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内部告発(公益通報)

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

内部告発とは、企業や官庁等で行われている不正・法令違反を、内部の人間が外部へ伝えることをいい、法律上では「公益通報」と呼ばれます。

2004年には、告発者を保護する「公益通報者保護法」が制定されましたが、適切に運用されているとは言い難く、内部告発には様々な問題がつきまといます。

ここでは、過去に起こった実際の事例や問題点も含め、内部告発(公益通報)について詳しく解説します。

内部告発とは

内部告発とは、企業など組織においてなされた法令違反を、内部の労働者が適切な対象窓口に通報する行為です。
内部告発の対象となる不正や違法行為の例として、以下のものが挙げられます。

  • 食品の産地や賞味期限等の偽装。
  • 利益の水増し等、決算や会計の偽装。
  • 無資格者による商品の検査等、資格の偽装。
  • 自動車の燃費データ等、商品の品質の偽装。

公益通報者保護法では、これらの行為を「公益通報」と呼びます。

内部告発が公益通報と認められる要件

内部告発が公益通報であると認められるための要件は、主に以下の4つです。

  • ①告発を行うのが社内の従業員であること。
  • ②企業内部の窓口、行政機関、あるいは報道機関への告発であること。
  • ③刑法や食品衛生法等の法令に抵触する行為が行われている、又は行われようとしていること。
  • ④告発することの目的が不正行為の是正であり、自身が不当な利益を得ることや、会社に不当な損害を与えること等が目的ではないこと。

通報者

内部告発の通報者は、正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、パート・アルバイト等の非正規社員でも可能です。
ただし、従業員でなければならないので、改正法が施行されるまでは、退職すると通報者として保護されないおそれがあります。

通報先

内部告発の通報先として、以下の3ヶ所が挙げられます。

  • 企業内部
    企業内部の指定の窓口に通報します。窓口がなければ上司や人事部門へ通報するケースもあります。
  • 行政機関
    いわゆる監督官公庁への通報です。通報先の機関は消費者庁のホームページで検索できます。
  • その他
    報道機関、消費者団体、事業者団体、労働組合など

通報対象事実について

通報の対象となる事実は、法令違反となる行為等の事実が生じ、又は生じようとしていることです。例えば、食品の偽装は食品衛生法や不正競争防止法等に抵触します。

ここで注意するべきなのは、セクハラやパワハラについては公益通報の通報対象事実に該当しないケースがあることです。強制わいせつや傷害等に該当するような、刑事罰が準備されている悪質なケースであれば、保護される可能性が高いでしょう。

内部告発が企業に与える影響

内部告発により法令違反が明るみに出れば、企業のイメージが下がることは避けられず、企業にとって不利益となることは否定できません。

しかし、内部通報で法令違反が明らかになることで、不正や違法行為が是正されれば、消費者にとって危険な商品が市場から排除されたり、国民にとって不利益な行為が是正されたりする良い契機になります。また、企業や官公庁にとってもコンプライアンス(法令遵守)の精神を見直すきっかけとなるでしょう。

「内部告発」を避けるために事業者がとるべき対策

内部告発の発生を予防するためには、社内コンプライアンスを見直すことが大切です。企業内で法令遵守の精神がきちんと周知され守られているか確認し、もし不十分であれば研修等を実施します。

また、内部告発が深刻な事態を招かないようにするためには、外部への告発がなされる前に不正を内部で発見するべきです。そのために、社内規定において、通報先の窓口、責任者、通報者の保護等を定めましょう。いわゆる正社員のみならず、契約社員や派遣社員、パートタイマーやアルバイト等も通報できるような窓口を定め、受付方法(電話、メール等)を労働者に周知します。秘密を保持し、通報者の立場が守られることは、特に重点的に周知するべきでしょう。

