初回1時間電話・来所法律相談無料

0120-630-807

会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません 会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません

人事・労務・労働問題を法律事務所へ相談するなら会社側・経営者側専門の弁護士法人ALGへ

管理監督者

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 家永 勲

監修弁護士 家永 勲弁護士法人ALG&Associates 執行役員

管理監督者は、部下への指示や経営方針の決定において重要な役割を担っています。そのため、労務管理でも一般労働者と区別され、特別な規定が設けられています。

ただし、管理監督者に明確な定義はなく、労働状況を踏まえて個別的に判断する必要があります。判断を誤ると法律違反となり、様々な労働トラブルを招くおそれがあるため注意が必要です。

本記事では、管理監督者の判断基準や特殊なルールについて詳しく解説していきます。適切な労務管理を行うためにも、ぜひご確認ください。

管理監督者について

管理監督者とは、企業で重要な地位・権限を有し、経営者と密接な立場にある労働者をいいます。例えば、部署の決裁権を統括する者や、経営方針に対する発言権を持つ者などが挙げられます。

また、管理監督者は、法的には監督や管理の地位にある者をいい、労働基準法における労働時間・休憩・休日に関する規定が適用されません(同法41条2号)。

つまり、自らの裁量で労働時間や業務量を調整でき、残業時間や割増賃金についても一般労働者とは異なる取扱いがなされます。

もっとも、管理的な立場にある者すべてが管理監督者になるわけではありません。労働基準法上の管理監督者にあたるかは、以下の判断基準を踏まえて判断されます。

管理監督者の判断基準

管理監督者にあたるかどうかは、当該労働者の職務内容・権限・勤務態様等の実態に即して判断されます。これらを総合的に考慮し、経営者と密接な立場にある者が管理監督者となります。決して役職名や肩書だけで判断されるものではないため注意しましょう。

管理監督者の具体的な判断基準は、以下のようなものです。

  • 重要な職務内容を有していること
  • 重要な責任と権限を有していること
  • 労働時間等の規制になじまない勤務実態であること
  • 地位にふさわしい待遇がなされていること

では、それぞれの基準について詳しくみていきましょう。

重要な職務内容を有していること

労働条件の決定や労務管理について、経営者と同等の職務を行っている必要があります。また、労働基準法で定められた労働時間では遂行できない、重要な職務を担っていることも必要です。具体的には、

  • 経営者会議に参加し、経営方針について発言できる
  • 経営方針に基づき、部署の予算や部下の労働時間を管理している
  • 解雇や採用、人事考課等の人事権を有している

など、企業の経営に関わることがポイントです。
したがって、経営者からの指示を受け、一部の管理業務を担うだけでは管理監督者となりません。例えば、店舗のマネージャー等の役職者でも、企業経営には関与せず、アルバイトと同様の業務を行っている場合、管理監督者にはあたりません。

重要な責任と権限を有していること

経営者から、労務管理や部署の方針決定について権限を委ねられている必要があります。また、権限行使によって生じた結果に対し、相応の責任も負うことになります。例えば、

  • 採用面接の判断を下す権限を有する
  • 部下の賃金や人員配置を決定する権限がある
  • 予算や費用の管理を一任されている

など特別な権限を有していることが必要です。
一方、部下に業務内容を指示する立場でも、上司の決裁が必要だったり、決定権限が他部署(経理部や人事部など)にあったりする場合、管理監督者にはあたりません。

また、そもそも部下がいない場合も、労務管理や人事について十分な権限がないため、管理監督者とはなりません。

労働時間等の規制になじまない勤務実態であること

勤務形態について、会社から拘束されないことが必要です。具体的には、1日の労働時間や業務量を、自らの裁量で決定できるかがポイントとなります。

なぜなら、管理監督者はいつ何時も経営上の判断を求められる立場にあり、労務管理も一般労働者とは区別すべきだからです。勤務形態の具体例としては、以下のようなものです。

  • 就業規則で定められた始業・終業時刻に拘束されず、出退勤時刻を自由に決定できる
  • 就業規則上の所定労働時間に拘束されず、自らの裁量で労働時間を決定できる
  • 業務量を自由にコントロールできる

したがって、管理監督者は、賃金の遅刻・早退・欠勤控除も受けないのが基本です。
一方、残業や業務量の調整に上司の許可が必要な場合、管理監督者とはいえないでしょう。

もっとも、自由裁量だからといって、無闇に遅刻や早退が許されるわけではありません。自由裁量は管理監督者としての役割を果たしたうえで認められるので、自身の業務や部下の管理はしっかり遂行する必要があります。

地位にふさわしい待遇がなされていること

管理監督者は経営者と同等の立場にあるため、それ相応の待遇を受けるべきといえます。したがって、一般労働者よりも高額な賃金(基本給・賞与)や手当を支給する必要があります。

なお、管理監督者は就業規則上の所定労働時間に拘束されないため、残業代が支給されないという特徴があります。

しかし、「残業代がないことで給与の総額が下がった」という場合、管理監督者とは認められない可能性が高いです。つまり、役職手当や昇給の額がそれまでの残業代を下回る場合、管理監督者性が否定されやすいといえます。

また、長時間労働を強いられた結果、時間単価が一般労働者を下回るような場合も、管理監督者性が否定される可能性があります。

管理監督者の労働時間・有給休暇

管理監督者は、労働基準法上の労働時間・休憩・休日に関する規定が適用されません(同法41条2号)。
よって、時間外労働の上限がなく、残業代も支給されないのが基本です。また、勤務中に休憩を取得させなくても違法となりません。

さらに、管理監督者には休日という概念がないため、休日出勤手当や振替休日も付与する必要がありません(よって、36協定も適用対象外となります)。

 

