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障害者トライアル雇用

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

このページでは、障害がある方の社会参加を後押しする「障害者トライアル雇用」制度について、制度の概要や手続の流れ、積極的な活用によって得られる助成金などを中心に解説していきます。

障害者雇用への取り組みに今一歩踏み出せていない企業にとっても、今後さらなる障害者雇用の拡大を目指している企業にとっても、「障害者トライアル雇用」制度を活用することで、障害の特性ごとに、自社のどんな業務に携わってもらうことが有益か具体的に検討することができ、また、障害者雇用促進の一端を成すことが期待できます。

障害者トライアル雇用

障害者トライアル雇用」は、就職が困難な障害者を原則3ヶ月間※1試行雇用することにより、継続雇用のきっかけとすることを目的とした制度です。この間に、企業側は適正や能力を見極め、障害のある労働者は就職のチャンスを得られます。

「障害者トライアル雇用」制度の活用により、障害者雇用の実績が少なく不安がある企業は、理解を深めるための機会を得ることができます。また、障害をもつ求職者は、携わる業務の内容や職場環境をあらかじめ確認することができるため、双方にメリットがある制度といえるでしょう。

※1:新型コロナウイルスの影響によって対象期間(令和2年4月1日~令和3年4月30日)に休業した場合には、一定条件を満たすことで雇用期間の変更が認められます。また、令和3年4月1日より制度が拡充され、テレワークによる勤務の場合には、最長6ヶ月までの延長が可能となっています。

トライアル雇用と試用期間の違い

期間の長さの違い
トライアル雇用は原則3ヶ月と期間が決まっています。
これに対し、試用期間は、企業が任意に設定します。なお、3~6ヶ月の期間とされるのが一般的です。

解雇のハードルの違い
トライアル雇用の性質は有期雇用契約であり、有期雇用契約は原則として期間が満了すれば雇用契約は終了します。
これに対し、試用期間は本採用を前提とした雇用契約であるため、合理的な理由もなく簡単に雇用契約を終了させることはできません。

障害者トライアル雇用の対象者

「障害者トライアル雇用」は、障害者雇用促進法2条で定められている“障害者”で、次の(ア)~(エ)の要件のいずれかにあてはまり、かつ障害者トライアル雇用を希望する者を対象とする制度です。

  • (ア)紹介日の時点で、就労経験がない職業に就くことを希望している
  • (イ)紹介日の前日時点で、過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している
  • (ウ)紹介日の前日時点で、離職している期間が6ヶ月を超えている
  • (エ)重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

以下のページでは、障害者雇用促進法2条で定められている“障害者”の詳細について説明していますので、こちらも併せてご覧ください。

障害者雇用の対象となる障害者

障害者トライアル雇用の雇入れ条件

前項(1-2 障害者トライアル雇用の対象者)の対象者を雇入れ、「障害者トライアル雇用」を行うためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

  • ①ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介による雇入れであること。
  • ②「障害者トライアル雇用」期間について、雇用保険被保険者資格取得を届け出ること。

障害者短時間トライアル雇用

精神障害あるいは発達障害がある方の中には、週20時間以上の勤務をすることは難しいというケースもあります。この場合、短時間勤務(週10時間以上20時間未満)から始め、職場への適応状況や当該労働者の体調などに応じて、トライアル雇用期間中に20時間以上の就労を目指す「障害者短時間トライアル雇用」制度もあります。

障害者短時間トライアル雇用の対象者

精神障害、あるいは発達障害がある者のなかで、継続して雇用される労働者として雇入れられることを希望し、また、「障害者短時間トライアル雇用」制度を理解したうえで、当該制度を利用した雇入れを希望している者が対象となります。

障害者短時間トライアル雇用の雇入れ条件

前項(2-1 障害者短時間トライアル雇用の対象者)の対象者を「障害者短時間トライアル雇用」によって雇入れるには、次の2つが条件となります。

  • ①ハローワークや民間の職業紹介事業者等の紹介による雇入れであること
  • ②3ヶ月以上12ヶ月以内の範囲で雇用期間を設定すること。

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手続きの流れ

ハローワークへ求人の申し込み

障害者雇用に関する求人は、ハローワークへ申し込みましょう。

ハローワークには障害者窓口があり、専門的な支援の体制が整っているため、障害のある方が求職活動に利用されています。また、ハローワークに申し込んだ求人情報を、地方自治体や民間の職業紹介事業者に提供してもらえるサービスもあります。

なお、ハローワークに求人を申し込むためには、あらかじめ事業所登録が必要です。2回目以降の申し込みはネットからできるケースもありますが、初めて障害者求人やトライアル雇用求人等を申し込む場合には、ハローワークの窓口での手続きが必要になります。

求職者の面接・採用

「障害者トライアル雇用」は、書類選考ではなく面接による選考とするルールがあります。
したがって、ハローワーク等から求職者を紹介してもらったら、面接によって求職者をトライアル雇用するかどうかを決めます。

