初回1時間 来所・zoom相談無料

0120-630-807

会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません 会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません

人事・労務・労働問題を法律事務所へ相談するなら会社側・経営者側専門の弁護士法人ALGへ

人事評価制度

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

人事評価制度とは、社員の仕事ぶりやスキルを評価し、給与や昇進などに反映させる制度のことです。適切な方法により評価を行うことで、社員1人1人の特性や課題点が明らかになり、人材育成の促進や生産性の向上、最終的には、企業の業績アップにつながることが期待できます。
そのため、すでに多くの企業で導入事例がある制度となっています。

ただし、人事評価制度を導入する際は、評価基準や評価方法を明確にしておく必要があります。これらが曖昧だと、労働者の不信感を招くおそれがあるからです。

本記事では、人事評価制度の内容やメリット・デメリット、導入手順などをご紹介していきます。
人事評価制度の導入を検討している方は、ぜひご一読ください。

人事評価制度とは

人事評価制度とは、労働者の能力や仕事の成果、会社への貢献度などを評価し、等級や報酬などの待遇に反映させる制度です。会社は、評価結果をもとに、昇格(降格)、昇給(減給)、賞与などについて判断することになりますが、評価の対象期間は企業によって異なります。なお、公務員についても、民間企業とは異なる方法により、人事評価が行われています。

人事評価制度は、一定期間の労働者の能力や成果を評価する「評価制度」、等級や等級ごとに求められる能力・役割を定める「等級制度」、労働者の給与・賞与額を決める「報酬制度」の3つの要素から成り立ち、それぞれ連動する関係にあります。

評価制度 会社の行動指標にもとづき、労働者の能力や成果、行動、会社への貢献度などを評価する制度。評価結果は、労働者の等級や給与などの待遇に反映されます。
等級制度 労働者に求める能力、職務、役割などを等級で分類し、業務を行う際の権限や責任などを明らかにする制度。等級ごとに定められた指標をもとに、労働者の等級が決定されます。
報酬制度 評価された結果や等級に応じて、給与や賞与の金額を決定する制度

人事評価の対象期間

人事評価は、四半期・半年・1年など一定期間ごとに行われますが、特に、上半期(4月~9月)・下半期(10月~3月)と6ヶ月ごとに評価を行う会社が多い傾向にあります。

なお、評価の対象期間には決まりがないため、会社の規模や業種に応じて適正に判断する必要があります。

例えば、労働者の人数が多い会社の場合は、四半期ごとの評価では事務的負担が大きくなります。
一方、業務内容が頻繁に変わる会社の場合、年次評価では公正に評価できないでしょう。

また、営業職や販売職など売上が評価項目に含まれる場合は、予算の対象期間と評価期間を合わせるとよりわかりやすくなります。

人事評価と人事考課の違い

人事評価制度と似たものに、「人事考課制度」があります。いずれも労働者の評価を行う点は同じですが、実施する目的が異なります。

人事考課は、給与や昇進など労働者の待遇の決定を目的としています。
一方、人事評価は、待遇の決定だけでなく、労働者の育成も目的としています。評価結果を能力開発や人材配置に役立て、労働者のスキルアップや業務効率化を図ります。

これらの制度は関連し合う関係であるため、人事評価制度の中に人事考課が含まれていると考えられるでしょう。

なお、人事考課は労働者の給与決定に使われるため、基本的に非公開となっていますが、人事評価は公開される場合があるという違いもあります。

人事評価制度導入の目的

人事評価制度を導入すると、どのような目的を達成できるのでしょうか?
以下で確認していきましょう。

人材配置の最適化

人事評価を行うと、労働者の能力や企業への貢献度を客観的に評価できるため、明確な根拠にもとづき、給与や昇進などの待遇を決定することができます。また、業務の進捗状況などから労働者の強みや弱みを見極め、人材配置に活かすことも可能です。

さらに、労働者を能力の発揮しやすい部署・職種へ配属することで、組織全体のパフォーマンス向上も期待できるというメリットがあります。

人材育成の促進

公正な人事評価を行うことで、労働者の自発的な成長が期待できます。評価項目や評価基準が明確であり、仕事の成果を正当に評価してもらえると実感できれば、労働者のモチベーションがアップし、より一層仕事に励むことが予想されるからです。

