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労働協約の規範的効力 規範的効力を生ずる範囲

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

労働協約の規範的効力とは、使用者が労働協約で定めた基準を労働契約で定めた基準に優先して遵守しなければならないというものです。労働契約に定めがない部分は、労働協約の定めにより補充されます。本ページでは規範的効力が生ずる範囲について説明します。

規範的効力が生じる事項

労働協約の規範的効力が生じる部分は、「労働条件その他の労働者の待遇に関する基準」です。具体的には、労働時間、休日、休暇、賃金、退職金、安全衛生、災害補償、異動、昇進、賞罰、福利厚生などを定めた部分が規範的部分に当たります。

労働条件のその他の労働者の待遇に関する基準

労働組合法第16条は「労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。」と定めています。すなわち、使用者が個々の労働者との間で労働条件や待遇に関する基準を合意しても、その内容が労働協約に反するものであれば、当該労働契約の違反部分は無効となります。

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「労働条件その他の労働者の待遇」について

労働協約の規範的効力が生じる部分は「労働条件その他の労働者の待遇」であるところ、「労働条件その他の労働者の待遇」とは、労働時間、休憩、休日、休暇、賃金、退職金、賞与、安全衛生、災害補償、異動、昇進、配転、解雇、定年制、教育訓練、福利厚生等をいいます。

留意点

労働協約の規範的効力は、労働契約成立後の契約内容を規律するものですので、労働契約成立前の「採用」に関する労働協約は、規範的効力を有しません。採用に関しては、契約自由の原則を踏まえて、採用の事由が認められています。

「基準」について

「基準」とは、個別的労働契約における労働条件その他の労働者の待遇に関する具体的で客観的な準則といいます。すなわち、「時間外労働の削減に努める」等の努力義務は基準とはいえません。一方で、労働者の個人的な利害を超える事項(例えば、共同施設の利用方法等)については、具体的かつ客観的な定めである以上は、「基準」に該当します。

特定の労働者の処遇と取り扱いについて

不特定多数の労働者の処遇に関する準則ではなく。特定の労働者の処遇に関する具体的な取扱いは「基準」といえるか、すなわち労働協約となるかについて、解釈はわかれるものの、全体的な協約の中で他の規定との関連で定められた規定である場合には、労働協約の「基準」と同程度の効力を持たせてよいものと考えられます。

具体例と問題点

解雇するに当たり、組合との事前協議等を要件とする条項が、「基準」に該当するか、すなわち、事前協議等は「労働者の待遇」に関する「手続」であり「基準」ではないので、事前協議を要せずに解雇したとしても解雇は無効とならないのではないかという点が問題となります。

問題点

この点について、学説・判例の大勢は、協議条項等も「待遇に関する基準」に該当するもの、又はこれに準じるものとして、規範的効力を認め、条項違反の解雇を無効としています。

裁判例

裁判例においては、「従業員に対する解雇について、同人らの加入する労働組合との間で十分に協議を行ったとはいえず、労働協約上の事前協議条項に違反して無効である」とされた事例(水戸地裁下妻支平15.6.16労判855号70頁)や、労働協約違反にならないとされたものとして、会社が極度の経営不振に陥り企業倒壊の寸前に追い込まれたため、企業の再建の方策として人員整理を含む新たな経営方針を樹立し、労働協約条項に基づき組合側と協議を重ねたが、組合側があくまでも人員整理の方針に反対し協議に応じないとする態度を固執したため、協議の続行を断念せざるを得なかった場合には、協議を断念して解雇をしても労働協約の定めに違反するものではない(最判昭29.1.21民集8巻1号123頁)とされたものがあります。

規範的効力の人的範囲

労働協約は、原則として労働協約を締結した労働組合の組合員にのみ適用されます。しかし、一定の要件を満たした多数労働者の組織する労働組合が締結した労働協約は、組合員以外の労働者にも自動的に拡張して適用されます(労働組合法第17条)。

労働協約 労働協約の規範的効力
ちょこっと人事労務

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この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

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