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試用期間中の社員が病気で欠勤している場合の対応

事例内容 相談事例
雇用 労働契約の終了 普通解雇 退職勧奨
人事 試用期間
求職・復職 私傷病休職 休職
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

概要

試用期間中の社員が、2か月間病気で欠勤しています。

試用期間中に解雇をすることはできますか?

また、解雇以外で労働契約を終了させる方法はありますか?

弁護士方針・弁護士対応

試用期間においては、所定の事由が発生した場合の解約権は留保されているものの、すでに雇用契約は成立しており、試用期間中における本採用拒否は解雇にあたります。もっとも、解約権がついていることにより、正社員の解雇の場合よりも、使用者のもつ労働契約の解消にかかる裁量の範囲は広いととらえられており、具体的には、

①当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、
②解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に相当であると認められた場合

にのみ、解雇が許容されます。

本件では、試用期間中に傷病のために長期欠勤するという事態は、雇用契約締結時には知ることができなかった健康状態に対する不安が顕在化しているといえ、①をみたすと考えられます。

また、長期欠勤したことによって、試用期間中に消化すべきプログラム等を消化できず、本採用を決断するだけの資料も十分に収集できていないという事態になっており、他の取りうる手段による改善・解決も難しいのであれば、②もみたす可能性があります。

ただし、解雇以外に試用期間の延長が可能であれば、そのような解雇回避手段も検討したうえで、解雇すべきか判断すべきといえます。

もっとも、就業規則において、休職制度が設けられており、試用期間中の社員が適用除外とされていない場合には、休職の発令をせずに、私傷病を理由に本採用を拒否することは、休職期間を置いたとしても回復の見込みがないこtが明らかであるといった特段の事情がない限り、解雇が無効とされる可能性があります。

したがって、まずは欠勤が規定どおりの期間続くのを待ったうえで、休職命令を出すという対応をとることが考えられます。

もしくは、退職意思を確認のうえ、退職勧奨を実施し、自ら退職する道を選ばせることも考えられます。

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