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人事異動

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

人事異動は、企業が業務効率を追求しながら活動するうえで欠かせないものです。

しかし、人事異動の命令は労働者に不利益を生じさせることがあり、場合によっては、優秀な人材の離職や労働紛争につながったりする可能性もあります。そのため、あらかじめ命令の根拠を定めておくことや、命令の内容について十分に検討することがとても重要です。

この記事では、使用者が労働者に人事異動を命令する際に注意するべきポイントについて、人事異動を命じるうえで欠かせない人事権に関する知識とともに解説していきます。具体的な法律の根拠規定も交えて説明しますので、ぜひ参考になさってください。

人事異動とは

人事異動とは、企業の命令によって社員の配置や地位、勤務条件などを変更することをいいます。
ただし、労働基準法などの労働問題に関係する法律で明確に定義されているわけではありません。

人事異動というと、配転や昇格・降格がすぐに思い浮かぶかと思いますが、そのほか新規採用や退職といったものも含まれています。

人事異動を行う時期

人事異動を行う時期に決まりはありません。1年を通していつでも行うことができます。

とはいえ、日本国内の企業では、毎年3月末や決算期・事業年度の末日などの年度末に合わせて行われることが多いです。なぜかというと、ちょうど企業がその期の業績を踏まえて事業戦略を見直すタイミングであり、人員の配置換えなど、組織戦略の変更が必要になる時期だからです。

人事異動を行う理由・目的

人事異動を行う理由や目的は、一般的に次の4つに分けられます。

人材の育成

人事異動によって、新しい部署・環境でそれまでとは異なる業務に携わることで、視野や仕事の幅が広がるとともに、スキル・能力の向上が期待できます。また、優秀な社員を異動させれば、異動先の人材の育成にもつながります。

このように、本人や周囲の社員の成長を促すことが目的のひとつとして挙げられます。

なお、幹部候補を異動させる場合は、様々な部署で経験を積ませて、それぞれの部署の業務や実情などについて理解を深めさせ、企業全体を見通す視野を身に着けさせることを目的としているケースが多いです。

適材適所の人員配置

人には向き不向きがあるので、その人材の能力を最大限に発揮できる部署を見つけ、適性に合わせた人材を配置することは、企業全体の生産性を上げるうえでかなり重要です。そのため、企業戦略として、適材適所に人員を配置することを目的に人事異動を行う場合があります。

事業計画などの達成

事業計画や企業戦略は、社会情勢や企業を取り巻く環境の変化に応じて、柔軟に策定・変更していかなければなりません。これにより、新たな人材の確保や既存の人材の配置変更が必要になることがあるので、事業計画などを達成するために、配置変更をはじめとする人事異動を行う場合があります。

不正防止

同じ環境での業務が長い期間続くと、風通しが悪くなり、上司や他の部署が口出しできない状況に陥って不正の温床となる危険があります。また、不正が行われてもすぐに気づけず、大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。

こうした不正を防止するべく、同じ部署での長期間の勤務を避けるために人事異動が行われることがあります。

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人事異動の種類

人事異動は、配置換えや転勤といった《所属企業内の人事異動》、出向や転籍といった《所属企業外の人事異動》の2つに大別されます。
基本的には、所属企業内の人事異動の方が労働者に与える影響が小さく、所属企業外への人事異動の方が影響は大きくなりそうです。

これらの人事異動の例として、以下の4項目が挙げられます。それぞれみていきましょう。

配転(配置換え・転勤)

主な人事異動のひとつである配転には、「配置換え」と「転勤」という2種類の意味が含まれています。それぞれの具体的な内容は次のとおりです。

配置換え…同じ勤務地のまま、所属する部署や業務内容が変更されること
例:横浜営業所で総務部として働いていた社員が、横浜営業所内の営業部で働くことになった場合

転勤…同じ企業のなかで勤務地が変わること(転居が必要かどうかは問いません)
例:A社の横浜営業所で働く社員が、同じくA社の東京営業所で働くことになった場合

昇格・降格

企業内での地位が上がることを“昇格”、反対に、企業内での地位が下がることを“降格”等といいます。企業によっては、呼び方が異なることがあります。また、“昇進”や“昇級”等により給与の上昇を伴うものや、“降職”や“降級”等により給与の減額を伴うものもあります。

ただし、給与の減額等を伴う降格については法的な問題点もあります。詳しい内容は以下のページをご覧ください。

人事権による降格

出向

出向とは、出向元の企業と労働者の雇用契約を継続したまま労働者を他の企業へ出向かせ、そこでの業務に従事させることをいいます。出向先は親会社や子会社など、出向元の関連企業であるケースが多いです。