実施計画書の提出

企業は、「障害者トライアル雇用」を開始した日から2週間以内に、雇用契約書などの労働条件が確認できる書類を添付した「実施計画書」を提出しなければなりません。

なお、対象者を紹介してくれたのがハローワークかほかの機関かによって、提出先が異なります。

《提出先》

  • ハローワークからの紹介 ➡ 対象者を紹介してくれたハローワーク
  • 地方運輸局からの紹介 ➡ 対象者を紹介してくれた地方運輸局
  • 民間の職業紹介事業者等からの紹介 ➡ 障害者トライアル雇用を実施する雇用保険適用事業所の所轄の都道府県労働局または事業所所轄のハローワーク(※労働局がハローワークに業務を行わせる場合)

トライアル雇用終了後

常用雇用する場合

「障害者トライアル雇用」の対象者との契約を常用雇用に移行したい場合、企業側と対象者との間で本採用後の労働条件を改めて確認したうえで、トライアル雇用期間終了後に、新たに雇用契約を結びます。

常用雇用しない場合

障害者トライアル雇用終了後、当該対象者について残念ながら雇用を継続しないと決めた場合、雇用期間満了の扱いとする旨を通知するようにしましょう。

結果報告書兼支給申請書の提出

トライアル雇用期間が終了した日の翌日から2ヶ月以内に、事業所を管轄するハローワークあるいは労働局に障害者トライアル雇用の「結果報告書兼支給申請」を提出することで、企業は“助成金(6 障害者トライアル雇用の助成金)”を受給することができます。

トライアル期間中の退職・解雇

労働者が退職を希望する場合

労働者がトライアル雇用期間中に退職を希望する場合、通常の退職手続と同じ経緯を経て契約解除となります。

なお、退職を希望する旨(契約解除)の申出は、原則就業規則で定めた期日(定めがなければ退職希望日の2週間前)までになされる必要があるため、申出の後、双方で退職日を調整していくことになります。もっとも、退職の理由が“あらかじめ提示された労働条件と実態が異なる”というような場合には、即時解除となることも考えられます(労基法15条2項)。

途中で解雇する場合

基本的に、有期労働契約については、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができません(労契法17条)。

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障害者トライアル雇用の助成金

「障害者トライアル雇用」を活用して障害者を雇い入れた場合、最長3ヶ月間を対象期間として、対象者1人あたり月額最大4万円の助成金を受け取ることができます。これにより、企業が障害者雇用へ積極的に取り組むことが期待されています。

精神障害者を雇用する場合

制度を利用して精神障害をもつ者を雇用する場合には、1人あたり月額最大8万円の助成金支給があります。正確には、最初の3ヶ月は最大8万円、その後3ヶ月は最大4万円の支給になります。

なお、精神障害者のトライアル雇用期間は6~12ヶ月を設定することが原則となっていますが、助成金支給の対象期間は最長6ヶ月となっていることがポイントです。

障害者短時間トライアル雇用の場合

「障害者短時間トライアル雇用」を活用した場合に企業に支給される助成金支給額は、対象者1人あたり月額最大4万円で、支給対象期間は最大12ヶ月となっています。

助成金が減額になる場合

次のいずれかにあてはまる場合には、就労日数に応じた割合で支給額が減額となることが考えられます。

■「障害者トライアル雇用」における就労が1ヶ月未満の間に離職した場合

  • 対象者に責任がある解雇
  • 対象者の都合による退職、死亡
  • 対象者の死亡
  • 天災などやむを得ない事情で事業継続が不可能となった
  • トライアル期間中に常用雇用に移行した

■トライアル期間中に休暇の取得や企業の休業があった場合

助成金の支給対象にならない場合

次に該当する事業主は、助成金の支給対象にならないケースもあります。

1.「障害者トライアル雇用」等を始めた日の前日を起算日とした6ヶ月前の日から終了の日までの間(=基準期間)に、当該制度を行う事業所で、事業主都合により雇用保険被保険者を離職させたことがある。

2.基準期間に、当該制度を行う事業所において、特定受給資格者となる離職理由の中でも、雇用保険離職票の離職区分コード1A(事業所の倒産等)または3A(自己都合退職等)によって離職した人数を、雇用保険被保険者数で除した割合が6%を超える(※離職した人数が3人以下であれば除外)。

3.高年齢者雇用確保措置をとっていなかったために、厚生労働省から高年齢者雇用安定法10条2項に基づく勧告を受けたものの、助成金の支給申請日になっても是正されていない。

4.継続支援事業A型(就職が難しい障害者が事業所と雇用契約を結び、生産活動・職業訓練の提供といった支援をするサービス)を行う事業所である(※対象労働者を施設利用者以外の者として雇用する場合は除外)。

5.障害者トライアル雇用を開始した日の前日から起算して過去3年間に、障害者トライアル雇用等を行ったことがあり、その後継続雇用としなかった障害者(※自己都合退職、障害者本人責任のある解雇等は除外)の数と、助成金支給申請書を届け出ていない対象障害者の数の合計が3人を超え、かつその数が継続雇用とした障害者の数を上回る。

ジョブコーチ支援の併用が可能

ジョブコーチとは、別称を「職場適応援助者」というように、障害者が障害の特性に応じた業務ができるよう、また、職場に定着できるよう、職場適応について支援する者のことをいいます。対象障害者に対してだけでなく、事業主やほかの労働者、対象障害者のご家族に対する支援も行っています。

ジョブコーチと「障害者トライアル雇用」は併用して活用できるため、特に障害者の雇用管理や社内啓発の方法などについて悩みがある事業主にとって非常に有用といえるでしょう。

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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