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不正競争防止法とは|禁止行為や罰則、法改正などわかりやすく解説

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

不正競争防止法とは、事業主間の健全で公正な競争を促すための法律です。他社の悪質な行為によって一部の会社や事業主が不利益を受けないよう、様々な不正競争行為を禁止しています。

どのような行為が不正競争に該当するかを知らないままだと法律違反となるおそれがあるため注意が必要でしょう。
本記事では、不正競争防止法の概要や禁止されている行為、違反時の措置等を詳しく解説していきます。

不正競争防止法とは

不正競争防止法とは、事業者同士が公正な競争を行えるよう、さまざまな不正行為を禁止した法律です。代表的なのは、他社の模倣品を販売したり、他社の営業秘密を不正に取得したりする行為が禁じられています。
また、禁止行為に対する賠償責任を定めることで、不正を未然に防ぎ、国民の健全な経済活動を後押しするという目的もあります。

不正競争防止法が制定された経緯

市場経済が正常に機能するよう、事業者の活動に一定の制限をかけたのが始まりです。いくら営業の自由があっても、事業者が好き勝手に事業活動をすれば社会は混乱してしまいます。

また、民法や刑法、知的財産法などほかの法律でカバーされていない部分を補い、不正競争行為を未然に防ぐことも目的のひとつです。例えば、民法では認められていない差止請求権を定めたり、刑法の要件を満たさなくても処罰を適用させたりして、網羅的な保護を図っています。

不正競争防止法で禁止される行為

不正競争防止法で禁止される行為は、同法2条で規定されています。具体的には、以下の10の行為が不正競争行為として禁止されています。

  • ①周知行為に対する混同惹起行為
  • ②著名表示冒用行為
  • ③形態模倣商品の提供行為
  • ④営業秘密の侵害
  • ⑤限定提供データの不正取得等
  • ⑥技術的制限手段に対する不正競争行為
  • ⑦ドメイン名の不正取得等の行為
  • ⑧誤認惹起行為
  • ⑨信用棄損行為
  • ⑩代理人等の商標冒用行為

①周知表示に対する混同惹起行為

混同惹起行為とは、世間に周知されている他人の商標や商号と同じ、又は類似した表示をして、商品や営業について混同を生じさせる行為をいいます(不正競争防止法2条1項1号)。
例えば、他社の看板商品名をそのまま自社の商品名に用いた場合、同系列の店だと誤認させるおそれがあるため、禁止されています。

ただし、一般名称や慣用表示については、他人の独占権が及ばないため規制の対象外となります。
例えば、「幕の内弁当」や「黒酢」といった表示をしても、混同惹起行為にはあたらないとされています。

また、正当な目的で自己の名前を使用した場合や、他人の商標や商号が広く知られる前から使用していた場合も、混同惹起行為にはあたりません。

②著名表示冒用行為

著名表示冒用行為とは、他人の“著名な”商標や商号を、自己の商品や営業に用いる行為をいいます(不正競争防止法2条1項2号)。
例えば、著名なブランド名をそのまま自社の社名に使用することです。この場合、ブランドイメージの低下や不当な顧客収集を招くおそれがあるため、著名表示冒用行為として禁止されています。

  

また、著名表示冒用行為については、他人の商品と性質などが全く異なっていても成立します。
ただし、これでは規制対象がかなり広くなってしまうおそれがあります。そこで、“著名な”商標や商号というには、全国的に需要者以外にも広く知られていることという要件が定められています。

例えば、全国的に有名なチェーン店の名前を用いることは著名表示冒用行為にあたりますが、一部の地域だけで展開している店舗の名前を用いた場合は混同惹起行為に該当します。

③形態模倣商品の提供行為

形態模倣商品の提供とは、他人の商品をまねて作った物を販売・譲渡するなどの行為をいいます(商品形態模倣行為、不正競争防止法2条1項3号)。
例えば、同じ形のゲーム機や、同じ配置のセット商品を販売する行為が挙げられます。

商品形態模倣行為の判断基準は、商品の名称や性質ではなく「形態」です。つまり、外見上商品の形や構造の同一性を認識できるかがポイントとなります。
ただし、形態が類似していても、その形態が商品の特性上不可欠である場合や、ありふれた形態である場合、商品形態模倣行為にはあたりません。これらの場合、特別な資力や労力をかけずに作り出せることから、保護に値しないためです。

さらに、国内で初めて販売されてから3年以上経過した商品については保護の対象外となります。
また、第三者が模倣商品を“善意無重過失”で譲受した場合も、規制の対象外です。

④営業秘密の侵害

窃盗などの不正な手段で営業秘密を取得・利用する行為や、営業秘密を第三者に開示する行為が禁止されています(不正競争防止法2条1項4号~10号)。
「何が営業秘密にあたるのか」については、次に挙げる3つの要素を踏まえて個別的に判断されます。

  • 秘密管理性
  • 有用性
  • 非公知性

例えば、会社の顧客名簿や新規事業計画、製造過程やノウハウなどが営業秘密になり得ます。
一方、“秘密”であることが重要なので、公開前提の特許技術などは保護されないのが一般的です。また、脱税のような犯罪行為の手口に関する情報等は”有用性”が認められないと考えられます。