出向では、労働条件は出向元企業のものに準じつつ、業務の指揮命令権は出向先企業に移すのが通常です。しかし、詳しい出向条件の決め方や、出向先で不祥事を起こした場合の懲戒処分の方法をどうするかといった特有の問題をあらかじめ片付けておく必要があります。

出向に関するより詳しい説明は、下記の記事でご覧いただけます。

出向とは|出向中の労働条件と復帰について

転籍

転籍とは、在籍する企業との雇用契約を一度解除したうえで、労働者に転籍先企業と雇用契約を締結させ、転籍先企業の業務に従事させることをいいます。業務の指揮命令権だけでなく、対象者との雇用関係も転籍先企業に移る点が、“出向”とは異なります。

転籍についてのより詳しい内容は、以下のページでご覧いただけます。

人事異動における転籍に関する規定について

人事異動の「内示」と「辞令」の違い

企業から労働者に対して行う通達には、主に「内示」と「辞令」があります。
人事異動についても「内示」と「辞令」で知らせます。それぞれの違いは、次のとおりです。

〇内示…正式に人事異動を発表する前に、通達を受ける本人や関係者だけに行う内々の通知
【特徴】

  • 決定事項ではない(人事異動の打診に使われることもある)
  • 辞令の予告として行われる
  • 人事異動のための準備期間を与えることを目的としている

〇辞令…人事異動に関する正式な業務命令
【特徴】

  • 決定事項である(辞令を受けた労働者は基本的に拒否できない)
  • 内示の後、正式な決定として公表されることが多い

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人事異動の拒否と人事権

労働者は、基本的に人事異動の命令を拒否できません。
これは、日本の正社員の多くが長期的に働くことを前提に雇用されていて、使用者による解雇が厳しく規制されることの裏返しだと考えられます。過去の裁判例でも、使用者が持つ人事権(社内の労働者の扱い全般に関する使用者の権限)は広く認められています。

ただし、人事権を濫用した人事異動の命令は無効となります。後々大きなトラブルに発展するリスクを最小限にするためにも、人事異動について通達する前に、人事権の濫用に当たらないかどうかを慎重に検討する必要があります。

労働者が人事異動を拒否できる具体的なケースや、実際に拒否されてしまった場合の対処法などは、下記の記事で紹介しています。ぜひ併せてご確認ください。

人事異動の拒否が認められるケースと拒否された場合の対応

会社の人事権とは

人事権とは、社内の労働者の地位を上下し、待遇を決定する使用者の権限をいいます。簡単にいえば、社内の労働者の扱い方を決められる使用者の権利といえるでしょう。

この人事権があるため、使用者は、労働者に配転・昇格・降格・解雇・出向といった人事異動を命令することができます。

過去の裁判例の傾向からみても、使用者の人事権は幅広く認められているため、人事異動の命令にも強い効力があります。

とはいえ、根拠のない人事異動や、法律・労働契約に反する人事異動、人事権の濫用と判断される人事異動は制限されます。例えば、個別の労働契約で職種や勤務地を限定する合意をしていた場合、配転や出向といった人事異動を命じることは基本的にできないでしょう。

就業規則による根拠規定

人事異動を命じるためには、就業規則で人事異動に関する定めをしておくなど、あらかじめ根拠を設けておく必要があります。就業規則の内容は労働契約の一部となるので、配転や昇格・降格、出向などについて定めておけば、使用者が業務命令として人事異動を行えることの裏付けとなるからです。

なお、労働者は業務命令に従う義務があります。そのため、労働者が明確な理由なく、業務命令に当たる人事異動を拒否した場合には、業務命令違反として懲戒処分を行うことも可能です。

しかし、根拠のない人事異動は業務命令に当たらないので、労働者に強制することはできません。人事異動を行うには本人の同意が必要になります。

また、就業規則で人事異動の根拠を定めておけば、人事異動に関する労使の権利・義務関係が明らかになります。そうすれば、使用者のコンプライアンス意識の向上や、人事異動に対する労働者の理解を深めることにつながるため、無用な労働紛争を防止する効果も期待できます。

万が一裁判に発展するような紛争が発生してしまったとしても、人事異動の根拠規定の有無や内容が重視されることに変わりはないため、就業規則などに根拠規定を設けておくことはとても重要です。

