事例内容 | 相談事例 |
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雇用 | 試用期間満了 |
人事 | 試用期間 |
求職・復職 | 休職 |
担当した事務所 | ALG 東京法律事務所 |
相談内容
先日、2週間くらい前から欠勤が続いていた現在試用期間中の社員から、弁護士名義の通知書が届きました。通知書の内容としては、精神疾患を患ってしまったため、休職手続を進めて欲しいという内容です。
ところが、会社で調べたところ当該社員が転職サイトに登録して転職活動を進めていたことが発覚しました。
会社としては、このような社員の雇用を続けること自体が望ましくないと考えており、試用期間途中で解雇したいと考えています。法的なリスクを回避した形で試用期間中に当該社員を解雇することはできないでしょうか。
なお、現在当該社員は入社後2ヶ月目であり、弊社の試用期間は6ヶ月と定められています。
前提となる法制度・助言内容
結論から申し上げると、貴社就業規則において試用期間が6ヶ月と定められており、その期間満了前に本採用拒否を行うことは法的な観点からは極めてリスクが高いと考えられます。
そもそも、試用期間は従業員の業務遂行能力を判断するための期間であり、その期間が十分に経過していない中で会社から一方的に従業員を解雇(本採用拒否)することとは、解雇の有効性が認められないリスクが極めて高いと考えられます。
また、転職活動それ自体は業務時間外に行う限りであれば、職務専念義務に抵触する可能性は低い上、労働者側の職業選択の自由の一つとして、必ずしも直ちに法的に糾弾されるべき事柄ではないとも考えられるところです。
そのため、転職活動をしていた事実についての議論はともかくとして、精神疾患による就労不能という事情に鑑みて、会社からの一方的意思表示として本採用拒否を行うにしても、せめて試用期間満了時のタイミングになるかと存じます。
仮に、試用期間途中で当該社員との雇用契約を解消(解雇)したいということであれば、合意退職を目指すほかないと思われます。
場合によっては、社員側からの反発を招き、法的紛争に発展するリスクは否定できませんが、社員の代理人弁護士に対して、現状このままでは業務能力・適性等を査定した結果として、試用期間満了時に本採用拒否になる可能性を示し、試用期間途中での合意退職を持ちかけることも一案かと考えられます。
なお、試用期間中のように就労期間が短い労働者については、休職の対象外としておくことも検討に値します。
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