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能力不足の従業員の解雇

事例内容 相談事例
雇用 普通解雇
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

当社は国際貿易を行う業者です。業界経験や事務経験が豊富で、語学もできるということで、従業員を一人雇用しました。

ところが、貿易実務(通関業務)の基本的な用語も知らない、中学レベルの英語も理解できていない等、期待していた能力は全くありませんでした。

このような社員を即時解雇することに法的な問題はあるのでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

解雇理由に客観的合理的な理由がないか、又は相当性を欠くと判断された場合は、不当解雇となり、当該従業員が貴社の従業員であることが確認されることに加え、当該従業員に対し、解雇時から現在までの給与の支払いが命じられる可能性があります。したがって、即時解雇は慎重に判断すべきです。

能力不足を理由とする解雇では、実際に”能力”が”不足”していたことを裏付ける証拠が重要です。
”能力”の点については、採用時に一定水準の能力を有することが前提とされていたという事実を立証しなければなりません。

本件では、貴社が、当該労働者を、貿易実務(通関実務)の経験者として当然有する知識や能力を備えた者として採用したという事実が証明できるかが重要になります。

その上で、解雇が有効となるためには、その労働者について、実際に、当該能力に”不足”があると認められることが必要です。具体的な能力不足の証拠として、書面等客観的な記録を残しておく必要があります。

証拠が不十分である場合には、不当解雇であるとして訴訟や労働審判をを起こされたときに、裁判所で不当解雇と判断され、多額の支払を命じられる可能性も高いと予想されます。

そこで、解雇に踏み切る前に、上記したような事実を立証するための証拠を収集してその有効性を担保するか、任意に労働契約を終了させるために退職勧奨を試みるかの検討をするべきと考えられます。

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