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退職強要への該当性に関するご相談

事例内容 相談事例
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ハラスメント ハラスメント
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

人事権のない従業員が、部下に対し、能力不足等を根拠として、「他に向いている職があるのではないか」「大きなトラブルが生じて解雇される前に自ら退職する選択肢もあるのではないか」などという発言をしました。
当該発言について、部下が録音をしており、人事部に対し、退職強要をされたから懲戒処分等を検討してほしいという内容の内部通報をしてきました。
そこで、どのような処分を実施するのが妥当か迷った人事部担当者が、弁護士の意見を聞くべく相談に来ました。

弁護士方針・弁護士対応

判例上、勧奨される者の任意の意思形成を妨げ、あるいは名誉感情を害するような勧奨行為は、違法な権利侵害として不法行為を構成する場合があると判断されています(下関商業高校事件 最判昭和55年7月10日)。
そして、判断のポイントとなるものとして、①強い表現を用いているか、②退職勧奨を明確に拒否した者に対して行っているか、③長時間の面談をしたか、④長期にわたって退職勧奨を継続したか、といったものがあります。
本件において、部下は、勧奨を明確に拒否したとは言えず、また、長時間の面談が実施されたという事案ではありませんでした。さらに、一度問題の発言をしたのみでした。
これらの経緯を踏まえると、対象従業員の発言が、不法行為になるとまでは判断されないと考えられます。
しかし、人事権のない従業員が独自の判断で退職勧奨をしたことについて、企業秩序に対し影響があると判断する余地はあるため、注意することで再発防止への対応はしておくべきと助言しました。

その後、相談者は、助言に則した対応を採用したようです。

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