。
提出を怠ったり、申請期限を過ぎたりすると、助成金を受給できないおそれがあるため注意しましょう。

トライアル雇用併用求人の活用

トライアル雇用併用求人とは、正社員とトライアル雇用対象者を同時に募集できる制度です。

1つの求人でどちらも募集できるため、手間を省くことができます。また、一度に多くの応募者を確保できるのもメリットです。
「正社員になりたいが未経験なので不安」という求職者も、トライアル雇用併用求人であれば応募しやすくなるでしょう。

ただし、デメリットとして、企業が求める人材が不明瞭になるおそれがあります。正社員・トライアル雇用対象者それぞれに求める“能力”や“素質”を明確に示すのが良いでしょう。

トライアル雇用中の注意点

賃金・社会保険等の扱い

トライアル雇用中でも、労働の対価として給与は全額を支払う必要があります。また、時間外労働や休日労働をさせた場合は、一定の割増賃金を支払わなければなりません。

さらに、前職での経験やスキルに応じた給与額を定め、最低賃金額を下回らないようにする必要があります。これは、トライアル雇用中の者にも労働基準法などの労働関係法令が適用され、通常の正社員と同じように、給与の支払い義務が生じるためです。

なお、トライアル雇用でも、労働時間・労働日数・雇用期間等について一定の要件を満たす労働者は、社会保険(健康保険・厚生年金)や雇用保険に加入させる義務があります。

もっとも、障害者短時間トライアルコースでは、週の所定労働時間が20時間を超えないケースも想定されるため、社会保険等の加入が免除される可能性があります。

最低賃金のルールについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

最低賃金制度とは|目的や企業の義務、罰則などをわかりやすく解説

自己都合退職と解雇の扱い

トライアル雇用期間中に、労働者から退職の申し出があった場合は「自己都合退職」として扱われ、基本的に退職を拒否することができません。

また、トライアル雇用中であっても、正当な理由なく解雇することは認められていません。ただし、次のような事情があれば、解雇が有効と判断される可能性があります。

  • 勤務態度が極めて悪い
  • 無断欠勤や遅刻を繰り返している
  • 履歴書に虚偽の記載があった
  • 重大なハラスメントを行った
  • 会社の資金を横領した

解雇を行う場合は、解雇日の30日前までに解雇を予告するか、予告期間が30日に満たない場合には、不足日数分の解雇予告手当を支払う必要があります。

また、自己都合退職や途中解雇があった場合は、雇用期間が当初の予定より短くなるため、助成金が減額される可能性があります。この場合、助成金の申請期限も繰り上げとなり、退職日の翌日から起算して2ヶ月以内に「結果報告書兼支給申請書」をハローワークまたは労働局へ提出しなければなりません。

なお、会社都合による解雇と判断された場合は、助成金は支給されません。そのため、退職届や退職合意書などを保管し、自己都合退職である証拠を残しておくことが大切です。

解雇予告の方法や、自己都合退職について詳しく知りたい方は、以下の各ページをご覧ください。

解雇予告とは|解雇予告手当や手続き、注意点などわかりやすく解説
自己都合退職とは|会社都合退職との違いや企業の注意点など

助成金が減額・不支給になるケース

助成金額は、対象者が実際に働いた日数に応じて決まります。そのため、以下のケースでは、助成金が減額される可能性があります。

(ア) 次の2つのいずれかの事情により、トライアル雇用期間が1ヶ月未満の月があるケース
1. 以下のいずれかの理由による、トライアル雇用期間中の支給対象者の離職

  • 対象者に責がある理由の解雇
  • 対象者の都合による退職
  • 対象者の死亡
  • 天災等やむを得ない理由で、事業の継続が不可能になったことによる解雇

2. トライアル雇用期間中に常用雇用(無期雇用など)へ移行した場合

(イ) 対象者都合による休暇、あるいは企業都合による休業があったケース

上記のケースでは、【実際に働いた日数÷就労を予定していた日数】の結果によって助成金の支給額が決まります。
なお、次のような事情がある場合は、助成金は支給されないためご注意ください。

助成金が不支給となるケース

  • 過去1年以内に、賃金未払いなど労働関係法令に違反した場合
  • 雇用保険適用事業所でない場合
  • 不正受給から5を年経過していない場合
  • トライアル雇用開始日の6ヶ月前から終了日までに、会社都合と判断される解雇がある場合など

助成金の具体的な金額については、以下の記事をご覧ください。

ちょこっと人事労務

企業の様々な人事・労務問題は弁護士へ

企業側人事労務に関するご相談 初回1時間 来所・オンライン法律相談無料

会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません。

0120-406-029

受付時間:平日 9:00~19:00 / 土日祝 9:00~18:00

0120-406-029

平日 9:00~19:00 / 土日祝 9:00~18:00

※電話相談の場合:1時間10,000円(税込11,000円) ※1時間以降は30分毎に5,000円(税込5,500円)の有料相談になります。 ※30分未満の延長でも5,000円(税込5,500円)が発生いたします。 ※相談内容によっては有料相談となる場合があります。 ※無断キャンセルされた場合、次回の相談料:1時間10,000円(税込11,000円)※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。

この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、企業法務担当執行役員を務め、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

労働法務記事検索

労働分野のコラム・ニューズレター・基礎知識について、こちらから検索することができます