営業秘密についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。

不正競争防止法の営業秘密とは

⑤限定提供データの不正取得等

限定提供データとは、営業秘密には該当しないものの、IDやパスワードによって閲覧者が制限されている情報のことです。
限定提供データを不正に取得・利用などした場合、不正競争行為にあたり損害賠償請求などの対象になります(不正競争防止法2条1項11号~16号)。
例えば、閲覧権限のない者がハッキングを行い、データを勝手にダウンロードする行為が挙げられます。

ただし、閲覧者が限定されていると知らずに情報を得た場合、取得した権限の範囲内であれば、当該情報を開示しても不正競争行為にはあたりません。
また、すでに無料で世間一般に公開されている情報と同内容だった場合も、不正競争行為の対象外となります。

⑥技術的制限手段に対する不正競争行為

技術的制限手段に対する不正競争行為とは、閲覧者を制限するためのプロテクト技術を不正に破る行為をいいます(不正競争防止法2条1項17号、18号)。
例えば、暗号を無効化する装置やプログラムを譲渡する行為は禁止されます。また、プロテクト破りをより実効的に抑止するためにも、プロテクト技術を無力化するため、サービスを提供することも禁じられています。

なお、ここでの保護対象には、映像や音楽といったコンテンツの視聴やプログラムの実行、データの処理などが含まれます。

⑦ドメイン名の不正取得等の行為

不正に利益を得たり、他人に損害を与えたりする目的で、他人と同一又は類似のドメイン名を取得・保有・使用する行為が禁止されています(不正競争防止法2条1項19号)。

多いのは、有名企業のドメイン名を取得し、その知名度を利用して不当に顧客を集めるケースです。
また、不正取得したドメイン名を高額な値段で売買するケースもあります。

  

その他、他人のドメイン名を取得してアダルトサイトを開設し、相手のイメージを低下させるような行為も違法となります。

⑧誤認惹起行為

商品や広告などに、その原産地・品質などについて取引先や消費者が誤認するような表示をする行為が禁止されています。また、その表示がある商品を譲渡する行為も同様です(不正競争防止法2条1項20号)。

具体的には、製造地や原材料の生産地とは全く関係ない地名を、商品名に入れるような行為です。この場合、原産地を誤認させるおそれがあるため違法となり得ます。
また、原材料について虚偽の表示をしたり、検査結果を捏造して品質を誤認させたりする行為も不正競争行為にあたります。
その他、表示項目には、国からの認定の有無や口コミの内容、製造方法、用途なども含まれるため注意が必要です。

一方、普通名称や慣用表示を用いる場合は不正競争行為にあたりません。

⑨信用毀損行為

競合関係にある他人の営業上の信用を損なわせるような行為が禁止されています(不正競争防止法2条1項21号)。簡単に言うと、競合している他社の悪口をネットに書き込んだり、虚偽の情報を流したりする行為です。

具体例としては、競合する飲食店について「衛生管理がなってない」、「消費期限切れの材料を使っている」などと虚偽の噂を流すケースです。
また、根拠もなく、「競合他社に商標権を侵害された」などと言いふらす行為も不正競争行為になり得ます。

一方、競争関係にない事業主間の誹謗中傷行為については、本法ではなく民法上の不法行為として扱われます。

⑩代理人等の商標冒用行為

パリ条約の同盟国等で商標に関する権利を持つ者の代理人が、正当な理由なくその商標を利用する行為をいいます(不正競争防止法2条1項22号)。

本号は、パリ条約における代理人等による商標の登録・使用制限を遵守させるための規定です。国際的な不正競争の防止を図る目的で設けられました。
例えば、輸入代理店を営む者が、本国の許可を得ずにその商標を使って営業したケースや、代理権が失効したにもかかわらず、代理店営業を継続したケース等が一例です。

また、パリ条約等の国際約束に基づき、日本では以下の行為も禁止されています。

  • 外国の国旗や紋章等の不正使用(不正競争防止法16条)
  • 国際機関の標章の不正使用(同法17条)
  • 外国公務員等への贈賄(同法18条)

国際約束に基づく禁止行為

不正競争防止法では、条約に基づき以下の行為も禁止されています。

  • 外国の国旗や紋章、外国政府の印章や記号のうち経済産業省令で定めるものを、商標として使用すること(不正競争防止法16条)
  • 外国紋章を使用して、原産地を誤認させる行為(同法16条)
  • 国際機関の標章のうち経済産業省令で定めるものを使用し、その国際機関と関係があるように誤認させる行為(同法17条)

これらの不正競争行為を行った場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処されます(同法21条)。

不正競争防止法違反時の措置と罰則

不正競争防止法に違反した場合、様々な措置や罰則を受けます。大きく分けると以下の2つです。

  • 民事上の措置
  • 刑事上の措置

それぞれ以下で解説します。なお、より詳しい内容は以下のページで取り上げますので、ぜひ併せてご覧ください。

不正競争防止法に違反した場合の措置

民事上の措置

不正競争行為に対する民事上の措置は、以下のものがあります。

差止請求
不正競争行為によって営業上の利益が侵害された(または侵害されるおそれがある)場合に利用できます。具体的には、侵害行為の停止や予防請求、侵害行為に必要なものの廃棄などを要求できます。

