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メンタルヘルスケア

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

近年、労働者のメンタルヘルスケアの重要性が増しています。

厚生労働省の調査によると、メンタルヘルス不調によって「連続1ヶ月以上休業した労働者」がいた事業所の割合は8.8%、「退職した労働者」がいた事業所の割合は4.1%と、いずれも前年度を上回っています(令和3年 労働安全衛生調査(実態調査))。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって労働環境が大きく変わり、これによるストレスを感じる労働者も多いとされています。

企業は、労働者のメンタルヘルス対策を徹底するとともに、メンタルヘルス不調で悩む労働者を十分にケアすることがますます求められていくことでしょう。

本記事では、メンタルヘルスケアの概要や企業が行うべきこと、注意点などについて解説していきます。ぜひご覧ください。

メンタルヘルスケアとは

メンタルヘルスケアとは、すべての人がいきいきと働けるよう気配りをすることや、その仕組みを作り、実践することをいいます。健康な人、ストレスを感じている人、心身の不調がみられる人等すべての労働者が対象となるため、それぞれの状態に合ったケアを実施することが重要です。

メンタルヘルス不調を抱える労働者が増える中で、メンタルヘルスケアの重要性もより一層高まりつつあります。

なお、メンタルヘルス不調には、精神及び行動の障害に当たる精神障害や自殺だけでなく、ストレス・不安・生活に影響を及ぼす精神的な行動なども幅広く含むものとされています。

過重労働とメンタルヘルスの因果関係

過重労働が続くと、メンタルヘルス不調が起こりやすくなります。これは、長時間労働によって十分な睡眠・休息時間がとれず、疲労が溜まりやすいためだと考えられます。

また、過重労働が続き、残業時間が「過労死ライン」を超えると、健康障害と長時間労働の因果関係(業務起因性)が認められやすくなります。

過労死ラインとは、労災の認定に当たり、過重労働の有無を判断する目安をいいます。
具体的には、

①健康障害の発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって1ヶ月当たりの残業時間が80時間を超える場合

又は

②健康被害の発症前1ヶ月当たりの残業時間が100時間を超える場合

には、労災認定がされやすくなるという意味をもちます。

健康障害と過重労働との業務起因性が認められた場合、労災認定がされ、企業は安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任休業補償の支払義務を負う可能性があるため注意が必要です。

企業におけるメンタルヘルスケアの重要性と効果

企業には安全配慮義務があり、メンタルヘルスケアも義務の対象となります。
安全配慮義務とは、労働者の生命や身体の安全を守るため、職場環境に配慮しなければならないという義務です。

メンタルヘルスケア自体は法令上の義務ではありませんが、企業にとってさまざまな効果が期待できるため、積極的に行うのが望ましいでしょう。

なお、安全配慮義務について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

使用者の配慮義務

生産性や活力の向上

メンタルヘルス不調に陥ると、仕事へのモチベーションが下がり、生産性の低下を招きます。また、判断能力が鈍り、業務遂行に支障をきたすおそれもあります。

メンタルヘルスケアによって心身の不調を早期に発見・是正できれば、これらの事態を回避することができるでしょう。
また、労働者1人1人の健康意識が高まることで、職場全体の活性化にもつながります。

さらに、メンタル不調によって休職・離職する労働者が増えると、人手不足が問題となります。他の従業員の負担が増えたり、業務の遅れにつながったりするため、日頃からメンタルヘルスケアを徹底しておくことが重要です。

企業価値の向上

企業は、社会的責任(CSR)を負いますが、社会のみならず、自身が雇用する労働者に対しても責任ある行動(CSR行動)をとらなければなりません。
メンタルヘルスケアによって労働者の健康維持に努めることは、CSR活動の重要な要素となります。

また、メンタルヘルスケアを徹底している企業は、消費者や投資家などから高く評価され、社会的イメージも向上すると考えられます。売上増加や業績アップなど、さまざまな効果も期待できることでしょう。

