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外国人アルバイト・パートの雇用について

この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲(東京弁護士会)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

外国人労働者をアルバイトやパートタイマー従業員として雇用する場合、在留資格の確認等、使用者が注意しなければならないことは多くあります。

このページでは、外国人アルバイト・パートタイマーの雇用に際して、使用者が知っておくべきこと、注意すべきこと等を解説します。

外国人のアルバイト・パートタイマー雇用について

日本には多くの外国人が滞在・在住していますが、どのような外国人でもアルバイト・パートタイマーとして雇用できるわけではありません。外国人が日本で労働するには、その業務内容に応じた在留資格が必要になります。

以下で、アルバイト・パートタイマーとして雇用できる外国人の在留資格について解説します。

必要な在留資格

外国人が日本に入国して60日以上在留する際には、在留資格(ビザ)を申請する必要があります。

在留資格には複数の区分があり、例えば外国料理の料理人として働くには「技能」の在留資格が、語学学校の講師として働く場合であれば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要になります。在留資格に適合しない活動・就労を行うことは、原則としてできません。

出入国在留管理庁が特に指定するものではない業務にアルバイト・パートタイマーとして外国人を雇用する場合、その外国人の在留資格が「定住者」、「日本人の配偶者」、「永住者」、「永住者の配偶者」、「特定活動(ワーキングホリデー)」であれば、特別な許可を受けることなく雇用することが可能です。

例外として、在留資格「文化活動」、「留学」、「家族滞在」で在留している外国人は、個別に資格外活動の許可を受ける必要があります。これに関しては、次の項目で説明します。

資格外活動の許可が必要となる場合

在留資格「文化活動」、「留学」、「家族滞在」で在留している外国人であっても、居住地を管轄する地方出入国在留管理局に「資格外活動の許可」を申請し、許可を受けることでアルバイトやパートタイマーとして働くことが可能になります。

審査の基準としては、『現に有する在留資格に関する活動の遂行を阻害しない範囲内であり、かつ、相当と認めるとき』とあり、例えば留学生であれば原則として1週28時間まで等、学業に支障が出ない範囲での労働に限り認められます。

これらの在留資格を有する外国人を雇用する場合、就労できる業務や労働時間に制限があることに注意しなければなりません。

2 アルバイトを採用する際の留意点

在留資格の確認

外国人をアルバイト・パートタイマーとして雇用する場合、使用者はその外国人の在留資格・在留期間を確認しなければなりません。在留資格・在留期間は在留カードに記載されていますので、アルバイト・パートタイマーとして雇用することが可能である資格を当該外国人が保有しているかどうか確認しましょう。

また、在留カードの裏面には、資格外活動の許可についての欄があります。留学生など、本来は日本で就労ができない在留資格の外国人を雇用する場合、併せてこちらも確認する必要があります。

在留資格のない外国人を雇用した場合の罰則

不法入国者や、在留資格の有効期限が切れているにもかかわらず在留を続けている不法滞在者、在留資格に適合しない就労をしている不法就労者など、就労に必要な在留資格のない外国人を雇用した使用者は、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)73条の2により不法就労助長の罪に問われ、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられます。

こうした事態に陥ってしまうことを防ぐために、外国人労働者を雇い入れる際は、在留カードの確認を確実に行う必要があります。

労働時間の制限

在留資格「文化活動」、「留学」、「家族滞在」で在留し、資格外活動の許可を得ている外国人を雇用する場合、労働時間に制限があることに注意が必要です。

原則として、資格外活動でのアルバイト・パートタイマー業務は、1週間のうち28時間以内と定められています。例外として、在留資格「留学」の場合、学校・大学の夏休み等、学則による長期休暇中に限り、1日8時間以内、1週間で40時間までの就労が認められます。週40時間以内とされるのは、外国人労働者であっても労働基準法の適用を受けるためです。

留学生アルバイトが禁止されている業種

留学生をアルバイトとして採用することは多いですが、入管法施行規則19条5項により、「留学」の在留資格で在留している外国人が風俗営業や性風俗営業といった業種で就労することは禁止されています。

例えば、キャバレー、クラブなどの接待を伴う飲食店や、雀荘、パチンコ店などの遊興施設、ファッションヘルスなどの性風俗店で労働することはできません。その他、ゲームセンターで働くことも禁止されているのでご注意ください。

日本語能力

外国人をアルバイト・パートタイマーとして雇用する際、コミュニケーションを円滑にとることができるか不安に思う場合もあるかと思います。

日本での労働に必要な日本語能力は業務の内容に応じて異なりますが、客観的な指標として、日本語能力試験を参考にするといいでしょう。日本語能力試験はレベルの高い順からN1からN5まで段階があり、一般的に、日本で円滑に仕事をするにはN1(幅広い場面で使われる日本語を理解することができる)か、N2(日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる)程度のレベルが必要だと言われています。

国籍による差別の禁止

労働基準法3条では、外国人の均等待遇原則が定められています。また、職業安定法3条でも、『何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない』と均等待遇を定めています。

つまり、労働者の国籍を理由に差別的扱いをすることは、法により禁じられています。外国人を雇用する際には、当該外国人が就労できる在留資格の範囲内で、公平な採用選考に努めることが必要です。

外国人アルバイト・パートタイマーの労働関係法規と社会保険

外国人労働者、さらにアルバイト・パートタイマーであっても、労働基準法や労働契約法、労働安全衛生法、最低賃金法等の労働関連法規は適用されます。また、労災保険や雇用保険、健康保険・厚生年金も適用されます。

留学生アルバイトの場合

在留資格「留学」で資格外活動の許可を得ている外国人をアルバイト・パートタイマーとして雇用する場合、原則として、労働時間は週28時間以内と定められています。この場合、健康保険・厚生年金の加入要件を充たさないため、当該労働者は対象外となります。

また、全日制教育機関の留学生は、学業が本業であるといえることから、雇用保険の対象外となります。

外国人雇用状況の届出

外国人労働者の雇用・退職にあたって、使用者は、その雇用状況についてハローワーク(公共職業安定所)に届け出る義務があります。これは正規雇用に限らず、アルバイト・パートタイマーの場合も同様です。

外国人アルバイトにも就業規則は必要か

労働基準法89条は、雇用形態にかかわらず、常時10人以上の労働者を雇用する使用者は、就業規則を作成しなければならないと定めています。これは、外国人労働者をアルバイト・パートタイマーとして雇用する場合も同様です。

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