事例内容 | 相談事例 |
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雇用 | 雇止め |
担当した事務所 | ALG 東京法律事務所 |
概要
弊社の定年は60歳ですが、希望者を対象に定年後に1年間の有期雇用契約を締結する形で、定年後の社員を65歳まで継続して雇用しています。
現在、定年後再雇用制度の下で再雇用してから3年目の社員(以下「対象社員」といいます。)がいるのですが、対象社員の働きぶりが思ったほど芳しくないため、現在締結している有期雇用期間が満了するのを待って雇止めを行い、退職してもらおうと考えています。
現在の有期雇用契約どおりの雇用期間までは雇用を確保する形にはなりますし、雇止めに法的な問題はないという理解で良いでしょうか?
弁護士方針・弁護士対応
結論から申し上げると、対象社員に対する雇止めは、雇止め法理(労働契約法第19条)の下で無効なものと判断される可能性が高いと考えられます。対象社員を退職させるということであれば、退職勧奨によって退職合意をもって退職してもらうというのが法的にリスクの低い方法です。
労働契約法第19条柱書及び同項第2号は、有期雇用契約の契約期間の満了時に当該有期雇用契約が更新されると期待することについて合理的な理由があると認められる場合には、契約の更新拒絶に客観的合理的な理由があり、かつ社会通念上の相当性が認められなければ、雇止めは無効になるものとされています。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律においては、継続雇用制度等による65歳までの雇用確保維持義務が定められており(同法第9条第1項)、継続雇用制度の下で再雇用された者については、基本的には65歳まで雇用されるものと期待することにつき合理的な理由があると認められやすい傾向にあり、厚生労働省の解釈においても、継続雇用の趣旨から、65歳に至るまでの間は、雇止めには客観的かつ合理的な理由及び社会通念上の相当性が必要とされています。
そうすると、本件の対象社員の雇止めが有効と認められるためには、雇止めにあたって客観的合理的な理由があり、かつ社会通念上の相当性があることが必要となります。しかしながら、ただ単に働きぶりが思ったほど芳しくない程度の内容では、これを裏付ける資料が充実していない限り、雇止めにあたって客観的合理的な理由があると認められる可能性は低いと思料されます。
いずれにしても、会社から一方的に雇止めを行うのはリスクが大きいため、対象社員に対して、更新のタイミングに労働条件の変更(合理的な範囲迄は許容されます。)を提示するか、退職してもらいたいのであれば、退職勧奨による退職合意に基づく方法をとるのがよろしいかと思われます。
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