また、採用活動でのアピールポイントにもなるため、優秀な人材を多く確保できる可能性もあります。

リスクマネジメント

メンタルヘルス不調を抱える労働者は、注意力や集中力が低下するため、事故やトラブルを起こしやすくなるといえます。
また、車の運転や有害な薬品を取り扱う職種の場合、本人だけでなく顧客や同僚など周囲の人々も危険にさらす可能性があります。

なお、企業の不十分な対応によってメンタルヘルス不調が発症したり、悪化した場合、労働者から責任を追及されたりするおそれがあります。メディアで報道されれば、企業イメージの低下も避けられないでしょう。

メンタルヘルスケアを徹底しておくことで、これらの経営リスクを軽減することができます。

メンタルヘルスケア対策の「4つのケア」とは

メンタルヘルスの4つのケア
①セルフケア 自分の心の状態や健康状態をよく理解しておくこと。
②ラインによるケア 従業員の体調不良が発生していないか、上司が一緒に働く従業員の日常状況を把握すること。
③事業場内産業保健スタッフ等によるケア セルフケアやラインケアが円滑に行われているか、その管理者をさらに支援すること。
④事業場外資源によるケア 個人に対しての心のケア等、健康作りのために必要な機関によるサポートを行うこと。

メンタルヘルス対策では、「4つのケア」に取り組むことが求められます。
4つのケアとは、メンタルヘルスケアの具体的な方法を示したもので、厚生労働省の指針において定められています。

また、4つのケアの事前準備として、企業には「心の健康づくり計画」を策定することが推奨されています。
心の健康づくり計画とは、企業がメンタルヘルス対策を行うための基本指針のことです。これにより、企業は「メンタルヘルスケアの実施体制」や、「労働者の健康情報の取扱い」などを定めることが望まれます。

4つのケアの詳細について、以下でみていきましょう。

①セルフケア

「セルフケア」とは、労働者自身がストレスについて理解し、個人的に対処することです。

例えば、ストレスチェックを積極的に受診したり、メンタルヘルスに関する研修を受講したりする方法があります。
一般の社員だけでなく、管理監督者も含めたすべての労働者がセルフケアの対象となります。

セルフケアを適切に行うためには、メンタルヘルスやストレスに関する正しい知識を身に付けなければなりません。そのため、企業が労働者に対して情報提供や社内教育を行うことが重要です。

②ラインによるケア

「ラインによるケア」とは、管理監督者が部下に対して行うケアをいいます。部下のメンタルヘルスに異常がないか把握し、職場環境の改善を図ることが求められます。

重要なのは、部下の様子について、「いつもと違う」といった変化に気付くことです。例えば、急に遅刻や欠勤が増えたり、作業スピードが遅くなったりした場合、メンタルヘルス不調に陥っている可能性があります。
また、日頃から適度なコミュニケーションをとるなど、部下が相談しやすい雰囲気づくりに努めることも重要です。

その他、ラインによるケアには休職後の労働者をサポートする役割も含まれます。復帰支援プログラムを作成したり、復帰後の労働時間を短縮したりして、スムーズな職場復帰を目指しましょう。

③事業場内産業保健スタッフ等によるケア

「事業内産業保健スタッフによるケア」とは、産業医・保健師・衛生管理者など、メンタルヘルスの専門家が行うケアをいいます。「セルフケア」や「ラインによるケア」が適切に実施されるよう、専門的な立場からサポートを行います。

例えば、メンタルヘルスケア計画の企画・立案、社内研修の実施、労働者との面談、労働者の健康情報の管理など、企業のメンタルヘルスケアを総括するのが主な役割です。
また、事業主に策定が義務付けられている「心の健康づくり計画」においても、産業医の助言・指導が必要とされています。

その他、外部の専門家とのネットワークを形成したり、後述の「④事業場外資源によるケア」を受ける際の窓口になったりする役割もあります。

④事業場外資源によるケア

「事業外資源によるケア」とは、メンタルヘルスケアを専門とする外部機関やサービスを活用したケアをいいます。これらは、メンタルヘルス対策を専門としているため、より高度なアドバイスを受けることができます。
また、外部にネットワークを形成することで、効率良くメンタルヘルスケアを実施できるのもメリットです。

