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定年後再雇用従業員の扱いについて

事例内容 相談事例
雇用 定年 有期雇用
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

弊社では定年を60歳に定めているのですが、希望者については65歳まで再雇用社員として雇用を行う体制を現在とっています。契約形態としては、1年毎に有期雇用契約を更新するという形をとっています。今般、再雇用社員の範囲を拡大して、70歳まで再雇用社員として雇用が継続できるように制度変更することを検討しています。

ただ、有期雇用期間が5年を超えた場合、雇用期間を無期にするように申入れができる権利が従業員に付与されると聞いています。そうすると、弊社としては70歳まで社員を再雇用するつもりでも、場合によっては再雇用社員を終身で雇用しなければならなくなるのでしょうか。

弊社としては、1年毎に再雇用社員の雇用継続の可否を検討したいのですが、何か良い方法はないでしょうか。

弁護士方針・弁護士対応

貴社のお見込みどおり、同一の使用者との間で結ばれた有期雇用契約の期間が通算5年を超えた有期雇用労働者については、無期雇用契約に転換するよう申込みを行う権利を得ることとなります(労働契約法第18条第1項)。この定めは、再雇用社員についても適用されるため、60歳から通算5年を超えて有期で雇用されている再雇用社員は、無期雇用転換申込権を得ることとなります。

貴社として、再雇用社員の雇用年齢を70歳限りとしたいということであれば、第二定年制(65歳以上の社員を対象とした定年制)を設けることも一つの方法です。しかし、第二定年制を設けた場合、雇用上限を70歳までとすることはできますが、無期雇用転換申込権を行使した社員については、70歳まで無期雇用として扱うこととなります。そうしますと、1年毎に再雇用継続の可否を検討することはできません。貴社の雇用実態として、再雇用社員については全員が上限年齢まで契約更新されているということであれば、問題ございませんが、そうでない場合には硬直的な人事制度とならざるを得ません。

そこで、貴社としては、有期雇用特別措置法に基づく継続雇用の高齢者の特例申請(第二種計画認定申請)を行うことが推奨されます。同制度は、労働契約法の定めにかかわらず、再雇用社員について5年を超えて雇用を継続したとしても、無期雇用転換申込権が発生しない扱いとすることが認められる制度となります。同制度を活用されるのであれば、貴社の「1年毎に再雇用社員の雇用継続の可否を検討したい」という要望を充たすことができると思料いたします。

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