ただし、管理監督者を際限なく働かせて良いわけではありません。健康状態や労働時間など一定の管理は必要ですので、注意しましょう。

また、管理監督者でも、深夜労働と有給休暇の規定は適用されます。したがって、22時~5時の間に勤務した場合には割増賃金を支給しなければなりません。また、勤務日数に応じた有給休暇を付与するとともに、年5日の有給休暇取得が義務付けられています。

 

なお、労働基準法の適用を受けない労働者として、機密事務取扱者監視・断続的労働従事者も定められています。

変形労働時間制・フレックスタイム制等の適用除外

労働時間の制約を受けない管理監督者は、変形労働制やフレックスタイム制も適用対象外となります。

変形労働制とは、労働時間を1日ではなく月・年・週単位で計算し、繁忙期や閑散期に合わせて労働時間を調整する制度です。
また、フレックスタイム制も変形労働制のひとつといえます。法定労働時間を超えない範囲で、労働者が始業・終業時刻や労働時間を自由に決定できる制度です。

これらの規定が管理監督者に適用されない旨は、労働基準法41条2号に明記されています。

就業規則における労働時間等の規定の適用除外

管理監督者は、就業規則における労働時間・休憩・休日の規定も適用されません(労働基準法の定めが適用されないため)。
ただし、適用除外となるのはこの3項目のみであり、就業規則のその他の規定については一般労働者と同様に適用されます。

そこで、労働者が誤って認識しないよう、就業規則の文言を整えることをおすすめします。
具体的には、まず管理監督者の範囲を明確化する必要があります。部長・マネージャーなど、職位名を列挙すると良いでしょう。それと同時に、「管理監督者には、〇章に定める労働時間・休憩・休日の規定は適用しない」との文言を付記するのがポイントです。

その他、管理監督者に支給される手当の種類や金額等も併せて記載すると良いでしょう。

管理監督者は過半数代表者にはなれない

管理監督者は、労働者の過半数代表者になることができません(労基則6条の2第1号)。
過半数代表者は、労働組合がない場合に、労働者を代表して労使協定を締結する役割を担っています。
限りなく使用者に近い管理監督者が過半数代表者になると、労使間の公平が維持できないおそれがあるため、候補者から除外されています。

ただし、過半数代表者の決定においては、管理監督者も投票・発言することが可能です。誰を過半数代表者として選任するかは、その事業場で働くすべての労働者の意思を踏まえて判断すべきだからです。

管理職と管理監督者

管理職という肩書があっても、管理監督者にあたるとは限りません。管理監督者にあたるかは、職務内容等を踏まえて実質的に判断されるためです。

したがって、管理職やマネージャー、店長など統括的な立場でも、管理監督者の要件を満たさない場合は一般労働者と同様の取扱いが必要となります。例えば、時間外労働の上限を超えて働かせたり、残業代や休日労働手当を支払わなかったりすると、違法になるため注意が必要です。

これは名ばかり管理職問題といわれ、裁判に発展するケースも珍しくありません。
労働者が「自身は管理監督者にあたらない」と主張し、未払い残業代を請求してくる可能性があるため、管理監督者の判断は慎重に行いましょう。

管理監督者への安全配慮

労働時間の制約がない管理監督者は、長時間労働が常態化しやすいといえます。
しかし、管理監督者にいたっても、健康障害が生じないよう適切な措置を講じる必要があります。具体的には、企業は以下のような義務を負っています。

  • 安全配慮義務:労働者が安全に働けるよう、快適な職場環境を整備する義務(労契法5条)
  • 健康管理に関する義務:長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェック、産業医との連携強化など(労安衛法)

これらの規定は管理監督者にも適用されますので、一般労働者と同様の対応が求められます。

労働安全衛生法の改正による労働時間の把握義務

2019年4月の働き方改革では、労働安全衛生法(労安衛法)も改正されました。
改正労安衛法では、それまで見過ごされてきた管理監督者の労働時間把握も義務付けられることとなりました。
かつて、労働時間の把握が必要なのは割増賃金(残業代)の支給対象者のみでしたが、把握対象を拡大することにより、労働者の健康管理の厳格化が図られています。

また、労働時間については、客観的な方法で把握する必要があります。具体的には、タイムカードの打刻履歴、パソコンのログインからログアウトまでの時間等によって把握することができます。

なお、これらの記録は3年間保管することが義務付けられているため、きちんと整理しておきましょう。

働き方改革による法改正の内容は、以下のページで詳しく解説しています。

労働安全衛生法の改正要点

違反時の罰則

管理監督者は、労働時間や休日労働について制約を受けませんが、その他の規定に違反すれば罰則の対象となります。

例えば、管理監督者に有給休暇を与えない場合や、深夜残業の割増賃金を支払わない場合、事業主は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられます(労基法119条柱書及び第1号)。

また、年5日以上の有給休暇を取得させない場合、30万円以下の罰金が科せられます(労基法120条柱書及び第1号)。

企業の様々な人事・労務問題は弁護士へ

企業側人事労務に関するご相談 初回1時間 電話・来所法律相談無料

会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません

0120-630-807

受付時間:平日 10:00~20:00 / 土日祝 10:00~18:30

0120-630-807タップで電話開始

平日 10:00~20:00 / 土日祝 10:00~18:30

※初回1時間無料、1時間以降は30分毎に5,000円(税込5,500円)の有料相談になります。 ※30分未満の延長でも5,000円(税込5,500円)が発生いたします。 ※相談内容によっては有料相談となる場合があります。

この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 東京法律事務所執行役員 弁護士家永 勲 保有資格弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

労働法務記事検索

労働分野のコラム・ニューズレター・基礎知識について、こちらから検索することができます