また、評価結果によって労働者のスキルを可視化し、的確なフィードバックを行うことで、人材育成の効率化も期待できます。例えば、労働者に不足しているスキルがあるならば、OJTや研修などを行い、育成を強化することが可能です。

生産性・業績の向上

評価基準を明確にすることで、すべての従業員に対して「会社の経営目標」や「労働者に求めるスキル」を共有することが可能となります。これにより、労働者1人1人が何を目標として業務を行うべきかが把握できるようになります。

また、従業員間の共同意識も強まり、全員が同じ方向を向いて働けるようになるため、企業定着率や生産性の向上につながることが期待されます。

公平な処遇の決定

労働者の給与や昇進などの処遇に対する根拠を明らかにすることで、公平で納得性のある処遇を実現することが可能となります。

明らかな根拠があれば、どのぐらい努力すれば給与額が上がるのか、または昇進できるのかということを判断することができるため、労働者が自分自身の処遇に対して納得しやすくなるというメリットがあります。結果として、不公平な処遇によるモチベーションの低下を回避することが可能です。

人事評価制度導入のメリット・デメリット

メリット

人事評価制度を導入するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

労働者のモチベーションアップ

自身の努力や成果が昇進・昇給につながるため、労働者の働く意欲が向上します。また、労働者が成果を上げようと自発的に知識・スキルの取得に努めると考えられるため、生産性の向上も期待できます。

信頼関係の強化

上司が的確なフィードバックを行うことで、労働者は「成果が認められた」「努力が評価された」と実感し、会社への信頼感や安心感を得ることができるため、定着率の向上が見込めます。

人材スキルの把握・管理

労働者一人ひとりのスキルや経験、課題点を把握し、これらをデータで一元管理できるため、適切な人材配置を行ったり、能力開発や研修において最適なプログラムを組んだりすることが可能になります。

デメリット

人事評価制度を導入するデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

労働者から不満が生じる

評価結果や評価の根拠が曖昧だと、労働者の不満を招き、モチベーションを低下させるおそれがあります。また、高評価者と低評価者で待遇差が生じるため、従業員同士の人間関係が悪化する可能性もあります。

人材開発の視野が狭まる

自社における望ましい人材像に向けた育成を促すため、自社でしか活躍のできない型にはまった人材になる可能性があります。また、能力が画一化され、評価対象外の能力をもつ人材の活躍の場が狭められるおそれもあります。

評価範囲外の業務が滞る

評価範囲外の業務については労働者が意欲的になりにくいため、評価項目以外の業務が滞りやすくなる可能性があります。そのため、これらの業務に対しても労働者が積極的に取り組める施策を講ずる必要があります。

なお、欧米では人事評価を廃止する動きが高まっており、成果ではなく、評価目標に対するプロセスで人物を評価する「ノーレイティング」という方法を導入する企業が増えています。

人事評価制度の3つの種類

人事評価を行う際に、労働者の何を評価すればよいのでしょうか?
以下のとおり、3つの評価基準を使うのが一般的となっています。

  • ①業績評価
  • ②能力評価
  • ③情意評価

以下で、各評価基準の内容を確認していきましょう。

①業績評価

業績評価とは、一定期間における仕事の成果や実績に対する評価です。評価項目は職種等により異なり、営業職では契約件数や売上、技術職では開発件数、開発計画の進捗度などが挙げられます。

また、これらの項目を評価する場合は、業務目標を設定し、その達成度をもとに評価する方法が有効です。業務目標については、期日や件数など具体的な数値を定め、現実的に達成できる難易度とするのがベストです。

業績評価では、達成度を客観的に数値化できるため、給与額、昇進、異動など人事を決定する根拠として、評価結果を用いることが可能です。

ただし、注意点として、個人の成果は外部要因の影響を受けることがあるため、昇進と業績評価は別途で行う、部門により仕事の難易度が変わるため、評価項目・評価基準を部門ごとに変える必要があること等が挙げられます。