外部機関の例は、以下のようなものがあります。

  • 都道府県産業保健総合支援センター
  • 地域保健機関
  • 病院やクリニック(精神科、心療内科など)
  • 日本医師会や都道府県医師会
  • 従業員支援プログラム(EAP

例に挙げたEAPとは、メンタル不調を抱える労働者を支援するための企業向けのサービスをいいます。メンタルヘルスの専門家によるカウンセリング、メンタルヘルスチェック、教育研修などさまざまなプログラムが提供されています。

外部EAPを導入することで、「社内では相談しにくい」という労働者も気軽に支援を受けることができるでしょう。

メンタルヘルス不調を防ぐ3つの段階予防

メンタルヘルス不調を予防するため、あるいは再発を防ぐために、以下の3つの段階を踏むことが求められます。
特に、一次予防を充実させ、メンタルヘルス不調の従業員を発生させないことが最も重要とされています。

  • 一次予防……メンタルヘルスの不調を未然に防止する。
  • 二次予防……メンタルヘルスの不調を早期に発見し適当な対処をする。
  • 三次予防……メンタルヘルスの不調に陥った労働者が職場復帰できるよう支援等をする。

一次予防:メンタルヘルス不調を未然に防ぐ

まず、労働者が自身のストレス状況を把握し、メンタル不調を未然に防ぐことが重要です。
そのためには、労働者のメンタルヘルスに対する意識を向上させることで、ストレスに早く気付き、対処することを促す必要があります。

具体的には、以下のような措置があります。

  • ストレスチェックの実施
  • 相談窓口の設置
  • ストレスに関する社内教育の実施(ストレスを感じた時の対処法、良好な人間関係を築くためのポイントなど)

また、職場環境それ自体がストレスの要因になっている可能性もあります。例えば、労働時間や職場の人間関係、人事評価制度などに問題がある場合、それらを改善することも必要です。

二次予防:メンタルヘルス不調の早期発見

次の段階で求められるのは、メンタルヘルス不調を抱える労働者を早期に発見し、悪化を防ぐことです。具体的には、以下のような措置があります。

  • 定期健康診断の実施
  • 相談窓口の設置と周知
  • 産業医や外部機関によるケアの整備
  • 勤怠データのチェック(遅刻や欠勤が増えていないか)

二次予防においては、上司や同僚が社員のメンタルヘルス不調に気付くことが重要です。いつもと様子が違ったり、ミスが増えたりする場合、メンタルヘルス不調に陥っている可能性があります。

そのため、管理監督者などに対して、メンタルヘルスケアに関する情報提供や研修を行うのも有効です。

 

三次予防:メンタルヘルス不調者の職場復帰支援

そして、三次予防として行うべきは、メンタル不調によって休職した労働者の職場復帰支援や、再発防止に努めることです。具体的には、以下のような措置があります。

  • 休職中の精神的なフォロー(状況のヒアリングなど)
  • 休職中の労働者と産業医の連携
  • 職場復帰支援プログラムの作成と実施
  • リハビリ復帰の提案

休職明け直後は、無理のない範囲で復帰させるのが望ましいといえます。労働時間の短縮や業務内容の変更なども検討し、徐々に慣れてもらうことが重要です。

三次予防を疎かにすると、すぐに症状が再発したり、離職につながったりする可能性があるため注意しましょう。

メンタルヘルス対策の具体的な方法

企業が取り組むべきメンタルヘルス対策について、より具体的にみていきましょう。

職場環境の把握と改善

職場環境はメンタルヘルスに大きく影響するため、必要に応じて改善する必要があります。
メンタルヘルス不調は、労働環境や人間関係などさまざまな要因によって引き起こされるため、問題点を多角的に把握することが重要です。

