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懲戒処分

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

会社が多数の従業員を組織し、円滑に企業活動を行っていくために、組織の構成員として守るべきルールを就業規則に定めるのが一般的です。この服務規律に従業員が違反した場合、使用者としては懲戒処分を検討することもあるでしょう。

懲戒処分とは、服務規律に違反したことに対する制裁罰です。使用者は、一定の条件を満たせば懲戒処分を行うことができますが、法律上のルールを把握しておかなければ、処分した従業員から裁判を起こされる等のトラブルに発展するリスクがあります。

そこで、本記事では、懲戒処分の種類や法律上のルール等について解説します。

懲戒処分とは

懲戒処分とは、会社の秩序を維持していくために定められたルールに違反した従業員に対して行われる処分です。会社のルールや、これに違反した従業員に対して懲戒処分を行うことは、就業規則に明記しておく必要があります。

使用者は、就業規則を作成して、必要な指示・命令を行い、懲戒処分を行う権限を有しています。しかし、このような権限は無制限に行使できるものではなく、権限の行使が権利の濫用であるとして、違法・無効と判断される場合もあります。そのため、懲戒処分を実施するには慎重な吟味が必要です。

国家公務員の懲戒処分

国家公務員の懲戒処分は、民間企業における懲戒処分と異なる用語が用いられます。

国家公務員法82条には、「免職、停職、減給又は戒告」の処分が定められており、この中で最も重い処分が免職です。懲戒処分による免職(懲戒免職)は、民間企業における懲戒解雇と同様に、職を失わせる懲戒処分です。

また、国家公務員の停職は、最長で1年間という極めて長期間に及ぶ懲戒処分が可能です。民間企業の懲戒処分である出勤停止は1~2週間程度が適切とされているため、税金から給料を受け取っている公務員だけに許される懲戒処分であるといえるでしょう。

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懲戒処分の種類と程度

懲戒処分は、軽い方から並べると、戒告、譴責(けんせき)、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇といった処分が定められることが多いです。最も重い処分が懲戒解雇とされており、労働者にとっては死刑に例えられることもある、極めて重い処分です。

懲戒処分の程度

戒告・譴責

懲戒処分の種類となる戒告・譴責(けんせき)は、労働者の将来を戒める処分です。

譴責は、従業員に始末書を提出させて厳重注意を行う処分です。
戒告は、口頭で注意をするといった、始末書等の提出を求めない処分であることが多く、譴責よりも軽度な処分として位置付けられる場合もあります。

なお、企業によっては「厳重注意」・「訓告」等の名称が用いられる場合もありますが、法的には、ここにいう戒告・譴責にあたるものと考えられます。

これらの処分は、いずれにしても、懲戒処分の中で最も軽い部類の処分だと位置付けられます。

なお、戒告・譴責について特に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

戒告・譴責とは|処分の通知方法と査定への影響

減給

減給は、賃金を減額する処分です。労働者の経済的利益に直接影響する処分であるため、労働基準法は、1回の減給額が平均賃金の1日分の半額以下、減給の総額は一賃金支払期の賃金総額の10分の1以下のものでなければならないとの制限を定めています。

なお、減給について特に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

減給の懲戒処分|限度額と減給が有効になる条件

出勤停止

出勤停止は、一定の期間だけ、従業員が働くことを禁止する処分です。
出勤停止期間中は、賃金が支給されず、勤続年数にも算入されない場合が多いです。
また、期間の長さは1~2週間程度で定められることが多いでしょう。

なお、出勤停止について特に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

出勤停止・懲戒休職

降格

降格(降職・降級)は、従業員の行為に対して制裁を与えることを目的として、役職(職位)又は職能資格を引き下げる処分です。

通常の人事権の行使として行われる降格であれば、労働契約による使用者の権限として予定されています。しかし、懲戒処分として降格が行われる場合には、就業規則上の根拠規定を要します。

諭旨解雇・懲戒解雇

諭旨解雇は、懲戒処分として、懲戒事由に該当することを理由として会社側が労働者に退職願又は辞表の提出を勧告し、退職を求める制度です。また、所定期間内に勧告に応じない場合は懲戒解雇に処する、という取扱いをする会社が多いといえます。

懲戒解雇は、懲戒処分としての解雇であり、懲戒処分の中で最も重い処分に位置付けられます。退職金の全部又は一部が支給されず、解雇予告を伴わないで即時解雇されるのが一般的となります。

なお、懲戒解雇・諭旨解雇について特に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

懲戒解雇とは | 有効となる要件や普通解雇との違い

就業規則における懲戒処分の明示

懲戒処分を行うためには、懲戒の種類と事由を就業規則に明示する必要があります。これは、懲戒処分が、労働契約上行い得る通常の手段(普通解雇、配転、損害賠償請求等)とは別個の特別の制裁罰として位置付けられるためです。

なお、労働基準法は、常時10人以上の労働者を使用する事業場だけに就業規則の作成義務を課しています。しかし、就業規則がなければ懲戒処分を行うのが難しくなることから、作成義務が課されない事業場でも就業規則を作成するのが望ましいと考えられます。

懲戒処分に該当する事由

懲戒処分が有効と認められるためには、あらかじめ懲戒事由を就業規則に明記する必要があります。
具体的な懲戒事由としては、以下のようなものがあります。

  • 職務懈怠
  • 業務命令違反
  • 職場規律違反
  • 経歴詐称
  • 無断欠勤
  • 私生活における犯罪行為

なお、懲戒処分や懲戒事由について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

懲戒処分に該当する事由と判断基準

懲戒処分が有効となる基準

従業員を懲戒する際、対象者の行為の性質や態様、その他の事情を考慮して、相当と認められない場合には、懲戒処分を行う権利を濫用したものとして無効とされます(労契法15条参照)。