②能力評価

能力評価とは、労働者が持つ知識や経験、スキル等に対する評価です。ただし、業務に関わる能力のみ評価対象とするのが基本です。

評価項目としては、専門知識の習得度や経験量だけでなく、コミュニケーション能力・リーダーシップ・決断力・交渉力といった人間力も含まれることがあります。

能力評価の導入によって、労働者は自ら実践的なスキルを磨くことが期待できます。また、労働者の能力を的確に把握できるため、業務内容と能力のミスマッチを防いだり、適切な人材配置に活かしたりすることができるでしょう。

一方、注意点としては、年齢や性別といった偏見にとらわれず、労働者本人の能力をきちんと評価することが必要となることが挙げられます。

③情意評価

情意評価とは、仕事に取り組む姿勢や勤務態度に対する評価です。評価項目は、職場のルールを守る「規律性」、指示を待たずに自ら行動する「積極性」、自身の役割を最後まで果たそうとする「責任性」、良好な人間関係を保つ「協調性」などが挙げられます。

情意評価は、業績など目に見える部分ではなく、労働者の内面や業務プロセスを重視します。そのため、「ただ結果を出せば良い」「経験不足なので努力する意味がない」という労働者が減り、職場の人間関係改善やモチベーションアップが期待できます。

ただし、情意評価では上司の主観が入りやすいため、具体的な目標を定めて、同僚や部下からの評価も取り入れるなどして、客観的に評価するべきでしょう。

人事評価制度を補う評価手法

人事評価では、前述のとおり、労働者の能力や業績、仕事に対する姿勢などを評価基準とすることが一般的ですが、これだけでは測れない部分で労働者が企業運営に貢献している場合もあります。

そこで、このような要素を判断して人事評価を補う手法を、以下に3つご紹介します。

  • ①目標管理制度(MBO)
  • ②360度評価(多面評価・周囲評価)
  • ③コンピテンシー評価制度
それぞれの特徴や、メリット・デメリットを確認していきましょう。

目標管理制度(MBO)

目標管理制度(MBO)とは、Management by Objectivesの略称であり、あらかじめ個人やチームで業務目標を決めてもらい、その達成度をもとに評価する方法です。客観的に評価できるよう、業務目標(案件数や期日)や作業プロセスを具体的に定めておくことが必要です。

なお、MBOと似たものとして、OKR(Objectives and Key Results)という目標管理手法があります。
OKRは、月に1回または四半期に1回など高い頻度で、目標設定や進捗の確認、評価を繰り返す方法です。MBOが長期的な視点で目標管理するのに対し、OKRでは短期的に目標管理をするため、こまめに課題点を洗い出し、パフォーマンスを軌道修正できるというメリットがあります。

メリット・デメリット

目標管理制度(MBO)のメリット・デメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

【メリット】

  • モチベーションの向上
    目標管理で定める個人の目標は、企業の経営目標と連動するものであるため、目標を達成することで、会社の利益に貢献できるということが実感でき、労働者のモチベーションの向上が見込めます。
  • 能力開発が期待できる
    労働者は目標達成のために必要な知識やスキルを習得する必要があります。また、一つの目標を達成したら、次はさらに高い目標に取り組まなければなりません。この繰り返しにより、労働者の能力開発とスキルアップが期待できます。
  • 客観的かつ公正な評価ができる
    目標管理では、案件数や期限など、労働者が達成すべき目標が数値化されて定められるため、目標の達成度を客観的かつ公正に評価することが可能です。

【デメリット】

  • 労働者へのプレッシャー
    目標管理で決める目標は、あくまでモチベーション維持やスキルアップを目的としたものですが、労働者が目標=ノルマと誤解し、強いプレッシャーを感じ、モチベーションの低下を招くおそれがあります。
  • 目標以外の業務に対して意欲がわかない
    労働者が自身の目標達成だけに執着すると、目標以外の業務に取り組まなくなり、かえって労働者のスキル低下、生産性の低下を招くおそれがあります。
  • 職種によっては目標設定が困難である
    営業や販売のように売り上げに直結する部門以外、例えば、人事、経理、経営企画など管理部門等においては、数値による目標設定が難しい傾向にあるため、平等な評価ができなくなるおそれがあります。

360度評価(多面評価・周囲評価)

