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派遣労働の秘密保持義務

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

雇用形態が多様化する中で、派遣労働という働き方も一般化しつつあります。また、将来の労働力不足が懸念されるなか、派遣労働者の重要性はますます高まることでしょう。

しかし、派遣労働者は正社員に比べ、勤務先への愛着や帰属意識が低いという問題もあります。軽い気持ちで派遣先の秘密情報を漏洩・転売する事件も発生しており、管理方法に悩む使用者も多いでしょう。

そこで本記事では、派遣労働者の秘密保持義務に焦点をあて、義務の定め方や損害賠償の請求先について解説していきます。ぜひ参考になさってください。

派遣会社の秘密保持義務

派遣会社は、業務上知り得た情報について秘密保持義務を負っています(労働者派遣法24条の4)。

したがって、派遣元会社が正当な理由なく派遣先の秘密を外部に漏らすことは、法律上の義務違反行為となります。

もっとも、この規定は、あくまでも派遣会社やその従業員を規制するためのものであり、派遣元会社と派遣先会社との直接的な権利義務を定めたものではありません。

しかし、契約の締結によって付随的に生じる義務として、民法上の信義誠実の義務(信義則)があります。通常、秘密保持義務については、この信義則上の義務といえるため、派遣元会社は、労働者派遣契約の締結によって当然に派遣先会社への秘密保持義務を負うと考えられています。そこで、派遣元会社が秘密保持義務に違反した場合、派遣先会社は、信義則違反に基づく損害賠償請求を行い得る余地があります。

では、どのような情報が「秘密」にあたるのでしょうか。また、どのようなケースで損害賠償請求が認められるのでしょうか。詳しくは以下のページをご覧ください。

在職中の秘密保持義務について
企業における秘密とは

派遣労働者の秘密保持義務

派遣元会社に限らず派遣労働者であっても、業務上知り得た秘密を外部に漏らすことは禁止されています(労働者派遣法24条の4)。

なお、同法は、労使間の私的な権利義務を定めたものではありません。とはいえ、秘密保持義務違反は、民法上の信義則義務違反にあたる可能性もあるため、派遣労働者は、当該義務違反に基づき損害賠償請責任を負うことも考えられます。

 

もっとも、派遣労働者が負っているこの秘密保持義務については、派遣元会社に対するものであり、原則として、派遣先会社に対する義務ではありません。すなわち、派遣労働者は派遣元会社の従業員であって、派遣先とは雇用関係になく、雇用契約の締結によって付随的に生じる信義則上の義務が存在しないからです。

したがって、派遣労働者が派遣先会社の秘密を漏洩し、派遣先会社に損害が生じても、派遣先は、当該派遣労働者に対して直接的に損害賠償責任を追及することは原則としてできません。

派遣労働者の秘密情報漏えいにおける責任

派遣労働者が派遣先会社の秘密を漏洩し、損害を与えた場合、基本的に、この損害賠償責任を負うのは派遣元会社となります。つまり、「派遣労働者の責任は雇用主である派遣元が負う」ということです。

もっとも、派遣先会社が派遣労働者に対して、秘密保持義務違反に基づく損害賠償請求を行い得るようにするためには、例えば、派遣元会社と派遣先会社との間で締結する労働者派遣契約において、派遣先が派遣労働者に対し秘密保持誓約書の提出を求めることができる旨の規定を設けておくと良いでしょう。

なお、労働者派遣契約で秘密保持義務について定める義務はありませんが、損害賠償請求を行い得る相手方を担保するためには、規定しておくことが望ましいといえます(規定方法など詳しくは後ほど解説します)。

秘密保持義務違反をした派遣労働者への罰則

派遣元会社は、秘密保持義務に違反した派遣労働者に対して懲戒処分を行うことも可能です。ただし、懲戒処分の可否や程度については、被懲戒者と争いになりやすいため、あらかじめ就業規則で明確に定めておくことが重要です。

派遣労働者の処分について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

秘密保持義務違反による罰則

労働派遣契約書に秘密保持義務を規定する義務

派遣元会社が派遣労働者を派遣先会社に対して派遣する場合、派遣元会社と派遣先会社間で労働者派遣契約を締結する必要があります。そして、この労働者派遣契約には、労働者派遣法26条に列挙された事項を定める必要があります。この点、本条には、秘密保持義務を規定しなければならないとはされていません。

もっとも、派遣先会社から派遣元会社に対し、労働者派遣契約において秘密保持義務に関する規定を設けることを求めることは可能ですし、実務上、このような規定があることが多いです。例えば、以下のような規定を設けているケースが一般的です。

     ・派遣元会社は、業務上知り得た派遣先会社及びその取引先の秘密について、第三者に開示・漏洩又は不正に利用してはいけない。  ・派遣元会社は、業務上知り得た派遣先会社の従業員及び取引先の個人情報について、第三者に開示・漏洩又は不正に利用してはいけない。 ・派遣元会社は、自社と同等の義務を派遣労働者に対しても課し、かつ当該義務を遵守させなければならない。

これらの秘密保持義務に関する規定を設けることで、派遣先会社は、万が一派遣労働者による秘密情報漏洩があった場合でも、派遣元会社に対して損害賠償を請求することが可能になります。

労働派遣契約書の修正や追加

既に締結している労働者派遣契約書の内容につき、修正や追加を行いたい場合には、修正や追加する内容について、覚書を作成することが一般的です。なお、契約内容について全体的に変更を行いたい場合には、契約更新の際等に改めて契約書を作成すると良いでしょう。

派遣労働者と秘密保持誓約書を交わすには

派遣先会社は、派遣労働者と個別に「秘密保持誓約書」を取り交わすことで、派遣労働者本人に対して直接的に損害賠償を請求できる可能性もあります。これは、誓約書を締結することで、派遣先会社と派遣労働者との間に直接的な権利義務関係が生じるためです。また、誓約書は秘密情報の範囲を特定したり、派遣労働者に対して損害賠償のリスクを自覚させたりするためにも有効です。

ただし、派遣先会社と派遣労働者が直接誓約書を取り交わすのは雇用管理上、好ましくないという問題もあり、派遣先会社としては、あらかじめ派遣元会社との間で労働者派遣契約において、派遣先会社が派遣労働者に対して秘密保持誓約書の提出を求めることができる旨を定めておくと良いでしょう。

また、秘密保持誓約書では、以下の事項について具体的に定めることがポイントとなります。

  • 対象となる秘密情報の範囲
  • 秘密情報の管理、複製、返還等に関する事項
  • 開示できる情報及び対象者に関する例外規定
  • 秘密保持義務の存続期間
  • 義務に違反した場合の措置

この点、以下のページでさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

秘密保持契約書について

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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