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試用期間中であることが不明確な従業員に対する解雇又は本採用拒否の可否

事例内容 相談事例
雇用 試用期間満了
人事 試用期間
担当した事務所 東京法律事務所

概要

相談会社は、勤務態度不良かつ能力不足の従業員につき、試用期間(最大1年間)の延長で対応していたものの、当該従業員の進歩が見られなかったので当該従業員との労働契約関係を終了させようとしていました。

もっとも、試用期間の延長を通知する際の手続が十分でなく、試用期間中か否かについて労使間に若干認識の齟齬がありました。

そのため、相談会社は、試用期間延長が認められなかった場合のリスクに備え、正社員としての本採用があった前提で普通解雇を検討されていました。

弁護士方針・弁護士対応

普通解雇と試用期間満了時の本採用拒否を比較した場合、法律及び裁判実務上、前者の方が有効と認められる要件が厳格です。

そこで、会社の認識を前提として、試用期間継続を前提とする本採用拒否として取り扱えないか検討しました。

試用期間の延長は、就業規則の規定に基づく場合には、会社の人事権としての行為として会社が一方的に行うことができるとも考えられます。延長に関する手続が不十分だったことが懸念された本件においては、当該従業員自身が試用期間中であると認識しているか否かを確認することが重要であると考えました。

そこで、会社には、まずは、当該従業員自身がどういう認識にあるのかを明確にするよう助言しました。

また、本採用拒否を行う場合であっても、会社が完全に自由にできるわけではなく、試用期間中の業務成果などを踏まえた合理的な理由が求められます。

会社では、従業員に対する能力審査に合格することが正社員本採用の要件となっていました。

そこで、能力審査で当該従業員を評価する際には、人事権の濫用とならぬよう、客観性の高い指標を基準とするよう助言しました。

結果

今回のご相談では、会社としては、試用期間を延長しているという認識であり、労働者の認識を確認することで、本採用拒否という方法を選択する余地が残っていました。

会社が労働者との契約関係を終了させる際には、様々な面に配慮し、慎重に判断する必要がありますが、労働法を遵守しつつ会社の意向に沿う助言ができた一例であると思います。

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