360度評価とは、1人の労働者に対し、上司・同僚・部下等さまざまな方面から評価を行う方法です。上司の主観にとらわれず、より客観的に評価することを目的としています。とはいえ、評価結果は評価者によって変わるため、「評価結果をそのまま処遇に反映しない」「本人の意識改革に役立てる」といった対応をすべきでしょう。

メリット・デメリット

360度評価のメリット・デメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

【メリット】

  • 上司以外の視点からも評価できる
    上司以外の同僚や部下、顧客など様々な立場の者から、客観的に評価されるため、労働者は評価に納得しやすくなるでしょう。結果、会社への信頼感が増し、モチベーションアップが期待できます。
  • 労働者が自身の強みと弱みを把握できる
    労働者は周囲の評価と自己評価の比較により、自身の強み・弱みを客観的に把握することができるようになります。結果、自身の活かすべきスキルや課題点が明らかになり、改善策へとつながり、スキルアップが見込めます。

【デメリット】

  • 評価者の主観が入りやすい
    評価者が自身の主観や好みに合わせて従業員を評価してしまう可能性は否めません。また、評価者ごとに、評価に関する知識や経験の有り無しが異なるため、評価がばらつきやすくなる可能性があります。
  • 高評価を得るため、部下に適切な指導をしなくなる
    360度評価では、部下が上司を評価できるようになります。そのため、あまりに厳しい指導をすると自身の評価が下がるかもと評価を気にして、上司が部下への厳しい指導を意図的に避けるおそれがあります。
  • 職場の人間関係を悪化させるおそれがある
    厳格なフィードバックが書かれていたり、周囲からの評価が自己評価よりも大幅に低かったりする場合は、他の従業員に対する不信感を招き、職場の人間関係を悪化させるおそれがあります。
  • コンピテンシー評価制度

    コンピテンシー評価とは、高い業績や成果を上げている労働者の行動特性(コンピテンシー)をもとに評価項目を設定し、それに沿って評価を行う方法です。

    流れとしては、まず優秀な労働者について観察・ヒアリングを行い、求められる知識やスキル、基礎能力等を分析し、評価項目を定めます。そして、それをもとに、「必要な能力を備えているか」「どれほど知識が不足しているか」等について評価を行います。

    メリット・デメリット

    コンピテンシー評価制度のメリット・デメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

    【メリット】

    • 評価基準が明確化されるため、公正な評価ができ、労働者も納得しやすい
      コンピテンシー評価の場合、評価基準が明確化されるため、評価者の主観や評価対象者との関係性に影響されず、公平な評価を行うこと可能です。その結果、労働者が評価に納得しやすくなり、会社への信頼感が高まり、定着率の向上につながることが期待されます。
    • 目指すべき人物像を示すことで、能力開発や人材育成につながる
      コンピテンシー評価では、実際に高い業績を上げている社員の「行動」を評価基準とするため、「何を努力すれば高く評価されるのか」が明確になります。
      目指すべき人物像がわかれば、労働者一人一人の今後の課題を見つけやすくなるため、モチベーションがアップし、効率的な能力開発や人材育成につながることが期待されます。

    【デメリット】

    • 優秀な労働者を選ぶのに時間がかかる
      コンピテンシー評価は、企業ごとに独自のコンピテンシーを定義したり評価基準を策定したりする必要があります。業績を上げている優秀な労働者を選び、特性を抽出し指標を決める作業は容易でなく、全職種において行う必要があるため、時間や手間もかかります。
    • 評価基準が固定され、事業や環境の変化に適応できない
      コンピテンシー評価では、評価基準が固定されるため、事業や環境の変化に適応しにくいという面があります。例えば、企業の事業フェーズが変化したり、モデルとすべき行動特性が変化したりすると、これまでのコンピテンシーの基準が使えなくなるため、再度コンピテンシーを抽出して、基準を作り直す必要があります。

    人事評価制度の導入方法

    実際に人事評価制度を導入するためにはどのような手順を踏む必要があるのでしょうか。
    人事評価制度の導入方法についてご説明します。

    1. 目的・目標の明確化
    2. 評価項目・評価基準の策定
    3. 社内規定の策定
    4. 評価システム・フォーマットの導入
    5. 労働者への説明

