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同一労働同一賃金の観点からみた住宅手当の支給に関するご相談

事例内容 相談事例
雇用 同一労働同一賃金
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

相談内容

会社の近くで賃貸物件に居住する若い従業員を確保し、定着させるために、住宅手当を新たに支給することを検討しているが、その支給対象者を正社員に限定しようと思っている。同一労働同一賃金の観点から、この住宅手当の支給対象者に有期契約の社員も含めるべきなのか教えてほしい。

前提となる法制度・助言内容

同一労働同一賃金は、「全ての労働条件を同じにしなければならない」というルールではありません。同一労働同一賃金は、労働の内容に相違に比して「不合理な」労働条件の相違を禁じるものです。
労働条件が正社員と有期社員とで相違していても、労働の内容に相違があり、労働条件の相違に「合理性」があれば同一労働同一賃金には反するとは限りません。簡単に言えば、労働条件の相違に、「正当な理由がある」かどうかが重要ということです。
住宅手当の支給の有無について、「合理性」の判断をするときに参考になるのは、転居を伴う異動の有無です。転居を伴う異動がある社員は、それがない社員と比べて住居に関する費用が多く掛かります。そこで、転居を伴う異動がある社員には、その必要がある分、住宅手当を支給し、転居を伴わない社員にはこれを支給しないという制度に、「合理性」があるといえます。
ご相談を頂いた企業にこの点を聴取したところ、正社員と有期社員との間に、かかる転居を伴う異動が有るか無いかの相違があったため、同一労働同一賃金に反するおそれは低いと助言しました。

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