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未払残業代の有無

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担当した事務所 ALG 東京法律事務所

概要

弊社では、営業職の社員に対し、外回りをしたことに対する手当として、1日につき1000円を支給しています。しかし、当該手当を残業代を計算する際の基礎には入れておりません。何か問題はありますでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

残業代を計算する際の基礎に入れなくてもよい手当としては、労働基準法及び同法施行規則により、①家族手当、②通勤手当、③別居手当、④子女教育手当、⑤住宅手当、⑥臨時に支払われた賃金、⑦1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金と限定列挙されています。

本件の「外回りに対する手当」は、労働基準法及び同法施行規則が限定列挙する手当には該当しないため、残業代を計算する際の基礎に入れなければなりません。そのほか、残業代の前払として支給する固定残業代などについても、残業代計算の基礎には含まれないことになりますが、そのような合意もなされていませんでした。

なお、歩合給として判断されると、割増賃金率は0.25となることから、「外回りに対する手当」を「歩合給」として支給しているものと解釈できないかについても検討しました。しかしながら、歩合給と評価するためには、「一定の成果に対して定められた金額を支払う賃金制度」でなければならず、外回りをしたこと自体を「成果」と解釈することが困難であったため、歩合給として支給しているとの解釈できないと考えられます。

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