特に、上司からのセクハラ・パワハラによってメンタル不調に陥る労働者が近年増加しています。
ハラスメントについては、職場の巡視や労働者からのヒアリング、相談窓口の設置などによって早期に発見・是正できる可能性があります。

また、把握した問題点に対して改善策を講じる必要があります。例えば、以下のような措置が考えられます。

  • 人事異動:職場の人間関係に問題がある場合
  • 労働時間の短縮や仕事量の調整:長時間労働が原因の場合
  • オフィスの改装:室温や設備、衛生面に問題がある場合

メンタルヘルスケアの教育研修・情報提供

メンタルヘルスケアの知識や重要性について、社内に周知する必要があります。具体的には、教育研修を実施したり、定期的に情報提供を行ったりするのが一般的です。
また、社内におけるメンタルヘルスケアの方針を明確にすることも重要でしょう。

これにより、労働者のメンタルヘルスに対する意識が向上し、心身の不調を未然に防ぐことができます。これは、企業規模にかかわらず導入しやすい方法なので、積極的に実施すると良いでしょう。

なお、メンタルヘルスに関する教育・研修については、一般社員・管理監督者・産業保健スタッフなど、それぞれの立場に合った内容を提供する必要があります。

さらに、教育・周知の実効性を高めるため、担当者を指定し、専門性を身につけられるように養成していくことも重要です。

産業医・産業保健スタッフとの連携

産業医とは、職場において労働者が健康で快適に働けるよう、専門的立場からアドバイスを行う医師のことです。また、産業保健スタッフとは、産業医・衛生管理者・保健師など労働者のメンタルヘルスケアにかかわる専門家の総称をいいます。

産業医の主な業務には、メンタルヘルス不調を抱える労働者との面談社内研修の企画・実施健康診断結果の管理などがあります。職場のメンタルヘルスケアを総括する立場といえるでしょう。

なお、常時50人以上の者を雇用する事業場では、産業医を選任することが義務付けられています。選任を怠った場合、罰則の対象となるため注意しましょう。

 

産業医の役割についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

産業医の選任|必要人数とペナルティ

ストレスチェック制度の導入

ストレスチェック制度とは、労働者が現在どれほどのストレスを抱えているのかを調べ、適切な措置を行うための制度です。

労働者が50人以上いる事業所では、年1回、すべての労働者に対してストレスチェックを実施することが義務付けられています(労働安全衛生法66条)。
調査によって高ストレスと診断され、申し出を行った労働者に対しては、産業医による面接指導を実施しなければなりません。

ただし、面接指導の申し出を行う労働者は少ないため、積極的に面接指導を受けるように促す必要があるでしょう。

ストレスチェック制度について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ストレスチェック制度とは|実施義務や流れについて

復職支援体制の整備

休職者が安心して職場復帰できるようにするために、復帰支援プログラムを策定することが望ましいといえます。
具体的なプログラムの内容としては、休職から復帰までの流れ復帰後の措置などを明確に定め、就業規則や教育研修によって労働者へ周知することが考えられます。

なお、復帰支援プログラムの内容は、労働者の具体的状況に応じて個別に決める必要があります。
例えば、メンタルヘルス不調の原因が過重労働であれば「労働時間の短縮」、職場の人間関係にあれば「人事異動」といったように、それぞれに応じ、適切な措置を講じる必要があるためです。

関係者からヒアリングをしたうえで、産業医の判断を仰ぎながら、どのような措置をとるか決定するのが望ましいでしょう。

また、復帰後の措置としては、「リハビリ出勤」も効果的です。詳しくは以下のページをご覧ください。

従業員の復職を支援する「リハビリ出勤制度」

メンタルヘルス問題に対応した就業規則の整備

メンタルヘルス問題に対する措置について、就業規則で明確に定めておくことが重要です。

例えば、これに関連する規定として「休職規定」や「解雇規定」などが挙げられます。それぞれの規定の対象者や対象期間、適用される条件などを具体的に定めておきましょう。

これらを就業規則で明示することで、メンタルヘルス不調を抱える労働者とのトラブルを未然に防ぎ、企業は適切な対応をとることが可能となります。規定がないにもかかわらず、メンタルヘルス不調を抱えた労働者を解雇した場合、違法な解雇と判断される可能性もあるため注意が必要です。

