| 事例内容 | 相談事例 |
|---|---|
| 雇用 | 定年後再雇用拒否 |
| 担当した事務所 | ALG 東京法律事務所 |
概要
当財団における問題社員が、3月末日をもって定年退職することとなりました。
当該社員には、高年齢者雇用安定法に基づき、定年後再雇用する旨口頭で伝えてあります。
ところが、最近になり、当該社員が数十年にわたって経費を不正受給していた事実が発覚しました。
当該社員はこの間、経理担当者をしていたこともあります。そのため、当該社員の再雇用を拒否したいのですが、再雇用を拒否することは可能でしょうか。
弁護士方針・弁護士対応
定年後の再雇用は、現在雇用している雇用契約とは別に、新たな雇用契約を締結したものとして扱われます。
高年法が定める継続雇用制度においては、希望者全員を雇用することが前提とされており、継続雇用を拒否することができる場合とは、就業規則に定める解雇事由又は退職事由に相当する理由がある場合とされています。
本件の場合は、数十年にわたって経費を不正受給していたことが解雇事由に相当すると考えられるかどうかが問題となります。
会社は、従業員を解雇する権限を有していますが、解雇権を濫用した場合には無効となります。解雇権を濫用したものであるかどうかは、①当該解雇は客観的に合理的なものであるか及び②社会通念上相当なものであるかという観点から判断されます。
本件についてみると、不正受給という刑法上の「横領」に該当する行為を長期間を行っていたことに加え、経理担当者という役割から金銭を取り扱う部署にいたという経験からすると、長期間にわたり会社の信頼を裏切り続けていたことを考慮すれば、解雇に相当する事由があると認められる可能性は高いと考えられます。
したがって、継続雇用を拒否する選択肢も合理的であり、社会通念上も相当と認められる余地があると考えられます。
ただし、一方的に継続雇用を拒否する通告をするだけでは、後で争いが生じかねないため、当該社員との間で、労働契約の終了を含む合意を成立させ、合意書の形でまとめておくことが一つの解決策として考えられます。
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