内部告発がなされた場合の対応

従業員から内部告発がなされた場合、事業者としては事実の調査や外部への公表等の対応が必要になります。
これらの対応について、以下で解説します。

不祥事などの事実の調査

まずは、迅速に事実関係の調査を行います。

内部告発された当該事実が、実際に起こった・起こっていることなのか、実際に起こっていたとすれば、その当該事実に違法性はあるのか、あるとすれば、当該事実全体が違法行為や法令違反にあたるのか、それとも一部だけなのか、当該事実を把握している社員は社内でどれだけいたのか、誰が把握していたのか、関係者への聴取等々、調査しなければならないことは多岐に渡ります。

しかし、内部告発後の調査は初動が肝心といえます。調査不足のまま公表を行えば、さらなる事態の悪化を招きかねません。内部告発があれば、まずは迅速な調査に注力しましょう。

対外的な公表

告発の内容について調査を行い、それが事実だと判明したら、対外的な公表についても検討しなければなりません。このとき、人々の健康や命に影響するような告発については、緊急事態と認識して調査を進め、すぐに公表しなければなりません。

後で公表されて、隠蔽だと受け取られるようなことがあれば、企業の存亡にかかわると認識しておく必要があります。

内部告発における、告発者のリスク

従業員が、内部告発を第三者(監督省庁、警察、マスコミ等)に対して行った場合には、以下のようなリスクがあります。

  • 告発した行為に関わったことに対する刑事罰
  • 告発した行為に関わったことへの損害賠償請求
  • 労働契約に付随する誠実義務違反や、機密漏えいを禁止する規定違反、企業に対する名誉棄損等を理由とする懲戒処分
  • 裏切り者と認識されることによる、社内での嫌がらせや無視

上記のようなリスクがあっては、従業員は処分や制裁を恐れて内部告発をできず、法令違反を放置することになってしまうため、法的な保護が図られています。

告発者の保護制度~公益通報者保護法~

外部に向け内部告発をした労働者への懲戒処分や不当制裁を防止すべく、2004年に、公益通報者保護法が制定されました。1条では『公益通報者の保護』に留まらず、『国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り』、また『国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資すること』を目的として掲げています。

そして同じく1条では、『公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等』と不当処分の禁止、『事業者及び行政機関がとるべき措置』と適切な対応方法を定めることで、その実現を図っています。

公益通報者保護法に関しては、以下のページで詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

公益通報者保護法の概要

内部告発の手段となりうる「司法取引」

2018年から、日本においても司法取引制度が導入されました。

司法取引とは、被疑者や被告人が証拠の提出、共犯者の情報の提供などをして検察官の捜査に協力することと引き換えに、起訴猶予や刑の減免を受ける制度です。企業犯罪の一部については、特定犯罪の一種として司法取引の対象になる場合があります。

内部告発につながり得る違法行為としては、贈収賄、業務上横領、談合、脱税などがあります。企業内の違法行為にかかわっている、または違法行為を認識している側は、情報提供をすることで自身の起訴猶予や刑の減免につながるため、内部告発が促進される可能性があります。

内部告発の事例

内部告発で有名な事例として、以下のケースが挙げられます。

内部告発を放置していたケース

代表例として、牛肉であるはずのミンチに豚肉や鶏肉が混ざっている等、数々の不正が行われた「ミートホープ牛肉ミンチ偽装事件」があります。当初は農林水産省に告発をしても調査は行われず放置されたため、新聞社への告発に至りました。調査によって不正が明らかになり、大きな社会問題となりました。

内部告発者の秘密保持の必要性が問題となったケース

代表例として、雪印牛肉偽装事件が挙げられます。この事件は、狂牛病の影響により、国が国産牛肉を買い上げる制度を設けたところ、雪印食品が輸入牛肉を国産と偽って補償金を得ていた事件です。

この事件は内部告発で明るみに出ましたが、告発をした冷蔵倉庫会社の社長は、「雪印と共謀して偽装に加担した」と国から業務停止命令を受けており、内部告発者の秘密保持、保護の必要性が問題となった事件でもあります。

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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