就業規則において、どのような規定がメンタルヘルス問題と関連するのかについて、以下で詳しく見ていきましょう。

「休職」に関する規定

休職制度を設ける場合、以下のような項目について具体的に定める必要があります。

  • 対象者の範囲
  • 休職期間
  • 休職期間中の賃金
  • 休職期間を勤続年数にカウントするか
  • 休職期間満了時の取扱い
  • 復帰時の手続き

また、復帰のタイミングについては、産業医の意見を踏まえて判断しなければなりません。

もっとも、面談だけでこれらを判断するのは難しいため、休職中に診察していた主治医の診断書も確認する必要があると考えられます。
そのため、休職規定には、「病状の報告義務」や「本人の協力を要請する場合があること」なども盛り込むのが望ましいといえます。

休職制度について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

休職制度と休職規定

「解雇」に関する規定

メンタル不調を理由に解雇する場合、就業規則の「解雇事由」にその旨を明示しておくことが必要です。規定がないまま解雇すると、解雇権の濫用として無効になるおそれがあるためです。

また、解雇の対象者は、「回復の見込みがない者」とするのが一般的です。回復の見込みがあるのに解雇した場合も、解雇権の濫用とみなされるおそれがあるため注意が必要です。

特に、メンタルヘルス不調の原因が職場環境にある場合(ハラスメントなど)、解雇が認められない可能性があります。

なお、労働者を解雇する際は、解雇日の30日前までにその旨を本人へ通知する必要があります(解雇予告)。十分な期間を空けずに解雇した場合、不足日数と給与額に応じた「解雇予告手当」をしなければなりません。

その他、解雇が認められるには“正当な事由”が必要なため、慎重な判断が求められます。
詳しくは以下のページをご覧ください。

正当な解雇事由とは

メンタルヘルス対策に取り組む際の注意点

メンタルヘルスケアにおける注意点について、以下で解説します。

安全配慮義務違反による損害賠償請求

メンタルヘルス不調によって労働者が病気等を発症し、その原因が職場環境にある場合、労働者から損害賠償請求されるおそれがあります。

これは、企業が負う「安全配慮義務」に基づくものです。安全配慮義務とは、労働者が健康で安全に働けるような職場づくりに努めなければならないという義務で、違反した企業は損害賠償義務を負うこともあります。

例えば、以下のようなケースでは特に注意が必要です。

  • セクハラやパワハラを放置した
  • 長時間労働を是正しなかった
  • 室温や衛生面など、劣悪な作業環境を改善しなかった

安全配慮義務に違反すると、労災に認定されるおそれもあり、企業イメージの低下にもつながるリスクがあります。

労災の認定要件や企業の損害賠償責任については、以下のページでも詳しく解説しています。

メンタルヘルス問題と使用者の損害賠償責任
メンタルヘルスと労災

プライバシーへの配慮

メンタルヘルスに関する情報はセンシティブかつ重要な個人情報にあたるため、慎重に取り扱うことが重要です。

例えば、労働者のメンタルヘルスに関する情報を取得する際は、必ず本人の同意を得ることが必要です。また、提出された診断書の内容について、主治医に話を聞く際も、本人の同意が必要となる点にも注意が必要です。
さらに、メンタルヘルスに関する情報を第三者(産業医など)に開示する場合、本人の同意なく行うことは個人情報保護法違反に当たるおそれもあるため注意が必要です。

ただし、労働者が情報の取得・開示に承諾してくれるとは限りません。スムーズに手続きができるよう、就業規則では「労働者の協力義務」についても定めておくと安心です。
また、後のトラブルを避けるため、同意は書面上で得ることをおすすめします。

ちょこっと人事労務

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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