懲戒処分が妥当性を判断するためには、以下の原則に当てはまるかどうかを検討する必要があります。

原則 解説
罪刑法定主義の原則の類推 懲戒処分を受ける行為と、どのような懲戒処分を受けるのかについて、事前に就業規則に明記しなければ懲戒処分を行うことができないという原則
適正手続の原則 懲戒処分を受ける行為があったと考えられる場合には、事実関係を調査し、処分の対象者に弁明の機会を与えなければならないという原則
相当性の原則 処分対象とした行為について機械的に処分するのではなく、行為に至った経緯や反省の程度等を総合的に考慮して、妥当な懲戒処分を行うべきであるという原則
平等取扱いの原則 過去の事例と比較して、同程度の懲戒処分を行うべきであり、処分の重さが大きく異なってはならないという原則
個人責任の原則 懲戒処分を受けるのは、対象となる行為をした者だけであり、同じ部署に所属している等の理由で無関係な者を処分してはならないという原則
二重処罰の禁止の原則 1つの行為に対して懲戒処分を行った場合には、同一の行為に対して再び懲戒処分を行ってはならないという原則
不遡及の原則 就業規則に新たに設けた規定により、その規定を設ける前になされた行為に対する懲戒処分を行ってはならないという原則

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懲戒処分の手順

実際に懲戒処分を行うにあたっては、おおまかに以下の手順にしたがって進めていくこととなります。

  1. 事実関係を把握するための調査を行う
  2. 当事者に弁明の機会を与える
  3. 懲罰委員会に意見を求める
  4. 処分の決定と告知を行う

それぞれの工程について、詳しくみていきましょう。

①事実関係を把握するための調査

懲戒処分を行うために、まずは事実関係を確認するための調査をして、勘違い等により処分することのないように注意する必要があります。

調査の際には、最初に被害者や通報者等の話を聞きます。このとき、被害者等の氏名を懲戒処分の対象者に明かしても良いかを確認して手続きを進める必要があります。

さらに、物的な証拠品等を収集してから、当事者ではない事情を知る者に対して聞き取りを行います。このとき、第三者の話であっても鵜呑みにせず、おかしな点がないかを注意深く確認するべきでしょう。

②当事者の弁明

被害者や第三者等から話を聞いてから、最後に当事者(懲戒処分の対象者等)の話を聞きます。

このとき、当事者に「始末書」の提出を求めると、譴責処分との混同が起こり、二重処罰ではないかと言われてしまうおそれがあります。そのため、当事者に書面の提出を求める際には、「報告書」といった形式の書面の提出を求めるべきでしょう。

なお、弁明の手続きを就業規則に定める義務はありませんが、何らかの形で弁明の機会を付与しなければ、懲戒処分が無効になってしまうおそれがあります。

③懲罰委員会に意見を求める

就業規則に、懲戒処分を行うときには懲罰委員会を開催しなければならない旨を定めた場合には、懲罰委員会を開催しなければなりません。なお、懲罰委員会とは、会社が懲戒処分を行うときに設置して開催する委員会です。

懲罰委員会の設置は、就業規則に定める義務はありませんが、設置すると定めたときには就業規則に記載しなければなりません。メンバー構成や処分の決め方は法律に定められていませんが、弁護士等の専門家をメンバーに加えることを検討するのが望ましいでしょう。

④処分の決定と告知

懲戒処分を決定したら、その決定を対象者に告知します。告知の方法は法律で定められていませんが、文書で告知するのが望ましいでしょう。また、告知するときの文面は、処分するまでの経緯や、就業規則上の処分の根拠等を明記する必要があります。

懲戒処分の社内公表と名誉棄損

従業員が懲戒処分を受けたことを公表すると、たとえ会社内に限った公表であっても、名誉棄損に該当するとして、損害賠償責任を負うリスクがあるため注意が必要です。

使用者が懲戒処分を行った場合において、同じような違反行為の発生を防止する等の観点から、懲戒処分を行った事実を社内に公表することがあります。しかし、懲戒処分が行われた事実が当該労働者の名誉や信用を著しく低下させるおそれがあるため、無限定に認められるわけではありません。

社内公表が許容される情報

社内公表が許容される情報の範囲は、懲戒処分の対象となった行為の態様等を考慮して、事案ごとに検討する必要があると考えられます。

懲戒処分の内容及び理由については、これを公表することにより再発防止等の効果が期待できるので、公表の必要性が認められると考えられます。しかし、あまりに詳細な内容を公表すると、処分を受けた個人が特定されてしまい、同人の名誉等を侵害するため違法となるおそれがあります。

また、処分対象者が所属する部署及び役職についても、これを公表することによって個人が特定されてしまうのであれば避けるべきと考えられます。仮に所属する部署及び役職を公表する場合であっても、個人が特定されない限度にとどめるべきでしょう。

懲戒処分時の退職金について

懲戒処分の中でも、従業員が懲戒解雇された場合には、退職金が支給されないことがあります。これは、懲戒解雇されると必ず退職金が支給されないといったものではありません。就業規則や退職金規程に、懲戒解雇の場合には退職金が不支給となる旨が明記され、かつ、処分の対象になった従業員の行為が、これまでの功績を打ち消すほど悪質であることが必要です。

なお、諭旨解雇の場合や、退職勧奨に応じて退職した場合には、退職金を支給する等の優遇を行うことが一般的です。

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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