団体交渉で弁護士に依頼するメリット

団体交渉においては、交渉の進め方が分からないまま、企業が対応を怠ったり違法な対応を行ってしまったりした結果、不利な立場となってしまうケースが多くみられます。団体交渉の場面において判断を誤ると、不当労働行為という違法行為につながってしまいます。弁護士に依頼しなければ、企業側としての適法な対応は難しいでしょう。 団体交渉は、弁護士に依頼することでリスク対策と妥当な解決を期待することができます。ここでは、団体交渉で弁護士に依頼するメリットについて詳しくご紹介します。

目次

団体交渉には専門的な知識と経験が必要

企業が団体交渉を申し入れられる原因としては、賃金や残業代の問題、解雇や退職のトラブル、ハラスメント等、各種の労働環境の改善を背景とした労働者たちの不満があります。労働環境の改善について、「企業が尽くさなければならない範囲はどの程度なのか」「応じなければならない要求はどの要求なのか」といった労働関連法に則した問題の対応をするためには、専門的な知識と経験が必要となってきます。

有利に進めるには弁護士の関与が不可欠

労働問題を得意とする弁護士であれば、正確な知識を有するのみならず、多数の労働問題について、団体交渉の解決や不当労働行為に関する労働委員会における手続に関与してきた経験があります。団体交渉を有利に進めるには、弁護士に対応を依頼することをお勧めします。

団体交渉における弁護士の役割

弁護士は企業に対し、団体交渉に関する相談及び解決への助言、団体交渉対象事項の選別、団体交渉の日程と場所の調整、団体交渉への同席等のサポートをすることが可能です。

団体交渉の進め方については、こちらをご覧ください。

団体交渉で弁護士に依頼するメリット

団体交渉に弁護士が参加することで、企業の不当労働行為を回避したり、団体交渉事項を選別したりするほか、早期かつ妥当な解決を目指すことが可能となります。

経験に基づく交渉戦略の立案

団体交渉における企業側は、労働組合の要求を断るのか、一定の譲歩をするのか等の判断を迫られます。団体交渉を申し入れられた場合の初動対応は非常に重要です。また、いかなる内容であっても団体交渉事項となるわけではありません。妥当な解決を目指すには、団体交渉の協議事項や内容の見極めが有用です。その点において、労働問題に関する専門的な知識や経験を有する弁護士であれば、培ってきたスキルを駆使した交渉戦略の立案が可能です。

詳しい解説は、こちらに譲ります。

迅速な対応と最良な解決策の提案

弁護士は、労働問題について専門的な知識を有するのみならず、多数の団体交渉の解決や不当労働行為に関する労働委員会における手続に関与してきた経験を有しています。これらの知識と経験に基づいた迅速な対応と最良の解決策の提案が期待できます。

事態の悪化・会社の不利益を防ぐ

企業側の不適切な交渉態様は、団体交渉の不当労働行為に該当することがあり、後の労働委員会において是正命令が出されるほか、その後の労働審判や訴訟においても、裁判官の不利な心証につながりかねないおそれがあります。これらのリスクを予防するためには、まずは弁護士に依頼すべきです。

弁護士が味方につくことで冷静な話し合いができる

団体交渉に至るまでの経緯は平穏な状況ではないケースも多く、企業としては、労働組合に対してこれまでの経緯も引き金となって感情的に対応してしまう場合もあります。第三者である弁護士がサポートすることで、適切な対応を行い、冷静な協議を行うことができます。

交渉中止や和解の落としどころを判断できる

団体交渉においては、誠実交渉義務があるとされていることから、交渉を拒否したり、打ち切ったりするにあたっても交渉プロセスが重要となります。また、団体交渉をいつまでも続けるわけにもいかない以上、和解の落としどころを見出すことも重要です。

団体交渉について豊富な知識と経験を有する弁護士であれば、交渉中止や和解の落としどころについても適切に判断することができます。

労務トラブルを未然に防ぐ体制づくりをサポート

企業にとっては、そもそも団体交渉にまで発展しないよう内部体制を整備することも有用です。就業規則の整備と運用に対するアドバイスや懲戒処分を行うにあたっての事前準備等についても弁護士がサポートすることが可能です。

団体交渉の解決を目指すなら顧問契約の締結を

弁護士法人ALGの顧問契約企業の場合、団体交渉はもちろん、労働審判や訴訟等についても対応費用を顧問専用の価格でご依頼いただけます。豊富な知識と経験を有する弁護士が、早期解決に向けて対応します。

団体交渉に関するQ&A

団体交渉を申し入れられた場合、会社は必ず応じる必要があるのでしょうか?