人事権の濫用について

人事異動について就業規則に根拠があるとしても、人事権の濫用に当たる人事異動は、無効となります(労働契約法3条5項)。
具体的には、以下の条件にひとつでも該当する場合、人事権の濫用として無効になる可能性があるため、注意が必要です。

  • ①業務上、人事異動をする必要がない
    例:閉鎖が決まっている支店に、合理的な理由なく転勤させる場合
  • ②不当な動機や目的の人事異動である
    例:嫌がらせのために配置換えをする場合、見せしめのために降格する場合
  • ③人事異動によって、労働者が通常受け入れるべき程度を超えて不利益を受けること
    例:人事異動によって、子供の養育や家族の介護が困難となる場合

労働契約法
(労働契約の原則)第3条

5 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。

人事異動に関する法律

人事権を濫用した人事異動のように「無効」と判断されないようにするためにも、人事異動について定めた法律をよく理解しておくことが重要です。
そこで、以下では、人事異動に関連して特に問題になりやすい法律とその注意点を解説していきます。

労働基準法

差別的な理由で人事異動を行うことは、労働基準法3条で禁止されます。

労働基準法3条は、労働条件の差別的な取扱いを禁止しています。
例えば、労働者の国籍・信条・社会的身分などを転勤の対象者を選ぶ際の基準にしたり、降格の理由にしたりすることは、労働条件の差別的な取扱いに当たります。

したがって、こうした人事異動は無効となる可能性があります。

労働契約法

労働契約法14条には、人事権の濫用と評価できる出向命令は無効とすると定められています。
したがって、出向の必要性や対象者を選ぶ際の事情などを考慮して、人事権の濫用に当たると判断される出向命令は無効となります。

労働組合法

不当労働行為に当たる人事異動も、労働組合法7条1号に違反するため無効になります。
労働組合法7条1号は、労働者が、

  • 労働組合の組合員であること
  • 労働組合に加入しようとしたこと
  • 労働組合を結成しようとしたこと
  • 労働組合の正当な行為(労働委員会への労働組合法違反の申立て等)をしたこと

を理由に、労働者を解雇するといった不利益な人事異動を行うことを禁止しているので、無効となる場合があります。

男女雇用機会均等法

男女雇用機会均等法6条は、労働者の性別を理由に、差別的な人事異動をすることを禁止しています。

具体的には、労働者の配置、昇進・降格、職種や雇用形態の変更、解雇といった人事異動を行う際に、合理的な理由がないにもかかわらず男女で異なる扱いをすることは許されません(雇均法6条各号)。

また、男女雇用機会均等法9条では、女性労働者の婚姻・妊娠・出産などを理由とした不利益取扱いが禁止されています。
女性労働者の妊娠等を理由に命じられた人事異動が、当該女性労働者にとって不利益といえる場合には、当該人事異動が無効となる可能性があることに注意が必要です。

育児・介護休業法

育児や家族の介護などを行う労働者への配慮に欠ける人事異動も、育児・介護休業法26条に違反するものとして無効となる可能性があります。

育児・介護休業法26条は、事業主(使用者)に対して、勤務場所の変更を伴う配転をする際には、労働者の育児や家族の介護の状況に配慮することを義務づけています。そのため、配転によって労働者が被る不利益があまりに大きすぎると判断される場合には、人事権を濫用したものとして無効になることがあります。

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人事異動を行うメリット・デメリット

人事異動を行うときは、メリットとデメリットを十分に検討することが大切です。人事異動のメリット・デメリットには、次のようなものがあります。

【メリット】

  • 異動先の部署や組織全体が活性化し、新しい発想や考え方が生まれやすくなる
    優秀な社員をあえて異動させることで、異動先の社員が刺激されて組織全体が活性化したり、異動先の業務効率を上げる新しい方法が見つかったりする可能性があります。
  • 社員のモチベーションが上がる
    異動先の部署で新しい業務に携わらせることで、社員に仕事のやりがいを感じさせられれば、生産性の向上や退職の防止につながります。
  • 優秀な人材を育成できる可能性が高まる
    様々な業務を経験させることは、社員の視野や仕事の幅を広げ、優秀な社員の育成につながるでしょう。

【デメリット】

  • 責任の所在があいまいになるリスクがある
    しっかりと引継ぎができない場合、引き継いだ業務でトラブルが発生したときに誰の責任となるのかがわからず問題となる可能性があります。
  • 社員のモチベーションが下がる危険性がある
    社員がそれまでの部署や職務を気に入っていた場合、モチベーションの低下を招き、退職につながりかねません。
  • 労使トラブルに発展するリスクがある
    人事異動について社員が十分に納得していない場合、労働紛争になるなど、大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。

