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解雇の有効性が危ぶまれる場合の対応

事例内容 解決事例
雇用 労働契約の終了
ハラスメント パワハラ
問題社員 懲戒解雇
担当した事務所 ALG 東京法律事務所
結果
  • 【依頼前・初回請求額】解雇無効の主張
  • 【依頼後・終了時】退職合意

事案の概要

私は、小さな工場を経営していますが、当工場には、些細なことで「ハラスメント」を申し出る若い従業員(以下「問題社員」)がいます。
ある日、問題社員が、危険な作業をしている際、不注意で事故を起こしそうになりました。
幸いにも問題社員に大きな怪我はありませんでしたが、もう少しで大事故につながるところでしたので、問題社員の指導担当は、問題社員に強く指導をしたようです。
後日、問題社員は、「指導担当に怪我させられた」といって、私に打撲傷の診断書をもってきました。私が指導担当に確認したところ、指導担当は、「強く指導はしたが、叩いたりはしていない」と言っており、双方の言い分が食い違っていました。
私は、普段の行いから問題社員が信用できないものと思い、具体的に事情を聞き取っていると、問題社員が怒り出し、「そんなことなら解雇してください」と言い出したので、売り言葉に買い言葉で、「じゃあ解雇だ」と言ってしまいました。

その後、問題社員は出社しなくなりましたが、出社しなくなって2カ月が経とうとする頃、問題社員の代理人弁護士から通知が届き、その通知には、私が「不当解雇」したとして、問題社員の復職と、復職までの給料及びハラスメントに対する慰謝料を支払えと記載されていました。

正直、問題社員は復職をしたいとは思っていないと思うのですが、どのように対応すべきなのでしょうか。
また、問題社員が請求する金銭を支払うべきなのでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

ご相談の内容からは、解雇が有効であると評価することは難しいものと考えました。
しかしながら、解雇に至る経緯や実際に代理人弁護士から通知が来た時期を踏まえると、問題社員が復職を求めていることが真意ではない可能性があることも考慮しつつも、復職の準備を整えたうえで、解雇を撤回したうえで出社命令をしました。
なお、復職までの給料や慰謝料については、自ら解雇することを求めた経緯を指摘するなどして、ひとまず支払いを拒みつつも、復職を前提とした建設的な協議を申し出ました。

解決結果

結局、問題社員は、出社命令をした出社日に出社してきませんでした。
そこで、その日以降は無断欠勤と取り扱い、このままでは懲戒解雇せざるを得ないことを申し向けつつ、復職前提の協議を粘り強く申し向けたところ、問題社員の代理人弁護士から、問題社員は「転職した」と連絡があり、事実上、問題社員の退職を達成することができました(金銭請求もされなくなりました。)。

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