損害賠償請求
不正競争行為によって実際に損害が生じたとき、相手に賠償金を請求することができます。

信用回復措置請求
ブランドイメージを低下させられるなど、社会的信用が毀損された場合に利用できます。裁判所から相手に対し、謝罪広告の掲示といった信用回復措置を講じるよう命じてもらいます。

刑事上の措置

不正競争防止法で禁止される行為には、刑事罰が科されるものもあります。刑事罰が適用されるのは、以下の行為です。

  • 営業秘密に係る不正競争行為
  • 周知表示混同惹起行為
  • 著名表示冒用行為
  • 携帯模倣商品の提供行為
  • 技術的制限手段無効化装置等の提供行為
  • 混同惹起行為
  • 誤認惹起行為

中でも、営業秘密の侵害行為は罰が重くなっています。また、行為者本人だけでなく、行為者が所属する法人にも刑事罰が科されることに注意が必要です。下表で整理しているので、ご確認ください。

不正競争防止法の違反行為 個人の場合 法人の場合
営業秘密の侵害の場合
(海外で使用する目的の場合)
10年以下の懲役もしくは2000円以下の罰金またはその両方(罰金は3000万円以下) 5億円以下の罰金(10億円以下の罰金)
それ以外の侵害の場合 5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその両方 3億円以下の罰金

営業秘密の侵害については、以下のページで詳しく解説しています。

不正競争防止法の営業秘密とは|3つの要件と企業が取るべき対策

不正競争行為の適用除外について

不正競争行為に該当する行為でも、「適用除外」の要件を満たせば違法になりません。
適用除外の詳細は不正競争防止法19条で規定されており、以下のように分類されます。

適用除外の分類 対象となる不正競争行為
①商品及び営業の普通名称・慣用表示の使用 混同惹起行為、著名表示冒用行為、誤認惹起行為、代理人等の商標冒用行為
②自己の氏名の不正の目的でない使用 混同惹起行為、著名表示冒用行為、代理人等の商標冒用行為
③周知性獲得以前からの先使用 混同惹起行為
④著名性獲得以前からの先使用 著名表示冒用行為
⑤日本国内で最初に販売された日から3年を経過した商品 商品形態模倣行為
⑥デッドコピー商品の善意取得者保護 商品形態模倣行為
⑦営業秘密の善意取得者保護 営業秘密の侵害
⑧差止請求権が消滅したあとの営業秘密の使用により生産された製品の譲渡等 営業秘密の侵害により生じた物の譲渡・輸出入など
⑨限定提供データの善意取得者保護 限定提供データの不正取得等
⑩限定提供データと同一のオープンなデータ 限定提供データの不正取得等
⑪技術的制限手段の試験又は研究のために用いられる装置等の譲渡行為等 技術的制限手段に対する不正競争行為

【2023年】不正競争防止法の改正

近年はIT技術の進歩やグローバル化が著しく、企業を取り巻く環境も大きく変わっています。それに伴い、従来の法律ではカバーしきれない不正競争行為が問題視されるようになりました。

そこで、それらの不正競争行為にもしっかり対応できるよう、2023年に法改正が行われました。具体的な改正点は、以下のとおりです。

デジタル空間における模倣行為の防止
メタバースなどのデジタル空間でも、模倣品を提供することが禁止されます。

営業秘密・限定提供データの保護の強化
ビックデータの安全活用のため、保護対象となる限定提供データの範囲が拡大されました。

外国公務員賄賂に対する罰則の強化・拡大
外国公務員等に金銭を渡す賄賂罪について、法定刑が引き上げられました。また、外国人従業員が海外で単独で贈賄行為を行うことも禁止されました。

国際的な営業秘密侵害事案における手続の明確化
海外で日本企業の営業秘密が流出した場合、日本の裁判所が対応し、また、日本の法律が適用されるようになりました。

不正競争防止法違反に関する事例

【平成29年(ワ)第5423号 東京地方裁判所 平成30年3月26日判決、ルイ・ヴィトン事件】

ルイ・ヴィトン社の著名なロゴを付けて模倣品を販売した行為が、著名表示冒用行為にあたるとして不正競争防止法違反が認められた事案です。裁判所は被告に対し、財産的損害と無形的損害(信用の失墜)について賠償を命じました。

判決の理由としては、商標の著名性やそれによる顧客吸引力を不当に利用する行為であり、原告の長年の企業努力を損なうためとされています。

【平成30年(あ)第582号 最高裁 平成30年12月3日決定、日産自動車営業秘密侵害罪被告事件】

被告が日産自動車から競合他社に転職する際、営業秘密を持ち出した行為が、営業秘密侵害罪にあたると判断された事案です。この点、被告は、「不正の利益を得る目的ではない」と反論していました。

しかし、裁判所は、被告が営業秘密を私物のディスクに保存していることや、正当な目的をうかがわせる事情がないことなどから、「不正の利益を得る目的だった」と推認できると判断しています。

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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