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勤務時間中に居眠りをしている労働者への対応

事例内容 相談事例
雇用 普通解雇 退職勧奨
問題社員 懲戒解雇
担当した事務所 ALG 東京法律事務所

事案の概要

まつげサロンを営んでおりますが、従業員の一人が待機時間中にずっと居眠りをしており、店舗内の清掃・SNS管理、ゴミ捨て等の雑務を行ってくれません。

待機時間は1日に4、5時間程度あるので、その間ずっと寝ていると、他の従業員の士気にも悪影響があります。注意するとその時だけは直るのですが、また数日経つと元に戻ってしまいます。

待機時間の間に何をすべきかといったことを明らかにした規則や内規といったものはないのですが、従業員として最低限やるべきことがあるはずです。

また、休憩時間については、当初は1時間を確保していたものの、最近では休憩時間を設けず、その分早く帰るといった運用としています。それでも、待機時間は1時間以上あります。

このまま雇い続けることは難しいので、何とか退職させたいのですが、どのようにすればいいのでしょうか。なお、就業規則はありません。

弁護士方針・弁護士対応

従業員の退職については、大きく分けて解雇と合意退職があります。

解雇のうち、懲戒解雇については、就業規則等にあらかじめ定めておかないといけない手続となりますので、就業規則のない今回のケースでは、採用できない方法となります。

また、普通解雇についても、労務提供義務の不履行を理由とすることになりますが、解雇に客観的な合理的理由があり、社会通念上の相当性があることが必要となりますが、待機時間中に行うべき業務を明確に定めているわけではない状況では、いかなる業務を行わなかったことを問題視するのか特定ができず、居眠りをしていることのみでは、解雇が有効にはなり難いと考えられます。

そのため、本件のケースでは、退職勧奨をして合意退職を目指すか、もしくは長期戦にはなるものの具体的な業務を命じるようにしたうえで、業務命令違反等の事実を積み上げて解雇を目指す方針をとる方法が考えられます。

業務命令違反の事実を積み上げる方針をとるのであれば、現状では待機時間の扱いが定まっていないので、店舗として待機時間中に何をする必要があるのかを明確にルール化するか、待機時間中に具体的な業務命令を行う必要があると考えられます。

待機時間にすべきことが具体的になれば、居眠りをしているわけにはいきませんので、業務命令に違反した場合には厳しく処分するという方針をとりましょう。

そのうえで、当該ルールや業務命令に違反した場合には、職務専念義務違反の事実を書面など形に残る方法で指摘して交付し、改善の機会を与えたうえで、それでもなお改善しなかったという証拠を集めていきましょう。

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