    無計画のまま導入すると、適切な評価ができず労働者の不満を招いたり、担当者の手が回らなかったりするリスクがあるため、導入目的や運用方法等を適切に定めておくことが必要です。

    また、人事評価制度は就業規則の「相対的必要記載事項」にあたり、導入時の規定の設定が義務づけられています(労基法89条)。

    人事評価制度の導入・運用における注意点は、以下のページで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

    人事評価制度の導入と実施時の留意点

    中小企業における人事評価制度

    厚生労働省によると、人事評価制度の導入率は、従業員数100人以下の企業で39.4%、100人以上の企業では73.7%であると報告されています。つまり、中小企業ほど人事評価制度の導入が進んでいないという現状があります。

    しかし、中小企業こそ人事評価制度を導入することを推奨いたします。
    人材不足が課題となりやすい中小企業の場合、人事評価制度の導入が労働者の定着率を上げる鍵となり得るからです。

    新しい人材の採用にはコストがかかり、人材の育成には手間や時間がかかります。会社の業績アップを図りたい場合は、現在働いている労働者の定着率を上げて、離職させないようにすることが重要です。

    この点、人事評価制度を導入すれば、「努力して成果を上げれば、昇進や昇給が見込める」ことが実感できるようになるため、労働者のモチベーションがアップし、離職率低下、生産性の向上につながることが期待できます。

    人事評価の違法性と注意点

    人事評価によって労働者の処遇を決定する場合、事業主は、労働者の能力や成果を公正に評価する義務(公正評価義務)を負います。なお、公正な評価とは、以下の3要件を満たすものとされています。

    • 公正かつ客観的な評価制度を整備・開示すること
    • それに基づき公正な評価を行うこと
    • 評価結果を開示・説明すること

    上記に反する場合、「人事評価権の濫用による不法行為」(民法709条)又は「公正評価義務違反による債務不履行」(民法415条1項)に基づく損害賠償請求をされる可能性があります。

    また、労働基準法3条(均等待遇)、同法4条(男女同一賃金)などの強行規定に違反した場合、当該人事評価は違法となります。例えば、営業成績が悪いことを理由に女性の給与を下げることは違法とはなりませんが、ただ女性であることを理由として、男性よりも給与を下げたり、または上げたりして、異なる取り扱いをすることは違法となります。

    人事評価制度の導入で受給できる助成金

    人事評価制度を行う企業は、国から「人材確保等支援助成金」を受け取れる可能性があります。
    この助成金制度は企業の人材不足の解消を目的として制定されたもので、労働者の能力や成果に基づく賃金制度を設け、生産性の向上、賃金アップ、離職率の低下を図る企業には、助成金80万円が支給されます(目標達成助成)。

    助成金を受け取るための主な受給要件は、以下のとおりとなります。

    • 人事評価制度などの整備計画を作成し、労働局から認定を受けている
    • 人事評価制度を整備し、実際に行っている
    • 一定の期間内において、企業の生産性の伸びが6%以上である
    • 一定の期間内において、人事評価制度の対象労働者の賃金合計金額が2%以上増えている
    • 離職率が30%以下であり、人事評価制度を運用した日から1%改善している(従業員数300未満は維持)

    人材確保等支援助成金(人事評価改善等女性コース)について、より詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

    人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)|厚生労働省
ちょこっと人事労務

企業の様々な人事・労務問題は弁護士へ

企業側人事労務に関するご相談 初回1時間 来所・zoom相談無料

企業側人事労務に関するご相談 来所・zoom相談無料(初回1時間)

会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません

0120-630-807

受付時間:平日 10:00~20:00 / 土日祝 10:00~18:30

0120-630-807

平日 10:00~20:00 / 土日祝 10:00~18:30

※電話相談の場合:1時間10,000円(税込11,000円) ※1時間以降は30分毎に5,000円(税込5,500円)の有料相談になります。 ※30分未満の延長でも5,000円(税込5,500円)が発生いたします。 ※相談内容によっては有料相談となる場合があります。 ※無断キャンセルされた場合、次回の相談料:1時間10,000円(税込11,000円)

この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

労働法務記事検索

労働分野のコラム・ニューズレター・基礎知識について、こちらから検索することができます