労働組合法7条では、正当な理由のない団体交渉の拒否を禁止しています。したがって、企業は、正当な理由のない限り、団体交渉に応じなければならず、誠実に交渉に応じる義務があります。ただし、交渉事項には一定の制限があるため、要求事項を正確に把握することが重要です。
誠実交渉義務について、詳しくはこちらをご覧ください。

恫喝まがいの団体交渉を受けたとき、弁護士に対応してもらうことは可能ですか?

恫喝まがいの団体交渉を受けた場合には、弁護士に対応をお願いするべきです。これら恫喝等を放置すると、不当な要求につながるおそれがあります。弁護士に対応を依頼して、組合等と適切な交渉を行う環境をつくりましょう。
具体的な対応策等については、こちらをご参照ください。

団体交渉が裁判に発展した場合、弁護士に代理人として出廷してもらうことは可能ですか?

弁護士は、訴訟等を含め法律事務全般の代理人となることができます。一方、社会保険労務士等では、労働委員会における不当労働行為の審査、労働審判や訴訟等の代理人になることはできません。団体交渉が労働委員会の審査に及ぶ場合や、紛争が裁判手続にまで発展する可能性がある以上、弁護士に依頼すべきといえるでしょう。

団体交渉申入書の回答書の作成方法についてもアドバイスしてもらえますか?

日程、場所、交渉事項の選別等、申入書に対する回答における最初の判断は、交渉の帰趨を左右することもあります。多数の団体交渉の解決や不当労働行為に関する労働委員会における手続に関与してきた経験を有する弁護士が、書面の作成を含め全面的にサポートします。

団体交渉を弁護士に依頼した場合、解決までの期間はどれくらいかかりますか?

団体交渉は、回数や期間が決まっているものではなく、合意するか交渉決裂するかのどちらかまで続きます。1回で合意に至れば2ヶ月程度で終了しますが、解決まで半年以上かかるケースもあります。

弁護士に依頼することで、団体交渉による不当労働行為を回避することは可能ですか?

団体交渉においては、「不当労働行為」にあたらないよう注意が必要です。企業が独自に判断して交渉を拒否する等すれば、不当労働行為救済命令を申し立てられ、労働委員会から救済命令がなされてしまうおそれもあります。弁護士が介入することによって、団体交渉による不当労働行為を回避できるよう、冷静かつ正確な判断が期待できます。

顧問契約を締結して依頼した場合、弁護士費用はどのくらいかかりますか?

弊所と顧問契約を締結した場合には、通常の費用よりも低額でご依頼いただけます。
例えば、交渉であれば着手金25万円からで弁護士が代理人として交渉を行います。

弁護士に団体交渉を代理出席してもらった場合、社長本人の出席は必要ですか?

団体交渉の場合に企業が誰を参加させるかは、企業の裁量に任されています。したがって、社長本人の出席は必須ではありません。企業の代表者は、重要事項に関する最終決定権者であり、検討が必要な事項についても即断即決を迫られかねません。安易に出席させることなく、出席させるかどうかの判断は弁護士に相談するべきでしょう。

労働者側の交渉担当者についても、弁護士が担当することがあるのでしょうか?

労働組合法7条では、労働組合の交渉担当者について「労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者」が交渉権限を有すると定めています。したがって、労働組合から委任を受けた弁護士が交渉を担当することもあります。

弁護士と顧問契約した場合、就業規則の整備についても相談することは可能ですか?

弊所の弁護士は、労働法関係の問題について使用者側の立場からの助言を日常的に行っており、豊富な知識と経験を有しています。団体交渉のみならず、企業側の問題や事情を踏まえて就業規則の作成やレビューも行っています。

団体交渉のトラブルは深刻化するおそれがあります。早期解決のためにも弁護士に依頼することをお勧めします

団体交渉を申し入れられた場合には、適切な対応をとっていくことが重要です。団体交渉における対応次第では、団体交渉の不当労働行為に該当してしまったり、後に不利益を被る事態となってしまったり等、トラブルがより深刻化するおそれがあります。早期解決を図り、そして団体交渉を有利に進めるためには、専門的な知識と経験を有する弁護士に対応を依頼することをお勧めします。

執筆弁護士

弁護士 東條 迪彦
弁護士法人ALG&Associates 弁護士東條 迪彦

この記事の監修

執行役員 弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 執行役員弁護士家永 勲(東京弁護士会)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

近著に「中小企業のためのトラブルリスクと対応策Q&A」、エルダー(いずれも労働調査会)、労政時報、LDノート等へ多数の論稿がある

労働法務記事検索

労働分野のコラム・ニューズレター・基礎知識について、こちらから検索することができます