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プライベートで新型コロナウィルス流行地域に旅行した従業員への措置

事例内容 解決事例
問題社員 戒告 譴責 降格 昇給停止 諭旨解雇 懲戒解雇 懲戒処分
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

概要

新型コロナウイルスが流行している地域へ旅行した従業員への具体的な対応方針に関する相談でした。

まずは、2週間隔離するために出勤停止としましたが、休業手当を支払うべきか否かの判断がつきかねている様子でした。

弊社では、新型コロナウイルス流行地域へ行く際には、会社へあらかじめ報告するように命じていたにもかかわらず、それをしていないこと等から、休業手当など支払う必要がないとする意見がある一方で、無給とするのは少々重いのではないかとする意見もある状況で、どのような措置を採ることが妥当か相談に来られました。

弁護士方針・弁護士対応

原則として、会社の命令で自宅待機(出勤停止)とした場合には、休業手当の支払いが必要になりますが、懲戒処分の要素もあるようでしたので、就業規則の懲戒処分の検討を行いました。

就業規則には、懲戒処分の種類として、戒告又は最ぢ亜で2週間の出勤停止は可能であることが確認できました。

そこで、手段としては、⑴休業手当として6割以上支給をし、懲戒処分として戒告し始末書を提出させる、⑵2週間休ませるうちの5日間を出勤停止の懲戒処分とし、残りの期間を休業命令として休業手当を支給する、ということを助言しました。

結果

当該事例は、相談された会社の就業規則に照らし、新型コロナウイルス流行地域へ行く際には報告をするようにとの職務命令に反したものとして、懲戒処分としての出勤停止の根拠規定に該当しました。なお、当該職務命令の有効性について、従業員のプライベートに干渉する一面が否定できないものの、会社の安全配慮義務にも関わるところであり、事業内容にも照らしたうえで、当該職務命令は有効であると判断したことを前提としています。

しかし、就業規則に該当するとしても、最大の期間である2週間の出勤停止の懲戒処分とすることは処分の相当性の観点から妥当ではないと考えられたため、懲戒処分としては戒告をし始末書を提出させ、2週間分の休業手当を支給するといった手段を提案しました。

一方で、会社の事業の性質上、新型コロナウイルスに罹患した従業員が発生する事態は会社の存続に危機を及ぼしかねなかったため、休業手当を2週間分支給することに抵抗があるならば、争われるリスクはあるものの、処分の相当性も踏まえて5日間を出勤停止の懲戒処分とし、残りの期間を休業手当を支給する期間とすることを提案しました。

依頼者は、最終的に、⑴の手段を採ることで解決したとのことでした。

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