人事異動による労使トラブルを防ぐには

人事異動は労働者の利益に大きく影響する事柄であるため、労務上のトラブルに発展するリスクが低くありません。
例えば、

  • 労働者のモチベーションの低下
  • 労働者の離職
  • 労使紛争への発展

といったトラブルが起こる可能性があります。

こうした労務上のリスクを未然に回避するためにも、以下で解説するポイントを押さえたうえで人事異動に取りかかることをおすすめします。

人事異動を命じる従業員への説明

人事異動の対象となる従業員が異動について納得していれば、労使トラブルに発展する可能性は低いでしょう。そこで、対象となる従業員本人の理解を得られるように、下記に挙げる内容について説明を尽くすことをおすすめします。

  • 人事異動が必要な理由
    経営上の必要性など、人事異動を行う理由をきちんと伝えることで、理解が得られる可能性があります。
  • 人事異動の対象者を選んだ基準
    対象者をどのように選んだのか、異動先でどういった役割を期待しているのかを説明することで、対象者の異動後のモチベーション低下や退職を防ぐことにつながります。
  • 異動後の勤務場所、業務内容、勤務条件
    人事異動に伴い労働条件が変わるので、後々不満が出ることがないよう、事前にしっかりと説明し納得してもらう必要があります。
  • 異動に伴い会社が行う配慮
    例えば転居が必要になる転勤を命じるケースでは、転居先として社宅を提供したり、単身赴任手当を支給したりするなど、労働者を前向きにさせる配慮を検討するのも良いでしょう。この場合にも、労働者に十分に説明することが大切です。

業務の引継ぎに関する規定の策定

業務の引継ぎに関連するトラブルを回避するためにも、就業規則などに、
・引継ぎ業務を義務化すること
・引継ぎを怠った場合の処分に関する定め
を記載しておくことをおすすめします。

人事異動の主要な目的は、業務の効率化や組織の活性化などですが、後任者にしっかりと引継ぎが行われなければ業務に支障が出てしまい、本末転倒となってしまうからです。

また、人事異動前に有給休暇を取得されてしまうと、十分な引継ぎが行えない可能性があります。そこで、「引継ぎに関連して、使用者が有給休暇の取得時季を変更する可能性があること」も併せて記載しておいても良いでしょう。

人事異動に関する裁判例

最後に、人事異動の命令の有効性が争われたものの、企業側が勝訴した裁判例を紹介します。

【最高裁 昭和61年7月14日第2小法廷判決、東亜ペイント事件・上告審】

事案の概要

A社の従業員Bは、A社から転居を伴う転勤を命じられたものの、家庭の事情を理由に拒否しました。
これを受け、A社はBに別の勤務地への転勤を命じましたが、再度家庭の事情を理由に拒否したため、就業規則に基づいてBを懲戒解雇しました。

本裁判例は、A社が行った懲戒解雇の効力と、その前提となる転勤命令の有効性が争点となった事案です。

裁判所の判断

裁判所は、まず、“業務上の必要性がないにもかかわらず、転居を伴う転勤を命じることは人事権の濫用に当たるため無効”としたうえで、“企業の合理的運営に寄与する点がある限りは業務上の必要性が認められる”という枠組みを示しました。

そして、
・A社には、営業所の主任の後任者として適当な者を営業所へ転勤させる必要があったこと
・主任待遇で営業に従事していたBを選んだこと
からすると、A社の転勤命令には業務上の必要性があったと判断しました。

さらに、“転勤がBに与える家庭生活上の不利益は、転勤に伴い通常受け入れるべき程度のもの”だったとして、転勤命令の有効性を認め、転勤拒否を理由とする懲戒解雇を無効とした高裁判決を破棄・指し戻しました。

ポイント・解説

企業が人事異動を命じる際には、命じられる労働者に何らかの負担が生じることは通常のことです。
そのため、企業は、人事異動を命じられた労働者に生じる負担を踏まえても、当該人事異動が企業の合理的運営に必要であると、きちんと説明できるようにしておかなければなりません。

本裁判例においては、企業側が主張する業務上の必要性が、裁判所に認められたことから、転勤命令の有効性が認められたものと言えます。

これから人事異動を検討する際には、人事異動を命じられる労働者に対し、業務上の必要性がきちんと説明できるかにつき、チェックしておくべきでしょう。

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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