初回1時間 来所・zoom相談無料

0120-630-807

会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません 会社・経営者側専門となりますので労働者側のご相談は受付けておりません

人事・労務・労働問題を法律事務所へ相談するなら会社側・経営者側専門の弁護士法人ALGへ

在籍出向における出向料と人件費の差額について

事例内容 相談事例
人事 在籍出向 減給
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

相談内容

在籍出向において、出向料と人件費との間に差額(利益)が生じてしまっているが、職業安定法第44条に抵触しないか。

前提となる法制度・助言内容

前提として出向が、職業安定法44条により原則として禁止されている「労働者供給事業」に該当しないことが必要です。
労働者供給とは、「契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させる」(職業安定法第4条第6項)ことをいい、これを業として行った場合には、労働者供給事業として規制の対象となると考えられています。
もっとも、①関係会社において雇用機会を確保する、②経営指導、技術指導を実施する、③職業能力開発の一環として行う、④企業グループ内の人事交流の一環として行う等の目的を持ち、繰り返し行われたとしても、社会通念上「業として行われている」と判断されるものは少ないとされています。しかし、出向の目的が、上記①から④にあたる場合でも、自己の雇用する労働者を出向させることより出向元が利益を得ている場合には、当該出向は「業として行われている」と評価され、職業安定法44条に違反すると判断される可能性があります。そして、当該出向が、業として行われたものといえるか否かは、当該出向の反復継続性の有無や出向元が得た利益の程度等の事情によって判断されるものと考えられています。

本件では、貴社に毎月差額が生じていることからすると、出向の目的が記①から④にあたるとしても、職業安定法44条に違反すると判断される可能性を完全に否定することはできないものと思われます。この点、反復継続的に行っているものではないこと(ex.差額が生じる態様での出向は本件以外にしていない、今後する予定もない等)を示せる場合や、生じている差額について、実質的にみれば貴社が利益を得ているものではないという合理的な説明(ex.出向元においての事務処理のために人件費が増加していることからすれば実質的には利益は生じていない等)ができる場合、職業安定法44条違反とされるリスクを低下させることができるものと思われます。そのため、貴社においては上記事項を調査したうえ、合理的な説明ができない部分については削減する(出向料を減額する)といった措置を採ることが望ましいものと思料します。

この事例に関連するタグ

知りたい事例に当てはまる条件を選択

条件にチェックをいれてください(複数選択できます)

事例内容
雇用

人事

労働

ハラスメント

休暇

求職・復職

就業規則

問題社員

安全衛生

労働組合・団体交渉

その他

担当した事務所
労働法務記事検索

労働分野のコラム・ニューズレター・基礎知識について、こちらから検索することができます