事例内容 | 相談事例 |
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求職・復職 | 育児休業 介護休業 |
担当した事務所 | ALG 東京法律事務所 |
相談内容
育児介護休業法の改正により、令和7年10月1日から「柔軟な働き方を実現するための措置等」が事業者の義務となるところ、当社においては、従来から所定労働時間を8時間から6時間とする時短勤務の制度があったため、これに加えて、令和7年4月1日より、始業時間または就業時間の繰上げ繰下げの制度を新設することとなりました。
ここで、アルバイト社員については、所定労働時間がもともと6時間であるため、アルバイト社員が利用できる制度は、始業時間または就業時間の繰上げ繰下げの制度となることとなると考えられます。
しかし、アルバイト社員については、始業時間を早めたとしても、行ってもらう業務がないため、始業時間の繰上げを認めることができないこととなってしまい、そうすると、アルバイト社員において現実に利用できる措置がないこととなってしまいます。
このような場合に、「柔軟な働き方を実現するための措置等」の義務が果たされていないと判断されてしまうのでしょうか。
前提となる法制度・助言内容
厚生労働省の公表している「令和6年改正育児・介護休業法に関する Q&A」のQ2-5に対する回答によると、「労働者の職種や配置等から利用できないことがあらかじめ想定できるものを措置とすることは、事業主が措置義務を果たしたことにはなりません。」とされています。
そうすると、会社において、始業時間の繰上げ・繰下げの措置を導入したとしても、アルバイト社員がこれを実際に利用できないことが現実として想定される場合には、事業者において措置義務を果たしていないと判断される可能性が高いものと考えられ、始業時間の繰上げ・繰下げ以外の措置を設けることが必要となると考えられます。
また、現状、相談者においては、所定労働時間を8時間から6時間とすることができる措置を取っているとのことですが、アルバイト社員などの所定労働時間が6時間以下の労働者については、当該措置が利用できないこととなるため、アルバイト社員などの労働者においても時短が利用できる措置(所定労働時間を6時間から5時間とする等)をすることが必要となると考えられます(厚生労働省「令和6年改正育児・介護休業法に関する Q&A」Q2-7-2参照)。
なお、前述のQ&AのQ2-4によると、「柔軟な働き方を実現するための措置」を企業単位で2つ措置するのではなく、業務の性質又は業務の実施体制に照らして、事業所単位や事業所内のライン単位、職種ごとに措置を講じることも可能とされているため、必要に応じて、事業所ごとに措置内容を設けることも1つの対応策として考えられます。
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