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人事考課の開示は拒否できるか

事例内容 相談事例
人事 人事考課 昇給 減給 人事制度見直し
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

相談内容

とある従業員から、「人事考課の査定結果に不満があるため、評価を開示して欲しい」との要望がありました。人事考課の過程には他従業員からの同人に対する評価等が含まれており、開示することによって、従業員同士の軋轢が生じてしまうのではないかと考えています。
人事考課の開示について、就業規則等の社内ルールで規定があるわけではないのですが、このような場合に開示を拒んでも法的に問題ないのでしょうか。

前提となる法制度・助言内容

かつて公表されていた「労働者の個人情報保護に関する行動指針」 (厚生労働省)では、使用者は、労働者から、自己に関する個人情報について、開示の請求があった場合には、合理的な期間内にこれに応ずるものと規定されていました。
ただし、法令に定めがある場合及び請求があった個人情報が、請求者の評価、選考等に関するものであって、これを開示することにより業務の適正な実施に支障が生ずるおそれがあると認められる場合等には、その全部又は一部に応じないことができるものとされています。

このことは個人情報保護法においても、開示請求に対して、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には、全部又は一部を開示しないことができるとされており、基本的な考え方に変更はありません。
貴社は、原則として従業員からの請求に応ずべきといえますが、これを開示することによって、業務の適正な実施に著しい支障が生ずると認められる場合には、他従業員からの評価等の部分の開示を拒んでも、法的に問題が発生する可能性は高くないでしょう。
もっとも、その際には、開示請求に応じられない理由を説明し、従業員の理解を得られるよう努めることが望ましいでしょう。

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